平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
イヤー、このシリーズ。こんなに続くとは・・・・・(汗)。

当初のフライスと旋盤導入の目的は、トーンアームの製作。
この2~3年前から、『僕の装置のグレードの足を引っ張っているのはトーンアーム。』って何時も言っていました。
常連でも首をかしげていたんです。そうかなー?って。

で、アームどころではなく成りました。ターンテーブルがなくちゃ、アームなんてどうでも良い(これで良かったんですが、その時は気付かず)。

僕の鳴らしている所は店頭。つまりこれと同じ物が欲しいと言われた時に、出せる物でなければ駄目なんです。
お客様への見せびらかしは、絶対にやってはいけないんですね。

つまりQRKを使うのはご法度。

新しく作る。簡単に言いますけど、僕の旋盤の腕(高校での実習のみ)なんて大した事ないですし、フライス盤なんて使った事もなかったのですから・・。

バブルがはじけた翌年の7月に、まずフライス盤が見つかりました。
僕のフライスの経験は、親父さんが使っているのを見ていただけです。

今なら笑ってしまいますが、エンドミルで穴を開けるのが出来るのかも知らなかったんです。

早速練習。最初にやったのが、広口スパナの薄型加工。つまり肉を薄くしたんです。
相手は工具鋼。エンドミルの先端から火花が出て36Φのエンドミルがパー。
¥30000以上するんですよね。

練習中に常連が・・。
『流石に昔取った杵柄だね。』
僕が『イエ、生まれて初めてなんです。』
常連さん、口をあんぐり。

で、工作機械。特にフライス盤。エンドミル(切削刃)が新しい加工をする度に、違う寸法の物が必要に。

刃物代の事まで考えていなかったピンキー君。
エ~~~~~~~~(大汗)。

フライスの導入当時、毎月刃物代に15~20万円の出費。
腕が悪いから、一瞬の油断で高価な刃物をパー。
其の瞬間、『今日の稼ぎは消えたなー。』

でも、自腹を切って購入した刃物だから、ミスに真剣に取り組みます。
誰も教えてくれません。親父さんにも聞きに行かなかった。
僕の心得。人に聞いたって何も判らない。失敗の繰り返しが最高の教科書。

うっかり、親指を飛ばしそうに成った事も・・・。

最初に商品化したのは、ヘッドアンプのケース。
初めての作品。あまりにも意気込んで、フロントパネルを20mm厚。それ以外も10mm厚。

図面を引いて、1日に三台分出来るな。なんて思ったら、実際には3日に1台。
初めての見込みなんてこんなもの。

立ちっ放しなので、足は丈夫に成ったけど・・・。
兎に角、前後判らないでのフライス作業出発だったのです。

                続く

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なぜか、CDプレーヤーが旋盤とフライス盤に変ってしまった。

実は、最初に勤めた会社(プレスチック成型会社)で設備担当だった僕は、壊れた部品を持って、取引先の機械加工屋さんに走った。

其処は、親父さん一人でやっている機械加工屋さん。
町の機械加工屋さんは、なぜかフライス盤屋と旋盤屋に分かれていて、両方の加工が必要な部品の場合は、二箇所の加工屋さんを行ったり来たり。

結果時間が掛かる。生産工場の機械の故障は秒単位で赤字を生む。
此処の親父さん。フライスも旋盤もやっているので大助かり。
勿論、腕も昔の職人さん。手抜きは一切しない。これが欠点でも有って、頼んだ精度以上に仕上げるので、時間も金額も掛かったりして・・・・・・(笑)。

20代前半のピンキー君。此処の親父さんには可愛がられ・・・。
僕を姓ではなく、名前で○○○チャンと呼んでくれた。
今でも僕を○○○ちゃんと呼ぶのは、この親父さんだけ(笑)。

其の製造工場を止め、オーディオ店に転職。で・・・・・・・(笑)。
前の工場よりもオーディオ店の方が、この親父さんの所に凄く近い。

アームベースの製作やシェルの加工。扱いだしたQRKのプーリー加工なんかを頼んで、親父さんとの付き合いは更に続いて・・・・・・・。

この店を開けてからも、仕事の発注量は増えるばかり。
年間、¥1,000,000近くまで行く事も。

で、この親父さん個人事業主。領収書を発行すると奥さんに売り上げがバレル。
僕は何時も領収書無しでOK。ってしていたから、親父さんの小遣い稼ぎには最高。
他の仕事を後回しにして、僕を最優先。

