平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
少しずつながら進んでいますアームの製作。外注へ出す部品の切削が終り、アルマイトとメッキの上がってくる間に次の作業です。

もう何度もやりましたが、相変わらず緊張する焼き嵌め。
この作業中は、絶対に人とは会えませんし電話なんてトンでもない(笑)。

イエ冗談ではなく、0,1秒の勝負ですので、この作業を見た方は一人もいません。

この作業の予定日には、ご来店はお断り。其のぐらい緊張する仕事なのです。一瞬の油断で数日掛かった作業が一瞬でパーに成るのですから。

もう内容はご存知と思います。

アルミのベースの中に砲金のスリーブを入れるのですが、接着剤の類は使いたくありません。

一番良い方法が焼き嵌め。

アルミのベースは230℃まで暖めます。ベースの内径は14mmジャスト。

中に入れる砲金スリーブは冷凍室で冷却。スリーブの外径14,02mm。誤差は5/1000mm以内。

つまり常温では穴よりスリーブの方が大きいのですから入りません。
熱膨張を利用するのです。
230℃まで暖めますと、するりと入るのです。

何時も緊張

と言って、一瞬で入れないと途中で止まりオーマイゴット。

ハイ、全てパーです。
で、ほんの少々残しで止まった場合・・・・・・。

その時の用意のハンマーとシャフト。
今日も使わずに済みました。

途中で止まったら


追記。
一般の焼き嵌め。内側に入れる金属は鉄が多いです。理由は簡単、鉄は熱膨張係数が小さいので、入れるのに失敗しても、再加熱すると外れるのです。
僕の場合は砲金。銅合金ですので鉄よりもはるかに熱膨張係数が大きい。結果再加熱しても抜けないんですね。
更に難しくしているのがサイズ。径の大きな物ほど膨張しますので、隙間はユルユル。
僕の様に10mm前後での焼き嵌めは膨張する寸法が小さいので、最初の寸法にシビアさが要求されるのです。

バイクのアルミシリンダーと鋳鉄スリーブ、楽だろうなー。

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