平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
2個目のカーブ切削に入りました。
外側を仕上げた部分は写真を撮らなかったのでカットです。

前の図面の雄ネジの部分にはまだねじ切りをしていません。
つまり小径の丸棒状態。
此処をチャックで咥えます。

この場合の注意点は、チャックで咥えている部分が小さいので、無理な粗削りはご法度。
無理をすると工作物がチャックから外れます(何度も経験済み、汗)。

これをやると工作物に傷が付くのは勿論、チャックの精度も狂います(で、1年前にチャックを交換した、涙)。
一瞬の油断で10数万円がパー。

で・・・。


開口部の40°の切削が終わりました。写真で見ると直ぐに出来そうですが・・・。
実はいっぺんに削る厚みは0,5mm。
つまり少しずつ少しずつ削るのです。
此処迄削るのに4時間程度掛かっています。


写真の様にバイト台を40°傾けています。


バイトの突き出し量も長いので無理な切削は出来ないのですね。


更にきついのが此の切削には自動送りが使えません。
バイト台の写真、右下のハンドルを手で回してバイトを送るのです。

昔、旋盤の師匠に言われました。『旋盤作業で一番難しいのは穴ぐり。』
40°はまだ良いのです。30°、20°と切り進む程に穴が深く成って覗くのも大変。
上半身を微妙に捻じった姿勢での作業なんですね。

そんなこんなで、頑張っています。


ブログをアップしながら体を休めたので、これから30°の切削に入ります。

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先のホーンに関してのアップでは言い切れなかった事が多過ぎましたので・・。

データーを取らないと判らない事。
要は何Hz以上から使えるかと言うデーターです。
音色的な事は沢山のカーブを作りました(ダメと思っても確認で作りました)。
その経験からカーブの重要性も判りましたし、狙った音にするにはこんなカーブ。
正しく言うと、作られた音色を排除したカーブ。
ですので、今回のバイタのホーン。基本カーブとほとんど変わっていません。ホンの微調整のレベルです。
従来のカーブと聴き比べても判るかどうか・・・。

で、今回の1吋ホーンです。目的は従来の1吋ホーンよりも低い周波数から使いたい。
でね・・・(笑)。
従来の1吋ホーン。周波数特性からでは800Hzから使えるのです。
この辺はホーンの真正面にマイクを設置(無響室では無いですけどねー、汗)。
充分に800Hz迄フラット。
正直驚きました。計算上とは全然違う特性です。

で、耳での評価。
3KHzを下回ると、音のエネルギー感が少なく成るのです。

話は変わります。生の楽器の音って凄いエネルギー感が有りますよね。僕はこれを追い求めています。エネルギー感が出ると音にリアル感が出ます。要は生の音に近づく。
で、このエネルギー感を出せるスピーカーは高感度のスピーカーだけなんですね。低感度のスピーカーからは巧くごまかした音色しか感じないのです。

もう言わんとした事が判りましたよね。周波数的には800Hzから使えるけど、リアル感が出せるのは3KHz以上。

つまり今回作っているホーン。周波数的には800Hzよりも低い周波数から使えます。でもエネルギー感を感じる周波数は・・・・・・?

1,5KHzから感じられると嬉しいんだけどなー・・・・・。


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可成り昔にアップしたかも知れませんが・・。
バイタのドライバーはホーンとの接続がネジですので1ピースで作れます。

一般の1吋ドライバーはドライバー側に雌ネジが有り(JBLは3本、アルテックは2本)ホーンのフランジ部とボルト結合です。

僕のホーンの場合はフランジ部を作るのは可成り大変ですし、強度が落ちて共振し易く成るのもイヤなんですね。

そんな訳で・・。


ホーンへ取り付けるリングナットを作ります。此れにドライバーのネジ穴の位置に合わせたキャップスクリューを埋め込める穴を開けます。

此の雌ネジに合わせた雄ネジをホーン側に作ると、ドライバーとホーンの結合が出来ます。

リングナットの厚みをホーンの雄ネジの長さよりも1mm薄く作るんですね。
そうするとホーンとドライバーのスロート部がキッチリと密着します。

上の図面は3KHzから使えるホーンです。
今回は1,5KHzから使いますのでホーンの外周は大きく成ります。

でもホーンって計算通りに行かないのが普通。今迄作って来たホーンも制作後に実測。使える判断が出来てから注文を頂いていました。

今回のホーン、実測でどうなるかは神のみぞ知る(汗)。
今迄でしたら作り直したのですが、其処迄の体力に自信が無いので、ホーンに合わせたクロスで使います(涙)。
まあ、使うのは数年後と思いますので・・。





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10年ぶりのホーンの制作。
大変なのは判っていたんですけどねー・・・・・。