でも、ある日・・・・・・・・。

『○○○ちゃん、最近目が悪くなって、この仕事を何時まで続けられるか・・・・・。』

僕はギクッ。困ったぞ。僕の発注量をこなしてくれるのは小さな町工場(この当時はバブルがドンドン)。大きな工場は、僕のなんて相手にしてくれない。

ピ『親父さん、旋盤とフライス盤の程度の良い中古って、いくら位で買えるのかな?』
親『そうだなー。○○○チャンが使うんなら¥2,000,000位かなー?』

この辺の話の直後のCD鳴き比べだったんですね。

で、頼んだフライス盤が見つかった時。バブルがはじけて直ぐ。
銀行に融資を頼みに行ったら、つい1ヶ月前までは『何時でもお金を貸しますよ。』なんて言っていたのに態度が180°変った。
兎に角粘り倒して融資を引き出す。

兎に角世の中急変。設備投資もピタッって止まった頃、設備投資をしている僕に回りは驚いたみたい。

ぼくって、世の中がどうこうするの、全然関係ないんです。
ゴーイングマイウェイ。まあ、世の中に無関心なんですね。

             続く

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昨日の続きのリクエストの電話が・・・・・・(汗)。
アンプを作んなきゃいけないのに・・・・。

商社からの電話です。
『アメリカ中を探しましたがQRKは1台も有りません。で、アメリカから来たFAXでは、代わりにこれではどうか?』

其の代替機・・・・・・・。テクニクスのDD。

笑うしか有りませんね。そのテクニクスでは駄目なのでQRKを使っていたのに。

話は飛んじゃいますが、海外のプロ用機器。そんなに音質チェックなんてしていません。要は壊れない事。修理が簡単な事。

そう言えば、喜多さん(故、伊藤喜多男氏)が僕の処へ来た時。QRKを見て言った言葉。
『田舎の放送局にはこれが一番。』

ですから、もしQRK社に『貴社のターンテーブルは音が良い。』
なんて手紙を書いたら、きっと『オーー、ジャパニーズ、クレージー』
なんて思われるのが関の山。向こうの意図と違って、こっちで勝手に感心している場合が殆ど。
プロ用機の宣伝文句に『音質を重視して・・・・。』なんて書いてあったら、輸入商社の作り話と思ったほうが・・・・・・。

仕事柄、結構海外本社の人と会ったりもしていたんですね。
最初は営業トーク。僕の本心が判ってくると本音がチラリホラリ・・(笑)。

でも、本音でも手を抜いているのとは違います。只、輸入商社の売り文句とは違うコンセプトが殆ど。
要は、日本で売り易い様に、商社がうたい文句を作っちゃうんですね。

エーーー、話が飛んじゃいました。

でも、困った。QRKが入ってこない。これよりもしっかりした再生音を出すターンテーブルを知らない(僕の経験範囲で)。

オーディオって、アンプが良くても、スピーカーが良くても、カートリッジが抜群でも・・・・・・・・。
レコード盤が回転して始めて・・・・・・・・。
そう、板が廻る所からレコード再生は始まる。

困った。マアマアの機械は有るが、今迄よりも質の落ちたのを僕は使いたくないし、お客様にも勧めたくない。

正直落ち込みました。どうしよう・・・・・・・・・・・。

で、ピコン。作ればいいんだ。
丁度其の頃、フライス盤と旋盤の程度の良い中古品を探してもらっている最中。

旋盤とフライス盤が有れば出来る。
QRKをベースに更にグレードの高い物を・・・・・・・・。

話はチョット戻って(2~3ヶ月前)。
僕の店、アナログ専門が売り。でも世の中はCDの方へ走っている。
勿論お客様も、アナログだけでなくCDも平行して楽しんでいる。

店を開ける時は『世の中、CDだけに成ったら、店をたたむ。』なんて粋がっていたけど、そう簡単にたたむ訳には行かなく成っていた。
と言うのも、其の当時でも結構な台数の僕の作ったアンプがお客様の所へ。

