平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
僕の作るプリアンプ。市販品では絶対に有り得ないシャシの剛性。
天底板は5mm厚、周りは10mm厚のアルミ合金。

散々試作しました。丸っ切り同じ回路で同じパーツ、配線の引き回しも同じ。で、高強度のシャシを使ったアンプの絶対的な勝利。
高強度と言っても鉄板、真鍮、ステンレス、全てNG。アルミ合金のある種類だけが合格。
この辺を突き詰めた人っているのですかねー・・・・・・。

そんなシャシを使いだしたのは30年近く前。沢山のアンプを作りました。全て好結果。

その様な訳ですので、このスタイルを変えるつもりは有りません。
でも・・・・・。
外部から供給されるパーツは必ず生産中止が付きまといます。中止に成っても其れ以上の新型が出れば文句は無いのですが、今回は困った。
40周年記念アンプにも使ったVR。
30年近く愛用したと思います。未だにこれに勝るVRを見ていません(常識外れの高額パーツです)。
発売された当時はこのVRを使っているのが高級アンプのシンボルでした。
あのVRは儲けよりも会社としてシンボルの製品だったと思います。
売れなく成っても20年近くカタログに載っていたのはメーカーとしての意地だったのでは・・・・。
老兵は静かに・・・・・・・・・・。

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今日は残念なお知らせです。
永年ご好評を戴いて来ましたプリアンプの製作を中止いたします。

原因は30年間使用して来ましたアルプス製のボリュームがカタログ落ちしました。
あれ以上高音質のVRを知りません。

実は10年近く前からメーカーのストック数が一桁台でしたので心配はしていたのです。

完全に入手不能に成りました。
今の世の中、音量調整はリモコンが当たり前(此れでは高音質は期待出来ない)。

そんな訳で色々と調べましたらVR其の物が世の中から消えかかっています。

イヤな世の中に成りました。



実はほんの少量ですがストックが有ります。と言って簡単には使いませんよー・・。

えーー。アップ後に頭に有った方からメール。僕の分は・・・・・。イヤ心配をお掛けして申し訳ありませんでした。その方の分は確保して有ります。
今回作るプリは新設計(内容は近々アップ)。新設計ですので数台は作りたかったのですが1台で終わります。でも手を抜きませんよー。逆に最後の1台となるので頭の中はメラメラメラ。
僕の年齢から言っても最後のプリアンプ。気合が入りました。

色見本を送って希望のパネル色に・・・・。

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預かって来たプリアンプ。
作業台へセットアップ。
リアパネル周りの配線を全て外した後、リアパネルを取り外します。
勿論、出力のピン端子も取り外し・・・・・。



さてフライス加工、と思って居間から出たら・・・・・・。
アチチチチ・・。

気温、何度何だろう?計る気もしない。

実は此処数日、暑さにやられて体調は絶不調。

無理しちゃ駄目だよねー。

明日の早朝(4:00ごろ)から掛かります。




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一ヶ月近い時間を掛けてオーバーホールの完了したプリアンプ。
B電源のブロックケミコンの交換が出来なかったのが残念でした。
交換不能の原因は、ケミコンの取り付けがリベット止め。しかも横向き取り付けの為に、頭をドリルで揉む事が出来ない構造なのです。

やろうとしたらシャシを全バラ。

仕方が無いのでケミコンへの配線を全て外して容量の測定。
全数無事でしたので次回の時と諦めました。

心残りは其れだけで、其処以外のケミコンは全交換(ヒーター回路は抜けていましたし)。
音質(ノイズ)に影響の大きな抵抗も交換。

真空管は全交換。

其の後数日掛けてテスト運転。

OKの結論が出せたので、昨日無事にオーナーの元へ・・。
と言っても取りに来て貰ったら僕が確認できない。
そう言う訳で持って行きました。

繋いで最初のオーナーの言葉『ノイズが全然ないですね。』
愛聴盤に針を下ろします。

僕にも判る変化。良い意味で軽快。逆に言うと今迄の音は鈍い。
レコードとCDで確認。どちらも良く成った。

オーナーの方には言いませんでしたけど、新品の時よりも良いかと(笑)。
ヤハリ、現代のパーツの進化は素晴らしいです。


帰宅途中から雨が雪に変わり、完全に本降り。
車を止めて玄関に向かって歩くと、途中に芽を出したシャクヤクが雪を被っています。
カワイソウ・・。

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先日、完成と報告しました他社のプリアンプ。
正直な所自分としては今一何とか・・・・・・・。

ハイ、再発しました。どうせやるなら病。

ウーーーン、中身を見ちゃうと弄りたい点が沢山見える。
過去の経験から、このパーツ問題有るんだよね。

そんな訳で・・。


数個のパーツが交換された基盤。
其処の一部のアップ。


カーソードのパスコンとプレート負荷抵抗。
どちらも音質とノイズに影響が大きなパーツです。
アーレンブラットレイを負荷抵抗に使うとノイズは大き目。

昔の大先生が使っていましたが、当時は今の様な良質なパーツが無かった。
今頃は草葉の陰で悔しがっているんだろーなー(笑)。

今回、動作には問題有りませんが、もう少し良くしたい。

自己満足です。



まだ交換するパーツは多々。本当なら真空管の動作点も弄りたいのですが、其処まで弄っちゃうと掛かる時間が半端では無いので此の侭にしておきます。
この辺のアンプって弄り出すときりが無いんですね。
あ、今回購入したパーツの一部。




