平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
僕がこの仕事を始めて43年。と言う事は40年以上前に作ったアンプが皆動いている。
一言で言えばオーバークオリティ。

と言っても、よる年波には敵いません。かなり前に受けていたプリアンプのオーバーホール。此処続けて2台オーバーホールをしましたので、頭の中はオーバーホールモード。
こんな時には続けてするのが一番です。

今回のアンプ、どの年代の物かは判っていましたが、今現在のオーナーの方は中古で購入。アレッ、誰から行ったアンプだったかな?(最近、昔の事は忘れています、汗)。

3週間位前に持って来て貰いました。まず最初に驚いたのが『重い』。
この型はこんなに重くはない筈。ひょっとして・・・・・・・・。

更にオプションの強化電源も付いています。


本当に最初の強化電源でオイルコンまで装備。

ひょっとして・・・・・・・・。
中身を見たら・・・・。


ハイ、僕が使っていたアンプです。当時としては最高のチューン済み。
本来は無かったオールトランス結合(だから中身がギュウギュウ)。
LCRイコライザーも入っています。

最初はノーマルで使い、其の後に強化電源を付け、OPTだけは取り付けられる様に成っていたシャシに、無理やりトランスを詰め込んだ仕様。
ハイ、性能的には問題ありません。只中がキツイので作業がし難い。

でも、40年以上使われて来たやつれは外観に一切有りません。
大切に使われて来たのが判ります。

ヤバいなー・・。コイツが戻って来ちゃったらトコトンやるしか無いじゃない(まあ全てこの調子なんですが)。

最初は徹底的な現状のチェック。各部の電圧と電流を測定します。このくらい古いと一度の測定では安心できません。
一晩連続通電をして、昨夜と今朝の違いをチェック。

回路も、僕用と言う事で何か弄って有んじゃないかなー・・・・。
有りましたよ。LPとSPのイコライザーカーブの切り替えSW。
当時はSP盤に嵌っていましたから・・・・・・。

今のオーナーの方には不必要(要るなら連絡を下さい、笑)。
このSWを外すと信号ラインが単純に成ります。

回路と定数も現物から図面を起こす。
その定数を元に現在の動作点(真空管の)へ変更するには定数をどう変えれば良いかの計算。
チョイ余計な急ぎ仕事が入ったのも有りますが、此れを全て準備するのに2週間近く掛かりました。
此の準備が大切なのです。此れをしないで一発勝負をしてしまうとまずNG。
逆にこの仕事をシッカリとすれば、作業中の迷いはなく成ります。

写真に写っているブロックケミコン。3個封入して有りますが1個は完全に抜けていました。
40年ですから仕方ありません。逆に2個は正常と言う方が凄い。

このケミコン、デカップリングに使っています。
通常デカップリングが抜けますと発信するのが普通。
コイツが発振しなかったのはデカップリング回路が通常のシリーズ接続では無くパラレル接続だった為です(僕のアンプは全てパラレル回路です)。

昔別れた彼女との再開です。さてさて・・・・・・。



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