店をたたんだら、アフターで迷惑を掛ける。
仕方ない、店を続けていく為にCDの導入を検討しよう。

当時、雑誌を賑わせていた高級機。100万以上の機械を5~6台借り入れた。
メーカー担当者は大喜び。勿論輸入機器も・・・。

散々、レコードとの聞き比べ。かなり公平な条件を作り、馴染みのお客さんにも試聴を頼んだ。

その時、CDにしかないソフトが有って、カセットテープに落としたい。カセットデッキは家に有る。家からデッキを持ってくるか、CDプレーヤーを家に持って帰るか・・?
後者を選択。家で当時雑誌では絶賛のCDプレーヤーを鳴らした。
その時脇にいた女房が一言。『音悪いねー。』
有名評論家に聞かせてやりたい言葉。素人の耳は怖い。

まあ、1~2週間色々なプレーヤーを試聴。
ハッキリ言って気に入ったのは1機種。一番値段の安い機種(それでも50万円近くの値段)。
勿論CDプレーヤーの中では、と言うレベルでレコードとは比べるまでも無く・・・。

ソロソロ返すようかな?
そんな在る日、なじみのお客さんがぼくが実験中なのを知って、愛用機を持ち込んで来た。
其の価格、¥59800。つまりゴッキューパー。

繋いで試聴。
僕は腹を抱えて笑い出し。
『これで十分。』
アナログプレーヤーの場合、良い機械を聴いたら、元には戻れない。
CDプレーヤー。確かに1台ずつ音は違う。でも其れってメーカーのキャラクターの違いであって、グレードの違いとは言い難い。
つまり、赤から青へ更に黄色へと色は変るけど、色の鮮やかさなんかのグレードの差ではない。
要は好みで選んで良いですよ。どれもグレード的には差が無いですから・・・・。

そう言えば、CDプレーヤーのチューンを仕事にしていた友人。
ある1社のだけのチューンを受けていた。
彼の言葉。
『CDプレーヤーって価格によって音の差をつけにくいんだよね。で、あのメーカーのゴッキュパと15万円の機械。中身は殆ど一緒。安い機種はわざと音質を落としているんじゃないか?と思う事が有るよ。』

こんな結果で、CDプレーヤーを購入しようとしていた資金が浮いた(勿論借金)。

此処でやめないのがピンキー君。
其のお金で旋盤とフライス盤を買おう。

知人に紹介された中古工作機械屋さんに、フライスと旋盤を探してもらっている最中に、QRKはなく成りました。の話だったのです。

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この話はかなり前です。
僕が20歳台前半。

この頃のターンテーブル、DDでなければターンテーブルにあらず。なんて世の中の風潮。

僕もDP3000とSP10Ⅱを併用していた時代。
SP10Ⅱもそうでしたが、当時のデンオンのDP7000。僕の記憶では、最初にクォーツロックをしたターンテーブル。

つまり其れ迄のサーボは速度制御型。其れを位相制御にグレードアップ。
と言っても、機械的には何も変らず、サーボ回路のグレードアップに過ぎなかった。

その7000番。ご丁寧にクォーツロックのON,OFFスイッチがついていたんですね(SP10Ⅱにはついていなかった)。
オンにすると完全にロック。速度微調整は出来ません。オフにすると以前のサーボ回路に成り、ストロボの流れを見ながら速度調整。

こういうことには無茶興味を持つピンキー君。
標準サーボの微調整をキッチリだし、クォーツロックのONとOFFで音がどれだけ違うかの実験。

結果を言ってしまいますと、クォーツロックの負け。
音に潤いが無い。伸びやかさが無くなり、余韻も尻切れトンボ。

僕は今物を作る仕事をしていて、お客様に言う言葉。
『前の型を買っていただいた方には申し訳ないのですが、僕が新製品を出した場合、必ず新型の方が良いです。良くない場合は絶対に商品化しません。』

ところがメーカーは作る人よりも営業サイドの意見が強く、兎に角新製品を欲しがる。
雑誌も新製品を欲しがる。一般ユーザーも新製品の方が良いと信じている。

まあ、こんな訳で・・・・・・・・。

この数年後。僕が手にしたマイクロの40cmターンテーブルDDプレーヤー。
こいつにもクォーツロックのON。OFFスイッチが・・・・・・。

今度は店頭ではなく、自分の家での試聴。

前の7000番の時と同じ結果。

クォーツロックの恩恵は、時計が正確に成った事かな?


