平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
動作チェック

先程のアップ。
EL84の火入れ式。
エーーーー。モーターショーの展示車状態・・(汗)。

ヒーターだけ点灯したんですね。
整流管を挿さないでの、写真です。

この写真は、動作チェックの状態。

でも、カッコいいでしょう(自己満足)。
いくら図面を見ても、この感じはつかめません。

重量は、チョット持ちたくない・・。
大型OPTが4個も入っているんですから。

で、何時も緊張する動作チェック。
何べんやっても緊張しますね。
チョットの油断で、今迄の苦労がパー。

僕のチェックの仕方です。

真空管の電流をチェックします。
電圧はトランス以上は出ませんので、異常チェックは電流値で測ります。

この場合、4本のEL84。カソードのバイアス抵抗に掛かっている電圧を測るんですね。
4本ですので素早さが求められます。

僕の持っているEL84のデーター。三結シングルでの動作点。
カソード抵抗値と電流値が書いてあって、バイアス電圧が書いてないんです(笑)。

こんな時はオームの法則。抵抗値と電流値を掛ければ良いんです。
計算値では9V強。

此れよりも大きな電圧が出たら、すぐに電源をOFF。勿論測定誤差範囲はOK。

電流値を測り終えたら、落ち着いてプレート電圧。予定値ならOK。

で、このプレート電圧。まあ電源のB電圧ですね。
此れを、希望通りの電圧に一発で出せたら結構な経験者。

トランスの巻き線と同じ電圧じゃないから梃子摺ります。
此の辺の苦労をしている方沢山いるんじゃないかなー?

パワーアンプの場合、途中に抵抗が入らず、コンデンサーとチョークだけですから、コントロールが難しい。更に直熱管の整流管なんて使おうものなら、インプットのコンデンサーに大容量は使えませんし・・・。

結果、市販のトランスでは希望の電圧が取れなくて、特注に成ってしまうんですね。

でも、此の辺の苦労を楽しめる様に成ったら、ベテランです。

追記。1時間あまり通電しましたが、電源トランスに触ると・・・・・。
冷たい・・。
余裕、持たせ過ぎたかな?

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火が入った

此処、数日の苦労が実って、チャンデバに火が入りました。
でもこの言葉『火が入った。』、半導体アンプにはピンと来ませんね(笑)。

ご存知EL84。米名6BQ5。かなり昔から使われているポピュラーな真空管です。
今は、大型管が極普通に成っていますので、今でもこの球が作られている事に感謝。
入門用のギターアンプに使われているんですね。
あの世界。半導体アンプは使い物に成らないんです。エレキギターがなくならない限り、真空管は安泰です(笑)。

でもこのEL84。高校時代の僕には高嶺の花。精々6GW8のPPが精一杯。其れも2ch作る予算が無くモノラル。

どうしてもステレオにしたくて、12BH7Aを出力管にしたり・・・(汗)
まあ、当時のスピーカーは能率が高かったので何とか聞けた様な・・・。

EL34なんか、トンでもない高級電蓄か学校放送機器でしかお目に掛かれなかったんです。

学校の放送室のアンプを見てため息。

今の日本。初めて作る管球アンプが300Bなんて日常茶飯事ですから、日本人もお金持ちに成ったものです。

高校での親友。彼がバイク気違い。彼の影響でアンプ作りはしばらく中断。
でも、彼は僕の影響でオーディオの世界へ・・・・(笑)。

21歳の時、かなり大きな事故に遭いました。
とても、親の目の前ではバイク復活は難しい状態。

で、アンプ作り再開・・・。

当時手にしたのが、上杉氏の執筆したアンプ作りの本。
その中に6L6を使った色々なバリエーションアンプが・・・。
臍曲がりの僕は、其の侭コピーなんかしないで自分なりにアレンジ。
基本的に、人真似って大っ嫌いなんですね。

