平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
遅々として進まないパワーアンプの修理。
勿論、単なる修理だけでしたらとっくに出来上がっています。
でもね・・・・・・・。

制作したのは40年近く前。当時の僕には理解が不十分だった所が沢山有り、今の目で見ると拙いよねー・・(あ、メーカー製は此の問題点に気付いていないのか、目をつぶっているのか対処していません)。

要は、真空管が正常動作をする前のヒーターを温めている時間。この辺の問題に気付いた僕は結構前から電源にタイマーを仕掛けて、真空管が十分に温まってから電源を立ち上げています。勿論瞬間に規定電圧に上げるのではなく、2~3秒かけてジワーと上げているのですね。

今回のアンプは直結回路。二つの真空管に同じ時間で温まって欲しいのですが、世の中そんなに甘くなく・・・。
ほんの10秒位なんですが、位相反転段に異常電流を流してしまうんですね。まあこの程度で直ぐに壊れる事は無いのですが、長期の使用を考えるとやっぱり拙い。

そんな訳で・・・・・。


無事に(本当は無事じゃない、汗)取付完了したタイマーとリレー。此のタイマーで整流管のフィラメントの点灯を遅らせるのです。フィラメントですから、電流が流れても正常電圧が出るには2~3秒掛けてジワっと上がるので他の真空管に優しいのですね。

で、上の写真を拡大しますと・・・・。


タイマーソケットとシャシの間に隙間が有ります。最初これを設けなかったので底板がゴチン。
原因はこの部分。


底板が曲げて有り、シャシ側板の内側に入るのです。その側板にソケットを取り付けたのでゴチンコ。

そんな訳で・・・・・。


この様なスペーサーを作りました。昨日レシプロソーで切断したのはこの板です。
3mm厚の板は切り売りをしてくれません。定尺で買ったらとんでもない大きさで(エブリーに積めません)、何とか切り端を持っている工場が無いかと探したのですよ。

ヤット見つかったのは、必要量の3倍の板(ただで貰えましたけどね)。レシプロソーの活躍で必用サイズよりチョイ大き目に切断し、フライス盤で望む寸法に仕上げ穴加工。
これ、時間工賃で計算したらタイマーの部品よりもはるかに高いかも(笑)。

兎に角、タイマーソケットの取り付けは二転三転しまして本日無事に取付完了。底板も無事に付けられる事を確認しました。

なんでこんなに拘ったのか・・・。
ハイ、長期に安心して使えるアンプにしたかったのです。



一般市販の真空管アンプ。真空管の寿命が短か過ぎますよね。

オット追記です。以前に僕が作ったアンプでタイマーを内蔵していないアンプへのタイマー装備加工を受け付けます(一般市販のアンプは申し訳ありませんが難しいです)。実費で行いますので興味のある方はご相談ください。只、仕事が込み合っていますのでお時間は可也いただく事に成ります。

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充電式チェーンソーを買ってから、増殖を始めた充電式電動工具。
で、4個目が此れ。



今迄使っていた100V仕様の電動ドリル。



もう40年超えの歴戦の勇者。ちゃんとしたメーカー製を買えば一生モノです。
今回は、5年ほど前に切り倒したねむの木。切り株状態なのですが生命力が半端では無く、毎年新しい芽(枝)を沢山出すのですね。
今年は暑かった所為かその出る本数と成長速度が半端ではない。
チョイ油断をするとジャングル状態。

もう何回切ったのか忘れました。
切っても切っても新しい芽が伸びて来るのです。
こうなったら切り株へ穴を開け、その穴の中に除草剤を注入しかないと考えたんですね。

問題は切り株の位置。結構長い電源ケーブルを這わすようです。
チョイ面倒だな。金額が安かったら充電式ドリルを買うか。

アマゾンで¥12500。ポイントが貯まっていたので¥10000で買える。
迷わずポチッ。

届いたドリルで穴あけ。ウーーーーン、時代の進歩は凄い。トリガーの引き加減で回転数が自由自在。
今迄のドリルならトリガーのON、OFFを細かく繰り返すしか方法が無かった。
今回のドリルは、ユックリの回転でもウソッと言う位トルクが有る。
これなら怪我をしないよね。

と言う事で、長年愛用して来たドリルはお休みに成りました。全ての点で充電式に負けています。

もっと早く買うべきだったかなー・・・・。

増殖している充電式工具。全てマキタで揃えていますのでバッテリーは1個しか持っていません。それでも僕の使い方では足りるのです。全放電した事が有りません。
昨日、10mmの穴(深さは10cm以上)を切り株へ12個開けました。

そのバッテリーを充電しないで今日はレシプロソーに使い、アルミ板の切断。
それだけ使っても、バッテリーの充電インジケーターは4個すべてが点灯。
万が一、充電量が無くなっても付属の充電器は急速充電ですので20分程度で充電完了。