追記。
クォーツロックが外せないのに、ストロボがついていたSP10Ⅱ。
微調整が出来ないんだから無意味。
で、更に面白いのが其のストロボ(ネオン管)の点滅。電源周波数ではなく、モーターのサーボ回路に用いている、水晶発信器からのもの。

気付きましたー?
つまり、水晶発信器が何らかの原因で狂った場合(まず無いですけどね)。
回転が落ちたとしますね。するとストロボの点滅サイクルも落ちるんです。
結果、ストロボは流れない。馬鹿としか言いようの無い仕組み。
回転が速くなっても、遅くなってもストロボは流れないんです。

でも、当時の評論家。
『電源周波数はあてに出来ないので、水晶発信器で点滅するストロボはすばらしい。』
なんて、平気で言っちゃっていましたね。
超有名、評論家でした。

あ、もう一つ。
SP10Ⅱのターンテーブルを外した状態で、電源オンのテストをすると面白いですよーーーー(笑)。
回転しないで、只のバイブレーター。
つまり、正逆回転を繰り返して、先へ進めない。
まあ、あのサーボ回路ではそうなるのですが・・・・。

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先の書き込みで、4極と16極の話・・。
普通に考えると16極の方が回転が滑らかに感じます。

で、此処が落とし穴(笑)。

シンクロナスモーターの回転原理を考えて下さい。
電源周波数に同期して廻るんですよね。
関東は50Hz。関西は60Hz。

此処でピコンと来た方はスゴイ(賞品は出ません、汗)。

50Hzのサインウェーブを考えて下さい。
山の(谷の)ピーク(ディップ)の処が一番駆動力が強い。

この山の数、4極も16極も同じ。
つまり50Hzなら1秒間に100回の駆動のピークが・・・・・・。

お判りでしょうか?極数に関係なく1秒間の駆動回数は同じ。
つまり、滑らかさは同じなんですね。

そう成ると4倍の回転数を持つ4極は、ローターの慣性が強いので、回転は滑らかなのです。

前回書いたでしょう。駆動方式に関係なく高速回転するモーターの方が回転の質は良いと。

只、高速回転するモーターは騒音が出易い。
此処の処理が一番難しい所でも有るんです。
16極の低速モーターなら、こんな苦労は無いのに・・。
と、思いながら、日夜努力をしている訳です。

どこかで、4極シンクロナスの静かなモーターを作ってくれませんかねー。

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イヤー、続いていますねこのシリーズ(笑)。自分で書いていて、こんなにネタが有ったのかと・・・・・。

其れだけ、アナログプレーヤーは底が深い。弄り代がタップリ。CDプレーヤーはブラックボックス。遊ぶとしても、出力ケーブルやインシュレーター程度。

プリアンプもフラット段だけで済んじゃうし。

ヤハリ、趣味の物は、遊び代が多い程楽しいです(苦労も多いですけどね)。

で、店を開けた時(29年前)。装置のセッティングは、とりあえず音が出ればイイヤ状態。

開店して2~3週間。やっと余裕が出来、当時の実家(店を開けるのと結婚が同時期、装置は実家に)へ色々と取りに行った。

其の中の一つ、ハイスピードイナーシャー(注1)。

店の8000番に接続。更に音が良くなるのを期待して・・・・・・。

愕然、音がスピーカーにへばりついた。音の切れも悪い。スケール感も減少。
どこか良く成ったところ・・・・・・・・・何も無し。

ウソだろー。だって前の店で5000番の二重連、三重連の実験をした時、回転マスを増やす程音が良く成った。

なんでーーーーー?

