平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
此処の所、機械加工ばかりやっていたので、腰に疲れが溜まっている。
無理をすると、後で痛い目に合うよね。

と言う事で、本日は暫くぶりの休養日にしました。

そう成ると、頭の中は40th・・・・・・。
全ての真空管を働かせる電源トランスが必要です。

重要なのが電源トランスのスペック。僕の知る限り、丁度良いトランスの市販品は有りません(カットコアだしねー・・)。
見積もりを取るにもスペックが判らないと無理ですよね。

そんな訳で、電源トランスのスペック計算です。
頭の体操には丁度良い仕事でも有ります。

B回路はチョークインプットで作りますから、B巻き線は高目が必要。
フォノイコライザーはDC点火にしたいので、15V巻き線も必要。

悩んでいたのですが、音量調整用のVR。
単体プリアンプと同じ物を使う事にしました(これの原価は数万円、汗)。
正直、オイオイなんですが、行っちゃおう・・・・。

パーツの原価計算をするのが怖く成りました(大汗)。


最初はVRはオプションで・・。なんて考えていたのですが40thだよね。手を抜かないんだよね。
と自分にプレッシャー。
流石にMCトランスはオプションです。

で、更に・・・・。ヒーター整流回路にもチョークを入れちゃおうかなー・・・(重量が怖い,
間違いなく現行のパワーアンプより重く成る・・汗)。

実は電源トランスの容量も現行パワーアンプと同じなのです。重過ぎるかなー・・・・。
シャシの内部にヘリウムガスを充填・・・・・・。

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一ヶ月以上掛かってヤット完成したドライブアンプ。
本日、無事に納品(パチパチパチ)。

今回のお客様は、従来のVT25ドライブアンプからの買い替えです。
ドライブアンプの良さは十分にご存知。

今年の年頭、部屋を十分に広げ、スピーカーにもバッフルを取り付け、その他色々と強化。

グレードアップには付きモノの、弱音を吐いてしまう装置。
他が良くなったので、今迄では感じなかった弱点が見えてしまうのです。

今回はドライブアンプ。
単に真空管の交換(VT25からECC99への変更)にするか、完全に新しく作り直すか考えられまして、答えは新造。

そう成ると僕もしっかりとした物を作りたいので、注文を頂いてから2~3ヶ月お待ちいただきました。
考えて見ると、最初からECC99設計のドライブアンプは初めてです(僕用のドライブ内蔵のプリアンプだけ)。

昼前に到着。接続音出しと何時もの手順。
で、お客様が驚いた。スピーカーから何も聴こえない(アンプを動作させた状態)。
あまりにも静かで、本当に音が出るのかと・・・・・。
僕はニヤニヤ。
レコードに針を下ろすと、極普通に鳴り出した。
此のノイズのなさは・・・・。(直熱管では無理な世界です)

数枚のレコードを掛ける。ドンドン調子が良く成る。
僕はミッドハイとハイユニットの位置調整。
綺麗につながった。

此処へ引っ越して、初めての完全新製品のアンプ1号です(今迄はマイナーチェンジ)。
作った本人とお客様と共にニコニコ。

納めさせていただいて、お客様の笑顔が僕にとっては一番です。


あ、ブログで見ていてある程度は想像していたそうですが、ブログの写真よりも本物がずっと良いと・・・・。
でね、最近のピンキーさんの作品はデザインが良く成ったねー。以前のは・・・・・・・・。
僕としましては・・・・・・・。

ゲロしちゃいますと、性能だけで精一杯の時期は良いデザインは無理(頭が其処まで回らない)。
勘所が判って来たので、デザインで遊ぶ余裕が出来て来たのです。
でも、シャシ設計に掛かる時間がドンドン長くなっているのは悩みの種。
まあ、楽しんで設計していますので・・。

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数日間、野暮用でストップしていたドライブアンプ。
動作チェックは終わっていて、最終判断。

此処のコンデンサー容量。もう少し小さくしたいよね。
カソードのパスコンです。全てのコンデンサーに言えるのは、必要最低限の容量を使う事。
其処のインピーダンスを考えて、カットオフ周波数を決めるのです。

大は小を兼ねる。なんて考えで、とんでもない大容量を使う方がいますが・・・・・・。
まあ、メーカーや雑誌もいけないんですよね。大容量を自慢する記事が氾濫。
理論を知らない(正しくは、勉強をしようとしない)人達は其れを鵜呑み。

例えば、大容量のコンデンサーは高域に弱いですので・・・・(それ以外にも問題点は多々)。
何でも適材適所です。

オット、タイトル・・・・・。



写真で見えるでしょうか?シャシ側板に貼ってある透明のフィルム。
電源トランス1次側の端子が、シャシに近いのです。
なにかでショートするとヤバイ(まあ、普通は有りません)。

念の為のフィルムです。
本日のヤマト便でコンデンサーが来ますので、其れを取り付けて完成です。







良く見る記事です。
電源のコンデンサー容量を増やしたらハムが減りました。
超初心者の書かれた記事ですね(僕だったら恥ずかしくて書けない)。
と言う事は、その方の書かれた記事全体も・・・・。

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完成間近のドライブアンプ。
とりあえず、上面だけ見て下さい。



真空管もささり、中々の美人(自己満足)。
で、判る人は気付いたかな?
2本の整流管の間隔が狭い。

パワーアンプで此れをやってはいけません。
今回の場合、整流管に流れる電流は25mA程度で、プレート電圧も150V。
要はプレート損失が小さいので、発熱も少ないのです。