現状。


2個目です。1個は完成。

で、只今の作業はサンドペーパーで仕上げ中。
要はですね、旋盤でカーブの切削はムリなんですね(特殊な旋盤ならできる)。

作り方としては、10°毎の角度で削ります。
開口部は片側40°。スロート部はバイタに合わせた4°。
この間を、10°ずつ角度を変えて削ります。
10°の山の部分を5°で削ります。
つまりカクカクと曲がっているホーンが出来るのですね。
そのカクカクをサンドペーパーで落として行く。

まあ、書くと簡単なんですが作業量としては・・・・・・・・。
正直カクカクとなだらかな曲線で音の違いはどの程度出るのかなんですが、やはりホーンの美しさは綺麗なカーブ。
一定のRでしたら最近の旋盤なら簡単(付き合っている旋盤屋さんでも出来る)。
ところがホーンの場合はスロート部はRが大きく、開口部はRが小さいのです。
つまりどこの場所も同じRでは無いのです。
これを言ったら馴染みの旋盤屋さんはウーーーーーン。

アルミの微粒子が空中を舞いますので、鼻の穴の中は真っ黒(マスクをすれば平気なんですけど)。

何ともアナログチックな制作方法で頑張っています(腰が・・・・・・)。


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頑張ってますよー。


10年ぶりのホーン切削。
此処迄削るのに丸2日。見た目よりも大変な仕事なんです。

なんと言っても自動送りでの切削が出来ない。
手でゆっくりとハンドルを回してバイトを送ると言う作業なのです。
上半身は微妙な前傾姿勢。

昔、旋盤を導入した時に、旋盤技師の方から言われました。
『旋盤作業は一日に5時間以上したら体を痛めるよ。』

当時付き合っていた旋盤工場は2社。
用事が有って行くと、社長は殆どお茶を飲んでいるか新聞を読んでいるか・・。
仕事していないなー。って思っていたんですが、自分でして見て納得。
ムチャクチャ腰に来る。

若いころで5時間ですから、今の僕には2~3時間が精いっぱい。
作業を終えたらお風呂にドボン。ゆっくりと体を温めてマッサージチェア。

ア~~~~~ア。



写真で判りますかね?チャックの爪とホーンの間に薄いアルミ板が挟まれています。
ホーンの外周に爪痕を残さない為なのです。
今回のオーナーになる方の希望は、アルミの磨き上げた表面にして欲しい。
6061を使いましたので、殆ど錆びません。
10年間試聴室に転がして置いても前の写真の状態です。

長期の使用でうっすらと曇ったら、液体クレンザーでゴシゴシすれば元の光沢を取り戻します。

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試聴室に10年近く前から転がっている材料。


馴染みの旋盤屋さんに作って貰ったバイタ用のミッドハイホーン素材。
ねじを切るのが面倒で、頼んだ方が早い。と言う事で毎回作って貰っています。

事の発端は、10年以上前にひょんな事からバイタのS3が手に入ったのです。
いまの10Wは1,5KHz辺りから分割振動を始めます。ピストン領域で使いたい・・。
つまり1,5KHz以上を他のユニットに任すのですね。

こうなると通常のツィーターは使い物に成りません。
で、僕の設計したバイタ用のミッドハイホーン、カットオフが1KHzを下回っていますのでバッチリなのです。
そんな訳で、10年近く前に作った素材なのですが、兎に角時間が無い。と言う訳でこの状態でほって置かれたのです。

そんな時に悪友からのメール。『バイタのS2が手に入ったんですよね。ヤハリミッドハイホーンですか?』

ウーーーーン、最近自分用に用意していた物を取られるパターンが無茶多い(汗)。
自分の装置のマルチ化はだいぶ先に成る。
ピ『自分用に用意した素材が有るけど廻しても良いよ。』

そんな訳で、急遽ミッドハイホーンを暫くぶりに作ります。
で、また始まった・・・・。


どうせ作るなら病。過去の図面をもう一度ジックリと見直し。
微妙な所なので、どの程度音が変わるかは不明なんだけど、ホーンの形状をどうすると音がどうなるかは経験済み。

今回その下に使うシステムは音の芯がシッカリとしたシステム。
それに合わせるならこのカーブの方が良いよね(ア~~~~ア)。

そんな訳で、方眼紙に何枚も書き直し。
写真の図面は最終仕様とは違います。最終仕様は企業秘密(笑)。
バレても作る人はいないよね。

で、またもや僕の予定を変更。
昔、HPでホーンシステムの音質について持論をぶち上げた(その持論、今でも変わっていませんし核心を付いているかと・・)。

要は、ホーンとドライバーの音質に関する重要度の割合は、ホーン8割、ドライバー2割。
ホーンの音質を決めるのは、材質2割、ホーンのカーブが8割。

なんてぶち上げた物ですから、いま入手の難しいバイタを使ったらインチキだよね。誰でも使えるドライバーを使い、ホーンで勝負をしなくちゃ。

そんな訳で、1吋ドライバーを使います。今迄に作った1インチ用のホーンは3KHzから使うのを薦めていました。
1,5KHzはきついのです。
そんな訳で1吋用の1,5KHzクロスで使えるホーンの設計を始めました。
まだまだやる事がいっぱいです。