此処で気付いた方はかなりの経験者(笑)。

そうなんです。店で実験した時はモーターがサーボモーター。
僕の8000番、シンクロナスモーター。

此の辺から、重量ターンテーブルに疑問を持ち始めたのです。

かなり経ってから、僕の所へあるお客様が・・・・・・。
其の方、モーターのプロフェッショナル。
僕の経験を話したら・・・・・。
『ターンテーブルをドンドン重くするって事は、サーボをドンドン利かさなくなる方向だよね。』
僕は合点。

益々、サーボモーター嫌いに拍車が掛かった一瞬でした。

(注1)
ハイスピードイナーシャー。
回転慣性力を増やすには、回転部の重量を増やせば簡単。でもこれではスペースをとって大変。
そこでマイクロは、マスを増やさず回転スピードを上げる事によって慣性を増やしたのです。つまり高速で廻るハズミ車です。

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8000番購入後。自分の店を出す準備もしなければ成らない状態。
独立して店を出す。言葉では簡単ですが・・・・・・・。

親から貰った財産が有る訳でもなく・・・・・。
結局結婚資金も開店資金へ・・・・・・。

何とか見つけた空き店舗。敷金、礼金、契約金、内装工事とお金はいくら有っても足りない状態。
今思っても、どうやって開店にこぎつけたんだろう?

親しい友人には店を開けるって言ってしまったので、後には引けないし・・・。
そう、有言実行です。無言実行ってカッコいいように聞こえるけど、言っていないんで、やらないで逃げちゃっても平気。
有言実行の方がはるかに大変。男の面子が掛かっている(汗)。

8000のローンも残っている状態で、1982年5月に開店にこぎつけた。

この時、自宅から全ての装置を運ぶ暇もなく、取り合えず音が出れば良いや。

自宅ではオンライフU-22を使っていたけど、もう生産完了品。無い物を店で使う訳にも行かず、LUXのCL36を使い、パワーは何だったけかなー?
あ、思い出した。LUXのMQ70。まだ自作アンプを人に渡す勇気は無かった。

マルチも止めて、マクソニック特注のネットワーク。
もっとも其の頃は、604を使うのを止め、マクソニックの403(励磁型ウーハー)に変っていた。
自慢じゃないけど、403を日本で最初に使ったのは僕です(笑)。実験段階から結構マクソニックにはこまめに通っていた。

その時のスピーカーシステム。
ウーハー  マクソニック  L403EX
ドライバー マクソニック  D101EX
ホーン   マクソニック  HS301(これも僕が日本で最初に使った、笑)
ツイーター  色々実験中
エンクロージャー  マクソニック特注 400ℓ

面白かったのが最初の音出し。
其れ迄四畳半。しかも夜中に帰ってから聞くので、大音量なんてトンでもない。

この状況に慣れてしまったスピーカー達。
アンプのVRを上げても、音量が稼げない。
小音量ではまあまあなんだけど、兎に角音量が上らない。

車で言えば、フェラリーを近所の使い走りにしか使わなかった状態。レッドゾーン迄廻らなく成ってしまった。

装置を運んだのは開店1週間前。
毎日、毎日鳴らし込んだ。
ヤット開店時には音量が上げられる様に・・・・・・。

で、この後、ハイスピードイナーシャーが問題を・・・・・・。

           続く



追記。僕が101を使っているのを知ったエクスクルーシブの営業マン。
当時雑誌で騒がれ始めたTADのドライバーTD4001を僕に貸し出した。
僕から頼んだんではないですよ。
当時、僕の付き合っていた各メーカーの営業マン。僕が売るのは自分で気に入った物。気に入れなければ仕入れ条件をどんなに良くしても売らないのを知っていましたから。

つまりTADを僕が気に入れば、今後の販売量は・・・・・・。
1週間家で使いました。
直ぐに101に僕は戻してホッ。

其の1年後位かなー。MJ誌でこの4001と301ホーンの組み合わせを絶賛。ぼくは其の前に結論を出していたんだけど・・。
4001、確かに謳い文句のように2吋ドライバーとは思えない程高域が伸びる。 でもこれにはからくりが有って・・・・・・。

フェージングプラグのスリットの数が多い。このスリット間の距離で高域限界は決る。狭い程高域が伸びるので、スリットの数が多いTADは有利。

で、問題はスリットが多いと言う事は、ロードが掛かり難い。
結果、低い周波数では使えない。

僕の聴いた感想。2吋ドライバーのクセに1吋ドライバーの音を出している。
だったら、高額な2吋ドライバーなんて買わないで1吋を買えば・・・・。

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マイクロの8000番を導入。アームはEMT997と、もう一本はなんだったか・・?

