平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
量産開始

バージョンアップしたギヤボックス。
ヤハリこれから納品の方達は、皆さんクラッチ内臓を希望。

プーリーを作る材料のアルミ丸棒がストック切れ。
チョット特殊なアルミの為、材料屋さんも持っていない。

昨日、やっと材料屋さんに入荷。早速貰ってきました。

このアルミ。結構僕のお気に入り。バイク関係も殆どこれで作っています。何かは企業秘密(笑)。

チャックに咥えて加工開始。

正直な所、外寸の誤差は結構許されます。0.1mm狂っても速度偏差は0.15%。
旋盤作業で0.1mmが許されるなんて楽勝楽勝。

問題は写真で見えます中心の穴径。

クラッチを圧入しますので、許容誤差が小さいのです。

此処の誤差は最大2/100mm。

穴径を測定するのはすごく大変。
一般のゲージでは、測定者の腕で結構違った値が出てしまいます。
1/100辺りに成るともう大変。

で、どうするか・・・・・?

プーリー

写真のゲージを作りました。
狙いの穴径は15.98mm。

写真右の丸棒径。16.00mm
写真左の丸棒径。15.97mm

細い方は入り、太い方は入らない穴を開ければ良いのです。

って、簡単に言っちゃいますが、結構大変。

上の写真の状態は、穴径を無事に仕上げ、これから糸の掛かる溝を切るところです。

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バージョンアップ

発売以来、大好評のギヤボックス。

店の中では、納品待ちのギヤボックスがエージング運転をしています。

で、早々とバージョンアップ。

写真を見て、以前のプーリーと形が変わっているのに気付いた方はエライ。

減速ギヤにウォームを使用しているのは、以前アップしたとおりです。

ウォームギヤの特徴として、動力の伝達が一方通行。
モーター側からは伝えられますが、ターンテーブル側からは伝えられません。

普通に動作している時には、問題有りませんが、モーター電源を切った瞬間、モーターは直ぐに停止。

ところが、ターンテーブルは慣性で廻ろうとします。

ギヤボックス側のプーリーは止まっているのに、ターンテーブルは廻っている。

つまり糸とプーリーの間でスリップをしているのです。

糸とプーリーの寿命の点でチョイ問題。

特に、レコードをのせる度に、ターンテーブルを止める人は大変。

で、今回のバージョンアップなのです。

プーリー中心を見て下さい。銅色の部品に気付く筈。

実はクラッチを仕込んだのです。

廻る時にはシッカリと固定。モーター電源を切るとクラッチが切れ、ターンテーブルの回転を妨げません。

動画でアップすればよく判ると思うのですが、やり方を知りませんし・・(汗)。

SWを切った瞬間は結構面白い。
スケルトンなので、内部のギヤが良く見えます。
SWを切ると、ギヤは直ぐに止まるのに、プーリーとターンテーブルは中々止まりません。

音には関係ないのですが、チョット拘って見たかったのです。



ギヤボックスのこの仕様は、若干の値上げに成りますが、今迄にお買い上げいただいたお客様で、バージョンアップをご希望される方には、差額だけでのバージョンアップをいたします。

またこの仕様は、プーリーの取り外しに工具が一切要りません。
45回転も欲しい方は、プーリー交換で簡単に出来る様に成りました。

気軽に、お問い合わせ下さい。

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最終チェック

新しいプーリーも出来上がり、モーター交換。クッション新造と生まれ変わったQRK。

さて問題は、60Hzでの回転数偏差。
50Hzでは、1%強早かったQRK。
そのプーリー径から導き出した寸法で、更に偏差を少なくしたプーリーにした筈。

残念ながら、僕は正確な60Hz電源を持っていない(若干狂っているのは有る)。

結果、ストロボでの判定は無理。

じゃあどうするか?

50Hzで廻し、50/60の回転数の時間を計ればOK。
331/3は3分で100回転。これに50/60を掛けると831/3回転になる。

目印をつけて、ターンテーブルスタート。

831/3回転を数えながら、ストップウォッチで時間を測定。
でた時間。2分59秒。
プラス0.5%以下の誤差に抑えられました。
この時大切なのはプラス気味の誤差はOKですけどマイナス気味はNG。
人間、遅い方には敏感なのです。
JIS規格でも、マイナス側には少ない誤差しか認められていません。