パワーアンプの500V、120mAと比べると判ると思います。

で、遂に表面の取り付け(傷を付けたくないので最後にしました。取り付けちゃうと電源トランスの配線が出来ない・・・。と言う理由も有るのですが・・・)。

お約束のタップ加工。



5~6山切って有るネジをガイドにしてタップをねじ込みます。
此の時に、タップハンドルを付けるのは厳禁。ガイドの穴に対して斜めに入れてしまう恐れ大。
指先でガイドのネジを探りながらタップをねじ込みます。きついと思ったら、斜めに入っていますね。

スルスルと入ればOK。きつくて回らなくなったらタップハンドルを取り付け、下穴の最後までネジを切ります。



こんな感じに切粉が綺麗に出て来ます。

此の作業を10箇所やって完成。

で、明日からの二日間。夏祭りで目茶疲れるのが判っているので、今日は此れから休息。明日に備えます(大汗)。


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配線の終わったドライブアンプの動作チェックです。

そう成ると必要なのが此れ。



お判りですよね。電源ケーブル。此れが無くちゃ始まらない。

此のケーブル長もお客様の御希望で作ります。
長過ぎても処理に困りますし、短い場合は・・・・・(笑)。

写真でお判りの様に、スタッカード配線です。
と言って特殊な配線材ではなく、極普通の1,25の4芯キャプタイヤです。

電源プラグは一般のプラスチックは使えません。
業務用のゴムプラグを使います。

勿論、中の接続には圧着端子を使って、万が一の事故に備えます。






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頭の冴えない時には作業をしない。なんて贅沢を言いながら遂に完成。
で、直ぐに納品はしません。
完全なチェック。

正直、今日は疲れましたので、明日。

入出力特性、左右のF特のばらつきのチェック。
ゲイン差のチェックは当たり前。

僕に出来る最善のチェックをします。
安いアンプじゃないんですから当然ですよね。

正常に組まれ、パーツもOKでしたら、全てのテストに合格します。
最後まで油断しない。

大切ですよね。


エーーー、此処でのチェック。聴感チェックはしません。
聴感チェック程、信頼の置けないチェック方法はないと思っていますので・・・。

逆に言いますと、自分用の実験機で聴感チェックは十分にされています(僕のチェックは極当たり前の音がする事、人を驚かす音は大嫌いです)。

測定器で正しいチェックをしたアンプは、きちっとした音が出ます(正しく言うと、そのアンプの音は判りません。本当に美味しい料理と同じです。美味かった、でどんな味か思い出せない)。
音の好みで作るのはアマチュアの特権ですよね。

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いよいよ佳境に入ったドライブアンプの製作。
10年近く前から採用している逆相ドライブ。
同じ動作点で働いている真空管2本に逆相信号を入れれば、電流変動を打ち消しあって、理論上電源のレギュレーションが無限大。

理論的には間違いが無いのですが、意外と難しい。
位相をひっくり返すのにトランスを使うのですが・・・・・・。

一般市販のトランスの二次側をひっくり返して見て下さい。
要は+端子をアースに落とし、-端子から信号を取るのです。
理論的には何も変わらない筈。

オシロを使って、周波数特性と波形をチェックしたら判ると思います。
逆接続をすると、高域特性に可也の差が出るのです。

逆接続をしても、高域特性の変わらないトランス。



こいつが平気なトランス。
2個のトランスを1次側はパラレル接続。
二次側を其々の真空管に繋ぎますが、片側だけ逆接続にするんですね。

真空管は増幅はしていません(笑)。
電圧変動を電流変動に変えているだけです。
問題は電流変動。理想の電源は此の電流変動に耐えて、一切出力電圧の変わらない物。
通常は無理です。

ところが逆相ドライブをしますと、片側の真空管の電流値が増えた場合、反対側の真空管は電流値が下がります。
つまり二つの真空管がシーソーの様に働くのですね。
これを電源側から見ると、電流変動の無い真空管動作。結果電圧変動が起きない。

此処で、チョイ詳しい方ならハハ~~~ン・・・。
そうですプッシュプル回路と同じです。

じゃあなんでプッシュプルで組まないのか?

逆に質問です。プッシュプルトランス。上下の特性が揃っていると思いますか?
構造上無理なんですね。
それがプッシュプル独特な付帯音に繋がっていると僕は思っています。
プッシュプルトランスも散々使いました。
僕にとって満足出来るトランスは皆無だったのです。

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ハハ、上面のスタイルを未だアップしていませんでしたね。



こんな感じです。一般のアンプと違い奥行きが大きく、横幅は狭いデザインです。
お客様のラックの奥行きが450有りますので、普通の横型ですと、アンプの奥に使えないスペースが出来てしまいます。奥行き一杯に取り、横に使えるスペースを設ける設計です。

その為に、シールド線が必要に成りました。

また、ラック後を壁にピタッと着けますと、アンプも壁にピタリ。
その為に、入出力端子、電源コネクター共に上面配置です。



電源SWとブレーカー。
最初は横一列のデザインだったのですが、修正。
電源SWのレバーは若干固めです。
対して両側のブレーカーは、切れる方向にはほんのチョイ触れるだけで動きます。
横一列に並べると、電源SWを操作する時にブレーカーに触れて此方も動いてしまう。

其れを防ぎたいので、電源SWを手前に配置。

まあ、色々と考えての配置なんですね。


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