導入してみて、チョット失敗だったかも・・・(汗)。
QRKよりも音は綺麗。でも上澄み液の様。

線が細いんですね。でもQRKは其の頃輸入元が輸入を中断。
もう手に入らなく成ってしまったのです。

仕方が無いか・・。8000で頑張ってみよう。
一番期待をしたユニット間のつながりも、若干良く成ったような気がするなー・・・・・・程度。

そんな時、店のレコードコンサート。
トーレンスのリファレンスを持ち込む事に成った。
知っている人は知っている(当たり前か)。雑誌の受け売りだと『トーレンス社が販売目的ではなく、あくまでもリファレンス用に作った。其れがトンでもない良い物に成ったので、急遽発売が決定。』

決定するのは勝手だけど、¥3500000だよ。誰が買うねん?

まあ聴いてみよう。で、コンサートの1日前に搬入して音出し準備。
僕は面白いので、自分の8000番を店に持ち込んだ。
トーレンスにもEMTがついているので、ピックアップは五分。

コンサート前に僕だけの試聴タイム(店長失格、汗)。
へへ、此れなら買わないで済む。

あくまでも僕の結論。8000番の方が良い。
リファレンスは変に音が粘ついて、音離れが悪く、品が無い。
僕、こう見えても、品の無い音は絶対に受け付けない。

翌日のコンサート本番。集まった人は値段と雑誌の記事での先入観。絶賛でしたけど・・・・・・。

話はまたも飛びますが・・・・・・・。
前にも書いたかなー?
先入観。これって本当に怖い。正しい判断を簡単に覆してしまう。

ヤハリ、レコードコンサートでの実話。
その時のタイトルはカートリッジの鳴き比べ。
当時有名だったカートリッジを10種類ほど聞き比べた。

で、其の中の一つに丸針と楕円針の鳴き比べ。
使ったカートリッジはSPU-GとSPU-GE。針先だけが違っているので聞き比べには最高。

で、始まる1~2時間前。常連が5人ほど早めに来場。
其処で、どちらが丸針かを教えないで、聞き比べを・・・・。
全員が丸針に軍配。
僕にどちらかをしつこく聴いて来たが僕はシカト(笑)。

さて本番です。来場客数は30~40名。
で、丸、楕円の聞き比べ前に僕が解説。

カッター針はこの様な形状でこの様に溝を彫ります。

其の溝を丸針はこの様にトレースし楕円はこの様にトレースします。

僕はこの時、本当に言葉使いに気遣い、どちらが良いよと感じない様に話しをした。
白い大きな紙に、絵を書いて解説。

でも、この説明。どんなに平等に成る様に話しても、楕円の方が良い、と成ってしまう。

さて、試聴。
先の準備段階と同じ様に鳴っている。

このコンサート。終った後に全員にアンケート用紙を渡して書いてもらい、その後この用紙を使い抽選会。其れ成りの景品を出したのです。

勿論アンケート用紙は記名式。

さて、結果を見ると、殆どの人が楕円針に軍配を上げている。
先に聞いて丸針に軍配を上げた5人も全員楕円針。
僕はニヤニヤ。

この時、丸針に軍配を上げた極少数の方。全員SPUの丸針の使用者。
人間、先入観を無くすのは至難の業。
先入観を持っての正しい試聴も至難の業。

一番確実な方法。
実際に手にして、自分の家で長期の使用。
これが一番正しい結論を導き出します。

当時、僕の立場では、メーカーに『これ貸して。』
って言えば、営業マンがニコニコしてすぐに持って来てくれる。

でも、僕はやらなかった。懐の許す限り自分で購入。給料が現物支給のような状態(大汗)。

たとえば、カートリッジ。気に成る物をメーカーから借りたとしますね。
メーカーは視聴用のカートリッジを自社のシェルにつけて持ってきます。

借り物だと、其の侭適当なアームにつけて『成る程この程度ね。』

世の中そんなに甘くない。其のシェルとの相性や、取り付けたアームとの相性。更に針圧なんかをこまめに調整しなければ・・・・・。

自分で買うと・・・。人間ケチです。
思った様な音が出ない。其処でシェルを替え、アームを取替え、針圧を微妙に変え・・etc,etc・・・・。

其処で、はじめて其のカートリッジの本当の姿が見えてくるのです。

つまり、試聴室で聴いたって、全体の音の感じであって、カートリッジだけ、アンプだけ、スピーカーだけの試聴は出来ません。

授業料を払うしか方法の無い、厳しい世界です。

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