このぐらいに抑えられると、僕としても気分がいい。

この侭、一晩廻して、異常がなければ納品です。

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回転偏差

ギヤボックスが全て出来た訳では有りません。
発注したモーターの入荷がまだ。

と言う事で、別の仕事に掛かります。

今回はQRKの電源周波数変更。

50Hzから60Hzへの変更です。

お使いの方ならお判りでしょうが、QRKの速度偏差は結構大きい(2%前後)。

折角プーリーの作り直しですから、ピッタリのを作りたい。

で、写真の作業です。

331/3と言う事は3分間でジャスト100回転。

ターンテーブルにマークに成る物を置き、100回転数えながら、ストップウォッチで時間を計ります。

今回の結果は178秒。

ヤハリ若干早い。

でも、ストロボの動きはそれよりも早いかな?って感じるほど流れています。

ハッキリ言ってストロボはシビア過ぎ。
いつの間にかプレーヤーにはストロボが標準装備。

こうなるとシンクロナスモーターは拙い立場。

音の良し悪しは、中々判断がつきませんが、ストロボの流れは誰でも見つけられてしまう。

結果、音よりもストロボの流れを気にする人達用に、サーボモーターが大流行。

困ったもんですね。

速度偏差は判りましたので、この後マイクロメーターでプーリー径を測り、60ヘルツに合わせたプーリーを作ります。

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量産?

かなり遅れていますギヤボックスの生産。
僕にとってはかなりの量産体制(汗)。

シリアルナンバーももう少しで2桁。

写真に写っているのは、3日前と昨日出来上がったギヤボックス。

残念ながら、出来立てホヤホヤを納める訳には行かないのです。

ギヤの当たりが出るまで、兎に角オイルが汚れます。

一番最初に作ったギヤボックスは最近全然汚れません。それを見て僕もホッ。

組んで直ぐのオイルは、2~3時間で汚れてきます。キメの細かな金属粉が殆ど。これだけ細かければ質の良い研磨剤。と言う事で直ぐには交換せず10時間廻しっぱなし。

此処で最初のオイル交換。内部に古いオイルが残っていると、金属粉も残っているので、1時間ぐらい放置。

内部のオイルが出切った所で、新しいオイルを投入。

今度は一昼夜。ヤハリ汚れてきます。

また交換。

次は二日間。また交換。

最後に3~4日間。此処で最後のオイル交換。

やっと出荷です。

この間に使うオイルの量。結構多い。かなりの高級品を使っているので、コストも掛かるんだけど、後々を考えると止められません。

納めさせて頂いた、お客様の喜ぶ顔が苦労を吹き飛ばす特効薬ですね。

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お久しぶりね

やっと完成。
結構組み立てにも時間と集中力が必要です。

上下二分割ですので、上下の軸受けの直線性をキッチリと組まなければ成りません。

僕の店で音が出なくなって2週間半。

本当は組んですぐには接続しないで、一昼夜廻して、最初のオイル交換。
それからセットアップしたかったのですが、我慢の限界。

繋いじまえ。

まだ軸受けが固く、60Vでは回転が不安定。70Vで廻しています。

暫くぶりに聞くレコード。心が落ち着きます。

さあ、後5台作らないと・・・。

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パーツ群

只今製作中のギヤボックス。予定より大幅遅れ。サボっている訳では有りません。

結構細かな作業が多く、神経が参って来るのです。こんな時に無理をすると、取り返しの付かないミスを・・。

チョットしたミスで、2日間の作業が無駄に成ったりします。

気持ちの集中した時だけの作業が必要です。

大物パーツは、略出来上がりました。

1台のギヤボックスに、どれだけのパーツを使うんだろう?

記念撮影です(笑)。勿論この写真はギヤボックス本体のみ。

アクリルカバーとパッキンは入っていません。

更にモーターを付ける底板やSW関係の電気部品。
結構な数で、自分でもビックリ。

さて、これから組み立て。
自分用でも作りますか(笑)。

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本番モデル

もう少し、試運転をするつもりだったのに・・・・・・。
我慢が出来ません。試作モデルとの違いを早く知りたい。

試作機は試行錯誤の連続で、やって見なきゃ判らない精神での作品。

その試作機で出て来た色々な問題点に、対策をした今回の機械。

自信が有るからこそ早く使いたい。

一度のオイル交換とカップリングの再調整。

今迄の試作機を下ろし、新しいギヤボックスを台の上に。

糸を掛け、運転開始。

試作機では、出来上がりすぐには聞けなかったピアノ曲で意地悪。

普通に鳴り出した。

出来てすぐにこの音ならOK。

今度の機械の方が振動も少ない。

試作機は下にゴムを敷いて逃げていた。

で、試したかった実験。

本番モデル

思ったとおり。立ち上がりが段違い。ゴムは極力控えめに。出来たらゼロが理想。

で、このティップトゥー。逆さと感じたらこいつを理解していませんぞ(笑)。

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