当時の僕の愛器はダイナコMkⅢ。
予算が無く、6L6アンプはPPでのモノラルアンプを1台製作。
片chだけダイナコを外し僕のアンプへ。
モノラルレーコードを聞きながら、プリのバランスボリュームで左右の聞き比べ。

ダイナミックさではダイナコだけど、自然さでは僕のアンプが勝っていた。

当時勤めていた会社が、輸出用のステレオ装置を作っていた。
知り合いの研究員に僕のアンプを預け、測定を依頼。

結構良い結果で上機嫌。
で、ボーナスが出たのでもう1台を作ろうとしたら・・・・・・。
リードのばか(汗)。
僕の使ったリード製のシャシが生産完了。左右で違うシャシなんて・・・・・・・。
と言う事で、このアンプは1台で終ってしまったんですね。
その後、オーディオ店に転職。益々深みに・・・。
作ったアンプ。EL34。KT88。KT66。6550。2A3。ete,ete。
もう小型管は使わなくなってしまったのです。

つまり6BQ5は飛ばしてしまったのですね。
初めて使ったのは、今の店を開け、自宅の子供用に作ったプリメインアンプ。
此れの出力管が6BQ5だったのです。
20年以上経ちますが、未だに故障知らず。

この経験が無かったら、今回のチャンデバに6BQ5(EL84)を使うなんて思い付かなかったでしょうね。

現在手に入る6BQ5。ギターアンプ用ですから兎に角丈夫に作って有ります。
僕が中、高校時代に見た6BQ5とは違い、ガラスの厚さもグーンと厚くなってたくましく成長。

さて、どんな活躍をするのか・・・・・。

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シッカリと進んでいます

アップしていなかったので、進んでいないと思われたのかなー?
チャンデバです。

早い話が4chパワーアンプ。

チャンデバの働きは、プリから供給された、フルレンジの信号を、好みの帯域に分割する事。

ゲインは1が好ましい。
更に贅沢を言うと、入力インピーダンスは十分に高く、出力インピーダンスは十分に低く。

此れを管球でやろうとすると、NFのお世話かカソードフォロアーを使うのが今迄の常識でした。

で、この二つの回路。
僕の経験では音の悪い回路。
亡き伊藤氏も同じ意見でした。
最後に合った時『カソフォロは音が悪いなー。』
ピ『先生、真空管はグリッドに入れて、プレートから出す様に成ってます。』
氏、黙って頷いていました。

で、グリットから入れてプレートから出すと、どうしてもゲインを持ってしまう。

此れの対策法が見つからなく、10年以上・・・・・・。

ある日、車の運転をしながらピコン。

『パワー管を使えば良いんだ。』
出力トランス込みで考えるとゲインは1以下。
入力に其れに見合ったトランスをかませれば・・・・・・・。

こんな発想で始まったチャンデバプロジェクトです。

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最近アップが無いな。また遊んでいるんだろう。
なんて思われると拙いので、近況報告です。

昨日でシャシの切削が終りました。
昨日の夕方、アルマイト屋さんに届け、上がってくるのを待つだけ。

で、ホント休日は嫌い(笑)。

今日の祝日が無ければ明日アルマイトが上がるんですね。
祝日のお陰で、来週火曜日です。

まあ、色々と雑用は沢山有りますので、それの片付けです。

でも、其のチャンデバ。大型OPTが4個も入るんですよね。
出来上がった時の重量が心配・・・・・・・。

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チャンデバのシャシ設計を始めて、何週間だろう?
かなり梃子摺っています。

と言うのも単なる設計で終えたくない。
僕の作るアンプは、かなりの長寿命で20年以上最前線で働いているのが極普通。

そう成ると、修理ではなく改造依頼が結構多い。
僕の新しいノウハウでの改造だったり、お客様の使用条件が変わり、其れへの対応だったり。

今回のチャンデバ。実は基本的に4chのパワーアンプなんですね。
逆を言いますと、4chのパワーアンプとして使用可能。

ご存知の様にマルチアンプを始めますと、パワーアンプの数は沢山必要。
特に、僕のやっている、左右逆相動作でパラうなんて方式だと倍のch数が必要。

この時問題に成るのが、OPTの出力インピーダンス。一般のトランスの様に、タップ出力なら簡単なんだけど、8組の巻き線の組み合わせで設定と成ると、かなり面倒な作業が・・・・・・。