要は使用時間よりも充電時間の方が短い。

凄い時代に成ったとしみじみ思います。





軽ーく追記です。
使用時間よりも充電時間の方が短い。此れって現在のEV(電気自動車)も同じです。
高速道路を走行する場合、30分の充電で100km(時速100km/hで1時間)走れます。高速道のSA内の充電設備では30分間しか充電出来ませんので30分充電して100km走行。また30分充電して100km走行。僕の様に関西まで日帰りで仕事、の様な使い方をする人間にはEVは使い物に成りません(笑)。
エブリーは大阪まで途中給油なして走り切りますし、給油時間も10分も有れば十分です。時間を持て余している人にしかEVでの長距離走行はむずかしいですね。

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本日は二日間の地域振興委員会の仕事(肉体労働)が祟って疲労困憊。
急遽、休養日。

で、庭先にはでっかい脚立が2個。
馴染みの庭師さんが来て、藤の手入れをしています。

そんな訳で・・・・・。




此処迄花が上がった朝顔。庭師さんもビックリ。
朝顔を育てた方ならご存知でしょうが、秋に成り枯れても弦はシッカリと絡んだ侭に成るのです。
枯れた状態でも、チョイ引っ張った位では切れません。

正直、どうしよう?状態だったピンキー君。

庭師さんに朝顔の弦を落として貰う事にしました。
まだ花が咲いているので勿体ないのですが、下葉は黄色く成り始めています。持っても精々2~3週間。
可哀そうですけど・・・・・・・。


朝顔を剥がしたのは正解だったみたいです。落とした庭師さんが言うには『落とした葉の重量は10kgを超えていたと思うよ。あの状態で台風でも来たら確実にケーブルは切れたね。』

来年は、絡みつく前に別の方向へ伸ばします。でも朝顔って普通あんなに伸びるのかなー・・・・?

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新品バッテリーの補充電はとっくに終わっているのに、交換が遅れていました。
これでも結構忙しいのです(今日も午後から地域振興委員会の仕事。明日は1日中)。

と言っても、サッサと交換しないと拙い。

と言う訳で昨夜バッテリーを4本交換しました。
外したカオス(C7)。



交換したノーマルバッテリー4本。



正直やりたくなかったんだけど、試聴です。
カオスの旧型C6はノーマルバッテリーと同じ音がします。
新しいC7はチョイやばいのです。不調のカオスだから誤魔化せるかな?

甘かった。C7に慣れた耳にはノーマルバッテリーの音は・・・・・・・。
今回外した4本のカオス。不良は1本だけ(略見当が付いている)。

まだ1年しか使っていないので、1本だけ買うかな・・・・・・。

ここでの音の評価は書きません。あくまでも僕の装置の場合であって、他の装置ではどのような結果が出るかを知りませんので・・。

で・・・・・・・・(涙)。
只今ネットでカオスを買おうと検索したら、C7は旧型に成っていて最新はC8。C8の音は知らないし4本買うのも・・。
第一今回買った4本をどうするのよ・・・・・。

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当初の予想よりも大掛かりに成ってしまったパワーアンプの修理。

今回の大前提。僕よりも寿命が長い事(笑)。
そう考えますと、電源のタイマーは入れたい。

今回、アンプのウォームアップ中(真空管が正常動作をする前、暖気中)の各部の電圧を計ったのですよ。

現在作っているアンプは此処の所を凄く重視しています。アンプの寿命に大きくかかわる部分ですので・・。

今回のアンプ、直結回路ですので(LUXも沢山使っていますよ)此処は更に重要です。
で、目の前クラクラ。本当にオイオイの電圧(電流)が出たのです。真空管が温まって正常動作をすればOKなんですがこの異常電流を流す10秒間。永年の使用には可成り拙い。

整流管を使って此れですので、シリコンダイオードの場合は・・・(怖)。

一般市販のアンプの真空管寿命の短さの原因の一つと思われます。

本物のGZ34の場合は立ち上がる時間が他の真空管よりも長いので助かりますが、偽物は直熱管。
ホンの2~3秒で立ち上がります。此の弊害をなくすにはタイマーを使って整流管の立ち上がるのを遅らせるのが一番です。
シリコンダイオードの場合は、タイマーを使っても瞬間に立ち上がるので真空管に対する電圧の掛け方としては如何なものかと・・・。

で・・・・・・。

新しく取り寄せたタイマーとリレーのソケット。

僕が今迄使っていたソケットは新しく設計するシャシを前提に採用しています。
今回は、そのソケットの取り付けを色々と検討したのですが無理。

オムロンのカタログと首っ引きで探したのがタイマーの付いているソケットです。
今回のシャシは深さが浅いのでギリギリの寸法。

これから、あーでもないこーでもない、とシャシの中に取り付け可能の位置を探します。

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EL34 PPモノラルアンプの修理。
取り敢えず1台目の動作チェックは成功。

で、2台目に掛かりました。
1台目と同じ定数で組んだのですが・・・・・・・・。

まあ普通に真空管の電流を計りますよね。
少ないんですよ。特に出力管の電流が・・。

なんで?

