シャシ内部です。手前の二個のトランスはB回路のチョークトランスです。
チョークインプットでリップルを取るには、二段チョークは必須です。
リップルを打ち消してくれるプッシュブルでは許せるリップルが、シングルアンプでは、其の侭出力に出て来ます。
チョークインプットを採用する場合は、チョークインプットでの使用を許しているチョークを使って下さい。
また、EIコアのチョークですとリッケージフラックス(漏洩磁束)が多く、他のパーツへの影響が無視出来ません(真空管は磁力に弱いです)。
今回はカットコアを使い、取り付け位置にも気を使っています。
初めてやる場合は、出来るだけ大きなシャシを使い、慣れるに従い小型シャシにチャレンジした方が無難です。
左中央の4ピンコネクターは電源コネクター。電源ケーブルが取り外せないと、何かと不便。アンプを運ぶ時や場所の変更なんかの時に重宝します。
4ピンを使ったのは電源ケーブルにスッタカード接続をする為です。
詳しくは http://hayashilab.syuriken.jp/audengenkeiburu01.htm で。
4芯ケーブルに高級品は要りません。極普通の4芯キャプタイヤでOKです。
電源SWは両切りタイプです。万が一の漏電を考えますと重要です。
ヒューズは使わずブレーカーを使います。
白いパネルに取り付けられた四角いソケット2個。
タイマーとリレーのソケット。整流管にタイムラグを持たせて動作させるものです。
詳しくは http://hayashilab.syuriken.jp/auhl234.htm で。
その下の真空管ソケットが整流管用。
右のソケット4個が増幅段用です。
ブロックケミコンを使いませんから、内部のパーツの数は、単純な回路の割には結構な数に成ります。
もうこの時点で、ラグのどのピンにはどの配線が行くかは決まっています。
配線を引きながら考えると、綺麗な配線は望めません。配線が綺麗と汚いとで音が違うのかと聞かれると、正しい引き回しさえしていれば、変わらないと思います。
でも、何かで修理や改造、を考えますと汚くは作りたくないですし、オシャレは下着からとも言いますので。
良いアンプを作る時の基本です。
見えない所も絶対に手抜きしない。人間ケチですから、あそこを手抜きしなかったんだから此処も。で、其処も手抜きしなかったんだからこちらも。
結果手抜きの無いアンプが出来上がります。
逆の場合。
此処は見えないからイイヤ。じゃ此処も平気だな。ンジャー面倒だから此処も抜いちまえ。最後には手抜きだらけの無様なアンプが。
機械加工屋さんって結構面白く、普段精密加工をしている人は、誤差が大きな加工を頼んでもキッチリ作ってしまいます。
逆に誤差の大きな物ばかり作っている加工屋さんは、どんなに高精度の加工機械を使っても精度の高い製品は作れません。
これが手癖なのです。
僕の作っている物には、高精度の物と、それ程要求されていない物が混在。
でも精度を重用としない物も出来るだけの精度で作っています。
でないと、イザ高精度と成った時に作れなくなってしまうのです。
加工屋さん(加工工場)。高精度で少量生産、高価格。低精度で大量生産、低価格。
完全に会社そのものが、そのどちらかに分かれています。
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