今までのアンプは、其の度OPTをアンプ本体から外しての作業。
まあ、滅多に無い事だからと思っていたんだけど・・・・・・。

チョクチョク、スピーカーユニットの交換をし易いのも、マルチアンプの特徴。
マルチをやっている人はこんな人が多い。

そう成ると、アンプ本体に取り付けた侭で、インピーダンス変更を出来る様にしたい。

結果、完全に設計変更に成ってしまいました。

今まで書いた図面をビリビリ・・・・・・。

でも、此処へアップしたと言う事は・・・・・・・。
ハイ、巧く行きそうです。
で、なんと言うか・・・・・・。

僕の昔のアンプ(初めて削りだしシャシを作った時)のシャシサイズ。
490×270。
かなりの長い期間。このサイズのシャシでアンプを作っていました。
この時代は、僕がフライス盤を持っていなく、外注でシャシを作っていましたので、アンプによってシャシサイズを変えるなんて出来なかったんですね。

今回のチャンデバシャシ。
どうもこのサイズに成りそう。
意識した訳じゃないのに、この寸法に行き着いた。
何となく、僕としては嬉しいのです。

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暫くアップしていませんが、何もしていないのではなく、新製品の開発をしています。
新製品と言っても、要は自分で使いたい(笑)。
将来、5ウェイへの発展を画策しているオイロダインに、どうしても必要な物なのです。

チャンネルデバイダー。

過去に散々市販品を使ったり、パッシブ形を自作したりして、結果全滅。
ネットワークに活路を見つけてきたんですね。

で、ネットワークの問題。ネットワークには問題は無いのです。一番の悪者は、ネットワークを受けているスピーカー。

こいつがヤクザ者で、ネットワークが正しく動作をするのを邪魔するんですね。

また、低域ほど、大きなコイルを必要として、そのDCRも無視できません。
早い話、無茶苦茶長いスピーカーケーブルでウーハーを駆動しているのと同じ状態。

何とかせな・・・・・・・。

この様に、必要に迫われて、作らざるを得ない状態なのです。

只、過去の経験で、普通のチャンデバは問題が多過ぎる。
NFの多用とカソフォロ。どちらも音の悪い回路(喜多男氏も同じ考えで、二人で笑っていました)。

要は対症療法の回路。僕が『先生、真空管はグリッドに信号を入れてプレートから出す様に作られています。』って言ったら、喜多男氏、大きく頷いていました。

今回作るチャンデバは、かなりの型やぶり。
アノネーと言う方法です。今の所、机上の理論ですが、悪い所が見当たらない。
まあ、一番の問題はコスト。パワーアンプよりも高額。

此処まで来たら、毒を喰らわば皿まで。
只今一番大切なシャシの設計中。此処で手を抜くと、最後まで悩まされる。

略出来上がった辺りで、HPの方へアップします。BLOGには重過ぎる話ですので・・・・・。

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マルチアンプシステムを愛用しながらも、絶対にチャンデバを使おうとしませんでした。