で、元々の電圧を計ったら50V近く低い。ウソッ・・・・。

ハイ、ピンキー君はオッチョコチョイです。
アンプを正面からジックリと見たら気付くのが普通。

2台のアンプの整流管が違っていたのです。
最初の1台には本物のGZ34。
2台目には前にアップした偽物GZ34。



写真左の小型の方が本物です。
この場合問題に成るのが、お互いの真空管の内部抵抗。
偽物の方が大きいのです。

結果整流後の電圧に50V近くの差が出てしまいました。
この辺もコンデンサーインプットの使いにくい点ですね。

2台動かして、初段管のEF86は、片chの電流値が落ちていました。
いま、良質なEF86って有るのだろうか?
最近は全然使っていない真空管なので、自信が無いのです。

それなら使い慣れているECC82にしちゃえ(笑)。

初段管をEF86に拘る必要なんて全然無いのです。

と言う事で、またもや設計変更です。

マニアの方は、整流管を差し替えてこちらの方が音が良い。なんて判断していますが、出力電圧を計っていますか?
電圧を同じにして聴き比べないと基準点が変わって来ますので・・・。

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真空管動作点の調整に入ったパワーアンプ。
直結で無けりゃチョチョイのチョイなんだけど、初段管の動作点を弄ると次段の位相反転段も大きく変わる。
直列に繋がったシーソー2台を水平にする感覚。
で、結果的に手持ちの抵抗器では調整不能。抵抗値の手持ちは有るんだけどワット数が足りない。

またもや商社に何種類かの抵抗器を発注。

普通、高抵抗には電流を流しませんので1/2Wで十分です。そんな訳で1Wクラスしか手持ちがない。今回は電流を流すので2Wクラスが必用。

ゲロしますと、EF86を使うのは何十年かぶり。要は勘が働かない。ECC82ならこの程度弄るとこうなるぞ。という勘が働きます(不思議と初めて使うECC99の時も働いた)。
単純な三極管では無く五極管の三結ですので、今迄の勘が通用しないのです。

例の回路図。もう5枚目です。
あと何枚必要に成るのか・・・・・・。



なぜにこんなに拘るのか?
簡単です、音を良くする為。正しく言うとアンプの存在を無くす為。
簡単にあの真空管はこんな音がする。なんて言いますけど、動作点の選び方で『エッ、この真空管からこんな音が・・。』

真空管からは音が聞こえません。最終的にはスピーカーから出る音です。そのスピーカーとの相性の良い真空管(正しくはアンプ)に高得点をしてしまう場合が殆どです。
僕は相性の良いスピーカーと言う考えが好きでは無いのですね。
良くも悪くも、つないだ機器の個性を其の侭出すアンプを狙っています。

今回アンプを出されるお客様(例の競争率の高いアンプです、笑)。
その方にアンプを納めさせて戴いた時の言葉。
『なにも足さない、何も引かない。だね。』

当時、この言葉のお酒のコマーシャルが流行っていましたので・・・・・・・。

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取り敢えず、2台のアンプ共に修理不能と言う事が無い事が判りホッ。
兎に角動くぞ。
まあ、一般的には今の状態でOKです。
普通に音も出る筈。

で、この辺でEL34の音は。とか言いたくなる人が多いんですね(笑)。
何度も言いますが、真空管(パワー管)の音よりももっと影響の大きな部分って凄く多いのです。
昔、僕の作るアンプは『ピンキーバランス』って呼ばれていました(あ、勿論ピンキーの部分は本名でです)。

つまりですね。どんなパワー管を使っても(どんな回路を使っても)必ず僕が作ったと判るバランスで鳴るのです。

前に言いましたよね。アンプの音を決めるのはだれが作ったかって・・・。
この辺は料理とおなじですね。誰が作ったかが勝負。
そんな思いも有って、平気で此処にノウハウをアップしているのです。

此れもかなり昔。ある友人が自分で作ったアンプを僕の店に持ち込みました。勿論彼には僕の考えを話していましたので、僕の作るアンプとそんなに大きな違いがあるとも思えないアンプです。
其の時丁度馴染みのお客様が同席。で、3人で試聴。

アンプを作った友人が帰った後、馴染みのお客様。
『ピンキーさんのノウハウは話しているんだよね。でもなんであんなに音が違うの?』

そんなものです。ずるい人に成ると、僕のアンプを貸し出した時に内部を全て見て、コピーモデルを作るんですね。所詮コピーモデルです(笑)。

えーー余計な話をしました。
取り敢えず、今一原因が判らなかった(一か所では無いと思う)故障ですが、長年使うと傷むパーツを全て交換。勿論傷んでいるのが判るパーツも交換。それで無事に動きそうですので、メモに近かった回路図を清書しました。

ダウンロード

定数を記入しない素の回路図をスキャンします。
こうするとこの回路図を何枚でも印刷できますよね。

で、この回路図へ実験途中の定数を書き込んでいくのです。
実験1。実験2と書き進めますと途中経過が良く判り無駄をなくすことが出来るのです。

もう音は出るアンプ。此処で終わらせるか、更に煮詰めるかがアンプの完成度を決めます。

懺悔。40年前の僕ってこんなレベルだったのですね(大汗)。

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