本当に最近のパーツ(安物はダメ)は良いですよ。でね、今回のコンデンサー(青いパーツ)の値段。通常の国産品の10倍以上。
でもそれだけの価値は有ります。

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この様な商売を40年以上続けていますと、かなり以前(30年以上)に扱った機械のメンテが舞い込んで来ます。

本当はラックの切削(材料は入手済み)に掛かりたかったんですが、フライス盤が冷え切って・・・・。
もう少し暖かく成れば、と言う訳で急遽去年に頼まれましたアンプの修理です。
フォノイコライザー段からのハム音。

30年選手ですので何が起きても不思議では有りません。
真空管も換えた事が無い(笑)。

此処迄頑張ったら褒めても良いですね。


メーカーは伏せて置きますが、当時付き合いの有った工房のキットのアンプです。
組み立ては僕がしました。
当時の僕のアンプは今よりは安価ですが、それでも一般市販品よりも遥かに高価。
その価格は無理なお客様に対して、作りの良いキットを僕が組んで納めさせて貰っていたのです。

で、ヤッパリ・・・・・。


ヒーター整流用のケミコンが3本。
容量を測定したら1本だけ正常。残りの二本は完全に容量抜け。
丁度この容量を1~2ケ月前に大量に購入。
買って良かったと思える瞬間です。

本当は全ケミコンの交換をしたいのですが、修理を考えていないのでしょうね。ブロックケミコンは全てリベット止め。横向きに付いているのでドリルで揉めない。

取り敢えず配線を外して容量のチェック。
全数無事(ホッ)。

シャシが薄型ですのでチューブラ型のケミコンを入れるスペースもない。

加工は不可能では無いですが、やるととんでもない工賃が・・・・・・。
高額なアンプでしたらお客様も納得でしょうが、その作業をすると購入時の価格を超えてしまうんですね。

プリアンプですので電源電圧もそんなに高く有りません。充分な耐圧のケミコンが入っていましたので30年以上使っても異常が出なかったと思っています。

真空管を全て交換し、不良のケミコンを交換して(勿論3個とも)、取り敢えず完成ですかね。


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一ヶ月以上掛かったプリアンプのオーバーホール。
本当にキチッとした仕上げをするには、新しいアンプを作る以上の時間が掛かります(理解出来ます?)。

で、本日納品。
ハイ、オーナーの方にも納得して頂けました。

旧型を最新の物と同じにする。パーツを変えれば済むじゃない。って考えたらオーディオを舐めています。100年早い(キッパリ)。

まあ兎に角頭をフル回転(この歳では辛い)。何度も何度も考え直して今日納品させて頂いた形にさせて貰いました。
今の僕の力では此れ以上は無理。と言う作りだったのですね。

で、オーナーの方のOKのサイン。

今晩のお酒の美味しい事と言ったら・・・・・・。

今回のオーナー。僕が昔は大っ嫌いなパーツを使っているのに驚き。昔の僕は散々こき下ろしたパーツです。でもパーツの進化は凄い。10数年前に信用していたパーツを現代のパーツは軽々と凌駕したのです。
今回のオーナーの方、僕との付き合いは50年弱(エンジニアです)。僕の口からあのパーツが良いって聞くとは・・って驚いていました。昔は大っ嫌いなパーツでしたが、世の中の進歩を理解出来ない程の愚か者では有りませんので・・・・・。

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昨日、全てのパーツの交換の終わったプリアンプ。



苦労しましたよ。ゼロから作る場合は奥の部品を先に取り付けます。
今回の場合、手前の部品がすでに付いていてその奥に部品を取り付ける。

外せるパーツは外しての作業でしたが外したくない部品も有りまして・・・・・。

今回は単なるパーツの交換では無く、先にアップしたデカップリング回路を最新のものと同じにしたので大変だったのです。

で、電源のコンデンサーの数。
以前は3個入りのブロックケミコンが3本。つまり9個のコンデンサーです。
今回は・・・・・・。
20個に増えました。
アンプの肝は電源なのです。
シャシ設計がこの様な数を前提に作って有りませんので、兎に角パズル状態。
何度も考え直して最良の方法が見つかる迄は作業を進めない。
後でアッ・・・と言うのを無くしたかったのです。

此れで完成とは行きません。
各部の定数は電卓での計算で作って有ります。
その通りには行かないのがこの世界。

此れから実際に電流を流して計算通りに動いているかを確認します。
予定と違う数値が出たならば再調整。
手を抜く事は出来ません。

今回、手持ちのケミコンが足らなくなり再発注。
チョイヤバイ。今回は何とか足りましたが、次のオーバーホールには違うケミコンを探す様です。
只今愛用中のケミコンの種類が凄く減っていたのですね。
この仕事をしていますと、信用できるパーツを探すのが大変なのです。
どんなに気に入っているパーツも必ず生産中止に成りますので、その度に探し直す。

カタログデーターだけでは判りませんので実際に購入して試してみる。此れしか方法は有りません。

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