イエ、食わず嫌いでは有りません。其れ成りに使ってきましたし、市販品の中身も結構な数を覗いています。

で、納得するものが無い。モノに寄っちゃ、欠陥品だろーと言いたくなる物も。

少なくとも僕の知っているチャンデバなら、シッカリと作った(其れ成りにお金は掛かります)ネットワークの方がはるかに高音質。

ところが、ミッドバスの導入を考えてから問題発生。

ミッドバスとも成ると、下のクロスは200~300Hz。此れをネットワークで作ろうとすると・・・・・・。

コイルの容量が半端ではなく、このコイルがウーハーのボイスコイルにシリーズに入る事を考えたらめまいが・・・・・(笑)。

まあ、このコイルを巻く為に純鉄コアコイルを作ったのだけれど、それでもかなりの巻き数になる。

純鉄コイルを作って、つくづく考えさせられたのは、ヤハリコイルの線長は短い方が良い。

ウーハーの反応が全然違う(速いウーハーだけに判る現象です)。

ヤハリ、チャンデバを作らなければダメか・・。

でも、良い回路が思い浮かばず2~3年。

今年初め、ピコンとアイディアが。巧く行きそう。
勿論真空管ですが、パワー管を使うと言うトンでもチャンデバ。早い話、スピーカーを鳴らす事が平気で出来ちゃうチャンデバです。

更に、アンプを散々弄っていると、回路にどんなに凝っても電源が弱ければダメな事が判ってきて・・・・・・。

来た来た来た

やっと来ました。特注したチャンデバ用電源トランス。
カットコアの大型トランスです。
早い話、EL34ステレオアンプのトランスと同じ大きさ。

ネットワークに、とんでもない贅沢をして来たのです。
其のネットワークに負けないチャンデバを作らないといけないのですから、一切の手抜き、妥協は厳禁。

自分用ですから、販売したらいくらに成るんだろう?

パワーアンプよりもはるかに高くなる事は必至。

まあ、残りの人生も少し見えてきました。
死ぬ瞬間、後悔したくありません(笑)。

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僕の装置が、ネットワーク方式のマルチアンプなのは、ご報告済み。

過去に、散々チャンデバを弄りました。
どれも満足が出来ない。

散々やった結果、ネットワーク式のマルチアンプに辿り着きました。
ネットワークと言っても、掛かる費用、手間はチャンデバよりもはるかに大きいのですが・・・。

オイロダインは38cmウーハー。
38cmウーハーの使い方として、過去に350Hzで切って成功した事例が有ります。
勿論、振動系は無茶軽いウーハーでです。

ところが、今オイロダインは600Hz。もっと下げたい。
下げるには、ミッドバスの採用以外の方法は考え付きません、

クロスを350Hz以上でしたらネットワークで行ける自信が有ります。
でも・・・・・・・。

今回のクロスは200Hz。コイルが厳しい。無茶苦茶に巻く様。

コイルの線はスピーカーケーブル。コイルの巻き数が多いのはスピーカーケーブルを長くしているのと同じ事。

ウーハーの反応を素早く動作させるには、絶対に避けたい。

チャンデバか・・・・・・・。

実は、此処数ヶ月、チャンデバの構想で頭がいっぱいだったのです。

市販のチャンデバも散々覗きました。申し訳ないがアレじゃ駄目。
昔失敗した物と変わり有りません。

で、もう一度ネットワークを考えた。
フィルターと考えると、非常に良く出来ています。チャンデバよりも完璧。
じゃあ、何が問題かと言うと、負荷のスピーカー。
こいつがヤクザ者。
インピーダンスは周波数で変わるし、逆起電力は起こすし、音圧で発電はしちゃうし・・・・・。

ネットワークをフィルターとして正しく動作させるには・・・・・・・・。

そう、負荷を安定した物にすれば、計算通りに働きます。

スピーカーを止めて抵抗にしちゃえ。

もう判りましたか?

真空管

其のチャンデバに使う真空管。
昨日発注したら、今日入って来ました。

勿論こんなに沢山は使いません。
僕の仕事上、2本下さい、なんて言えないんですね(笑)。

このチャンデバは、ドライブアンプと一体にするつもりです。

そうすると、今の真空管の数と同じでチャンデバ式マルチアンプが出来ます。

今迄のチャンデバは、チャンデバ分真空管の数を増やす様でした。
此の辺もチャンデバを作るネックに成っていたのです。

この方式ですと、ネットワークと同じ数の部品点数で済みますし、パワーアンプとスピーカーユニットを直接繋げます。

さて、どんな方式かは、ボチボチアップしていきます。
楽しみにして下さい。

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