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ここへ引っ越してから、とんとご無沙汰のホーンシステム。
昔からの知り合いなら、僕がホーンに拘っていた事は無茶理解していると思う。

で、最近面白い事が・・・・・・・・。
手元に転がっていた中型ホーン(と言え500Hzカットオフ)。僕にとっての大型ホーンはカットオフが300Hz以下。つまりアルテックのA7でも中型ホーンです(笑)。

正直にバラしちゃうと、バイタボックスのホーン(型番は忘れた、汗)。
2~30年前にモデルチェンジしたんです。

僕がバイタを使いだした頃には、ホーンは新型に移行していました。

何の因果か、旧型のホーンが僕の所へ・・・・(此処へ引っ越してから)。
一時、ギターアンプに使おうかなー・・・・。って思っていたんだけど(友人、知人からよせの声多数、笑)・・。
そのホーンと対のドライバーを、計画中の3(4)ウェイに使う事にしたので、ホーンが余っちゃった。

まあ、深く考えないで、2階のストックルームで埃を被っていました。

ある日、友人との会話。その友人バイタボックスを使っている。ホーンは新型。
何となく僕の言葉『旧型ホーンが余っているんだよね。試しに使って見る? 勿論お金はいらないし、気に入った方を使えば・・。』

そんな訳で、数日前にホーンを渡しました。
ホーンの交換は難しくないので友人任せ。

で、2~3日前に報告が・・・・・・。
結論から言えば、旧型を友人は使う事にしたんですね。
音関係の仕事をしていますので、僕の友人の中でも耳の良さはトップクラスかなー・・・。
勿論、音の違いよりも音楽表現の違いを重視しているので、信用できる耳の持ち主です。

今回も、長く僕の感じていた事を実感。

ウーーーーン。酔っぱらいの戯言ですよ。
ホーンは、世の中のアンプが変わった所為で、違う形状を求められてしまいました。
要は、真空管アンプから半導体アンプへ・・。
ノンNFアンプから沢山のNFを掛けたアンプへ・・・・・・。

僕の経験上です。
半導体アンプ(真空管でもNFを掛けたアンプ)は、なぜかホーンの指向性を狭くします。

で、NFの掛かっていない真空管アンプは、ホーンの指向性を広くします。

で、気づきましたか?半導体アンプが普通に成った時、ホーンへ音響レンズが付けられた事。

今回のバイタのホーン。新型の方がスロート部の広がり方が早いのですね(旧型はスロートの掃除がし辛いと・・友人の言葉、笑)。
つまり、指向性を広くする形状なのです(ホーンは散々作りましたから)。

友人の使っているアンプは僕製。つまりノンNF。

僕の考え。ホーンの進化は、現状のアンプに合わせて進化した。この変わり方を進化と取るか退歩と取るかは個人の考え方次第です。


散々悪戯をしたオイロダイン。此れも途中から音響レンズが付けられました(可成り凝った形状です)。
僕が入手した2台目のオイロダイン(過去3セット手にしています)。
新しいタイプでしたので、音響レンズが標準装備。
散々聴き比べないでも、間違いようのない結果。
音響レンズは邪魔にしかならない。

そのオイロダインは、僕の手を離れましたが、やはり音響レンズは取り外された侭。今のオーナーの方も、試されたそうです。音響レンズを付けたり外したり・・・。
勿論、何の迷いもなく音響レンズを外しました(外した音響レンズ、ヤフオクで売ればいいのに、笑)。

僕はこう考えています。音響レンズは半導体アンプ(NFを掛けた真空管アンプも含む)の欠点をカバーする為のツール。ノンNFのアンプを使った場合は百害有って一利無し。

オオット、酔っぱらいはダメですねー。大事な事を忘れていました。
超有名な(昔ですけどね)JBL4343。ミッドホーンに音響レンズが付いています。バリバリって簡単に外れます。
で、当時の僕。この音響レンズをお客様の間で外し廻っていました。

殆どの方が、音響レンズの無い方を選びました。ごく少数の音響レンズを付けた方を選んだ方(この場合僕からは勧めなかったんです。でも知人から僕の行動を聞いて・・・)。
なぜ、僕から伺わなかったのか?

無理して4343を買ったので、他の機器に予算を十分使えなかったのです。

そう言えば、4343のお客様の所へ、のこぎりを持って伺ったのも多々。勿論喜ばれましたけどね(笑)。

あ、基本的に4343を僕から勧めた事はゼロです。
どうしても、と言う方に渋々売ったと言う・・・・・(大汗)。

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