平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
僕がこの店を開けたのは29年前の春。
当時、メインで扱っていたスピーカーはマクソニックとタンノイ。

タンノイは僕が始めて使った海外のスピーカー。4~5年の付き合いからアルテック、マクソニックと変化(進んだとは言わない)。

開店当時、マクソニックのユニット間の繋がりに苦労を・・・(当時の僕の腕では無理だった)。

そんな時、シーメンスの発売元の関本から僕の所へコアキシャルの売り込みに来た。
散々マクソニックと鳴き比べ。
当時、僕の使っていたアンプではコアキシャルが鳴る筈も無く・・・・・・。
最初の2~3枚のレコードでは、マクソニックの勝ち。

断ろうと思ったのだけど、関本の営業マン、しつこい。と言うか、彼はコアキシャルにほれ込んでいる。売りたいと言うよりも、良さを判って欲しい。と言う彼の気持ちが伝わってくる。

でも彼の失敗は、僕の所へ持って来た試聴機。関本製のバスレフエンクロージャー。
一般の人には平面バッフルは受けないと思っていたのかも・・・・。

ところが僕は、パンケーキでバッフルの良さを経験済み。
エンクロージャーに押し込まれたコアキシャルほど、惨めな物は無い。

エンクロージャーの音を聞き流し、ユニットだけの音を聞くって結構大変。
3~4時間ほど営業マンは粘っていたと思う。
そのうち、僕にもコアキシャルの可能性が判ってきて、平面バッフル仕様を注文。

2~3週間後、バッフルに付いたコアキシャルが入荷。

この日は大騒ぎ。古くからの友人だったY氏。
僕の店に13時間いた。今でもこの記録は破られていない(笑)。

確かに可能性は感じるのだが、何しろ低音が丸っ切り出ない。
今、裸で鳴らしている音とそっくり。

でも、マクソニックとの違い。アンプを組みながらレコードを聞いている。マクソニックはBGMとして聞き流す事が出来る。
コアキシャル、半田ごてが止まってしまう。一瞬の音にドキッとして手が動かなくなる。

コイツ、なんなんだ。

ある日、超有名輸入商社がイギリス製の管球アンプを売り込みに来た。
マクソニックに接続。当時僕の使っていたパワーアンプ(LUXKIT改造品)より間違いなく良い。
営業マン、ニコニコ。

コアキシャルに接続。
『このアンプ駄目だよ、NFをタップリ掛けた厚化粧アンプ。』
コアキシャルはこのアンプの素性をさらけ出した。

此の辺から僕のコアキシャルを見る目が変ってきた。
アンプの素性をさらけ出す怖いユニット。

マクソニックなら誤魔化せる、逃げのテクニックが一切通用しない。
正攻法で真っ正直に作ったアンプで無いと、とたんに機嫌を損ねる。

僕のアンプ作りの腕。コアキシャルに鍛えられたと僕は誰にも言って来た。

で、今鳴っている音。10W(コアキシャルのウーハー部)が言っている。
『いいアンプだね、腕上ったね。』
誰に褒められるよりも、コアキシャルに褒められるのが一番嬉しい。

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