平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
コイル

今年も残りあと僅か。なぜか一向に仕事がはかどらないピンキー君。
脇見運転が多過ぎる(汗)。
でも、少しずつは片付けていかないと、年が越せません。
数日前から掛かっているコイル巻。
(巻き方は此方 http://hayashilab.syuriken.jp/aunetwork20.htm )
今まで巻いた経験の無い容量が必要に成りました。
と言う事は何ターン巻いたら良いか判らない。
此処で注意です。コイルのインダクタンスをコイルのターン数と考えている方が沢山いますが、間違いです。
もしそうなら、出来るだけ小さく巻いた方がDCRの点で有利。
巻いてみると判ります。ターン数ではなく線の長さだって事に。
中心付近はターン数を稼いでも、インダクタンスの上昇はたかが知れています。
ところが外周付近は大型に成る程ワンターンでシッカリと上がってしまう。
昔知人がターン数でコイルを作っていました。彼はLCR計を持っていません。
かなりの数の友人知人に巻いて上げたそうです。
彼の巻いたコイルのインダクタンス、測ってみたいですネ。更に非磁性体なら平気とばかり、アルミ板を周りに巻いて固定。
この様な自作派が多く、迷信がまかり通ってしまうのでしょうね(○×は駄目で□△は音が良い、ナンテネ)。
Yさん。もうチョイ待っててね。m(__)m




拍手[0回]


純鉄

此れはなんでしょう?
直径32Φの丸棒。
材質は純鉄。
本当は20cmも有れば十分実験出来たんですが、特殊な材質(一般にはあまり使われない)な為に定尺でないと売ってくれません。
定尺の長さ、3,4m・・・・・・。
実験に失敗すると完全に無駄。
成功しても、僕の所での消費量では一生掛かりそう。
で、何に使うのかと言ったら、ネットワークのコイルのコア。
ヘーーー。空芯コイルじゃないと使わないんじゃ・・?
こんな声が聞こえるのは承知。
でも、背は腹に代えられない。高域のコイルなら空芯で行きますが、ミッドバスとも成ると、かなりのインダクタンスのコイルが必要に成ります。
空芯で巻くと直流抵抗が無視できないレベルに成って来ます。
今迄、コア入りコイルが嫌いだったのも市販品を使った所為。
考えて見ると皆コア材料に安物が使われていた。
パーマロイの積層コアも良いのだけれど、断面が4角に成ってしまう。
そうなるとトランスの様に細い線材なら良いけれど、2mmもの線を巻くのは辛い。断面は円形が・・・・・・・。
で、白羽の矢を立てたのが純鉄丸棒。
透磁率ではパーマロイに敵いませんが、磁気歪みという点では負けないのでは?
まあ、この辺はやって見なけりゃ判らない。
専門書などを読みかじっても、なんにも判りません。
実行有るのみ。
でも、失敗したら余った純鉄どうしよう(汗)。



拍手[0回]


コイル測定その1

僕の手巻きの空芯コイル。2Φの巻き線を使っている為、見た目程容量は有りません。これで0,3mH強。
市販の空芯コイルを買いますと、取り付けには非磁性体のネジを使って下さい。と大体が書いて有ります。と言う事は鉄、ニッケル等は駄目と判りますが、だったら、アルミや真鍮なら大丈夫ですよね。
で、チョット実験。

コイル測定その2

磁性体(鉄)の棒を入れてみました。コイルの中心径に対してかなり細い物です。でも、このくらいのインダクタンスの上昇が有ります。
中心いっぱいの太い磁性体を入れたらどのくらい上昇するのか知りたいですネ。

コイル測定その3

今度はコイルの下にアルミの板を敷いて見ました。非磁性体ですからインダクタンスには影響が無い筈ですが・・・・・・・・。
ご覧のとおり下がっています。そうなのです。コイルの近くには金属はご法度なのです。
市販のネットワークで金属ケースに入っている物は結構な数。
で、其れを外して裸にした音を聞いて見て下さい。メーカーってこんないい加減な仕事をしているって気付く筈です。(気付かない方が幸せですが、笑)

拍手[0回]


コイル仕上げ

巻き上がったコイルを其の侭お客様に渡すと、チョット苦労が出来てしまいます。
と言うのは端末処理。エナメルを被ったままでは半田付け不能。
で、写真の処理方法です。
右は巻き上がったコイル。左は何でしょう?
中心に光ったボール状の物が・・・・・・・・。
実は小型半田槽。未だ十分に温度が上がっていない、でも熱膨張はしている。で、一部溶けた部分だけ、上部に出てきています。

空芯コイル

奇麗に溶けたハンダ。其の中にフラックスを付けた、コイルの端子をジューーーーン。
待つこと数秒、と言いたいのですが、2mmの銅線。熱の伝え方は半端では有りません。数十秒掛けないと、エナメルは取れません。本当に今のエナメルの丈夫さには頭が下がります。
其れと比べると、小学校時代に電磁石を作ったエナメル線。簡単に剥がれましたね(笑)。高分子材料の発達は兎に角すごいものが有ります。過去の物は良かった、等と言わせません。

空芯コイル

ストロボの光が上手くあたらず、光方が変。後ろのコイルの状態に手前も成っています。
この様に前処理をしておけば、コイルへの半田付けもスムーズに行くでしょう。

拍手[0回]


やっとスタート

ご注文を頂いてから、一月以上も掛かれなかったコイル巻。
コアキシャル用ですから掛かれば直ぐなのですが、旋盤が空かずに掛かれずじまいでした。
やっと今日からスタート。とりあえず片道だけ巻き上がり。この状態でエポキシを塗って固めます。
硬化後に更に重ね巻き。チョットでも線間に隙間が開きますと、其の上に巻く線が落ち込み奇麗に巻けません。
お洒落は下着から、奇麗なコイルは下の巻き方。
Y様。もう少々お待ちください。待ったかいが有った、と思っていただけるコイルを巻いています。

拍手[0回]


ネットワーク

ドライブアンプのトランスを替えてから、高域の音圧レベルが上がっています。f特は変わっていないのに不思議ですが、こんな経験は嫌と言う程しているので、完全に慣れっこ。
ツィーターのアッテネーターが6dB以上絞られています。巻き線型のアッテネーターは絞る量が大きくなると音が荒れがち。そう言う時は、アッテネーターとユニットの間に固定抵抗でアッテネートすると具合が良く成ります。と言ってもこの抵抗器に何を使うかで嫌と言う程音が変わりますから要注意です。選び方を間違うと入れない方が良いなんて事も・・。
従来もインピーダンスの補正に入れていましたが、更に大きなものに。
具体的に言いますと、3dB絞りました。抵抗値はまだ変わるかも知れないので、やっつけ仕事です。
出来上がり、試聴。
エーーーーーー。アッテネーターの絞る量が変わらない。聴感でバランスを取ると、アッテネーターの位置が変わらないのです。理論的にはそんなバカな、何ですが、でも理論どおりにしてバランスの狂った音は聞きたく有りません。
逆にドライバー(スコーカー)を2dB絞らないとバランスが取れなくなりました。
理論的には有り得ない。でも、何のレコードを聞いてもそうなってしまう。
でも、ナゼか抵抗値を替える前よりも音のリアル感は増しています。低音の輪郭がハッキリしてきているのです。
理論的にやっても其の通りには成ら無いオーディオ。
明日の朝には、また違ったバランスに成っていると思います。とにかく何かを弄ると、結果が出るのには時間が掛かる。イライラしてもダメ。フーーー・・。

拍手[0回]