先日発注したモーターが入荷。
左の小さい方が従来のモーター。右の大きい方が今回入荷したもの。
どちらも、シンクロナスモーターです。
シンクロナスモーターの特徴は、電源周波数に同期して回るので、電圧が変わっても回転数は変わりません。
つまり、大型モーター(質量が大きい)の電圧を絞って、トルクは従来のモーター並みに落とします。
結果、質量の大きな分、振動が抑えられるとの考えです。
モーターの回転数は、50Hzで1500rpm。331/3に減速するには1/45にするようです。
今迄は、糸だけで減速していましたが、今回は一段減速後に糸でドライブです。
減速ギヤ。ウォームです。ウォームでは減速比が大き過ぎるのが問題ですが、ウォームが2枚歯に成っていて、減速比1/10を見つけました。
此れですと、駆動側のプーリー径は60mm強で作れます。
プーリーが大きいとスリップが少なくなり、音の立ち上がり、エネルギー感をシッカリと再現します。
ウォームギヤをチョイスした一番の理由は、騒音が少ない事。
其れともう1つ。実は此れが狙い。
ウォームギヤは動力の伝達が、一方通行。つまりターンテーブル側の負荷変動がモーターに伝わりにくいのです。
さて、今の仕事が終わったら、早速図面の作成。
その後、試作です。
まだ必要なパーツ全ては揃っていませんし、軸受け部の材質は何が良いかも判っていません。
ベアリングはNG。メタル軸受けの予定です。
オイルシールも用意しなければいけません。
試作って一種のギャンブル。パチンコや競馬よりはるかに面白いです(笑)。
出来上がってから15日。一時間も休み無く廻り続けたモーター。
例のエンプラで軸受けを作ったモーターです。
今日、モーターに耳を近づけても静か。
1週間前よりも静かに成っています。
取り外して、軸受けのガタのチェック。
見事に少なく、磨耗の様子は見られません。
実は、以前使っていたオイルレスメタルのモーターで収めた、最後のお客様。
そのモーターが不良に成ってしまいました。
その後、何度も試作モーターを持って訪問。
交換したては良くても、段々と音が大きく成ってしまうのです。
何個、試作品を持って行った事でしょう。
お客様も、辛抱強く付き合って下さいました。
今度のモーターは、その様な事の無い様に、店で回しっぱなしを15日間(一般家庭なら、1年間に見合う使用時間です)。
さあ、エンプラ軸受けモーターの初出荷です。
今日、これからお客様のところへ。
喜んでいただけると嬉しいのですが・・・。
三日間回し続けたモーター。
やっとプレーヤーへ取り付けました。
この侭2~3週間回し続けます。
今度の軸受けは、摩擦係数も低いらしく、モーターを回す電圧を50Vまで下げても、回転が落ちません。
従来のオイルレスメタルの場合は、60Vを切ると危なくなりました。
でも、ヤハリ最近のエンプラは凄いです。
今迄、ジュラコンやテフロンでも試しましたが、熱膨張が大き過ぎて使い物に成りませんでした。
つまり、丁度良いクリアランスで作っても、1時間も回すと、軸受けが膨張してしまうのです。
結果、クリアランスが狭まり、モーターは回転停止。
今回使っているエンプラ(エンジニアリングプラスチック)は、その辺が平気なのです。
世の中進んでます。過去の技術に拘るのも良いですが、良くなっている物は素直に認めたいですね。
昨日作った軸受けを、組み込んだモーターが廻り出しました。
横に書いて有る19.02とは軸受けの外径。前回のは19.01で作って有ります。
軸受けを打ち込む時の硬さは、19.01の時とあまり変わりません。
ウーーーン、こんな感じでは内径に変化が有るのかな?
ところがモーターを組み出すと大違い。蓋がチョットでも斜めに成るとローターが回転しなくなります。
前回組んだモーターよりも、はるかにシビア。
かなり慎重に組み上げました。
人が入ってくると気が散るので、入り口には鍵を・・・。
電話は勿論留守電状態。
ラジオもレコードも兎に角煩く感じます。
音の出そうな機械は全て電源OFF。
HPの方に組み方はアップして有りますが、兎に角慎重に・・・。
蓋の打ち込みが終わり、シャフトを手で廻してみると、前回の物より滑らか。
シャフトのガタも感じられません。
いい感じかな?
電源を繋いでスタート。
前回のモーターよりも出来立てが静か。前回は組んだばかりはうるさかった。
この侭2~3日間回してから、プレーヤーに組み込みます。
さてさて・・・・・・・。
先日アップしたドリルの刃で、早速軸受けを作ってみました。
結論から言っちゃいますと失敗。
穴径が目標値よりも小さいのです。
穴径はドリル径と同じに開くと思っていませんか?
それなら僕の苦労は1/10で済んでしまいます。同じドリルでも切削物の材料やドリルの回転数で穴径はコロコロ・・・・・。
今回の様な樹脂の穴が一番難しい。材質が柔らかいので刃から逃げてしまうのです。微妙な穴サイズのコントロールが難しい。
更にドリルの刃の形状でその逃げる寸法も違ってくる。
0.03mm大きな刃なのに、今まで僕の使っていたピッタリサイズの刃を使った穴よりも小さな穴が開きました。
要は、切れ味が今まで使っていた刃よりも落ちるのです。結果逃げが大きく穴径は小さ目に・・・。
其処で僕は考えた。樹脂の柔らかさを逆手に取ったら・・・?
今迄は、打ち込む穴より1/100mm大きな外径で削っていました。打ち込む穴は金属ですから、樹脂軸受け側が縮まって入ります。結果穴も小さく。
だったら、外径を2/100大きく作れば、打ち込んだ後の穴径は更に縮まる。
結果、軸とのクリアランスは小さくなり理想値に近づく。
そんなに巧く行くかは、この写真の軸受けが実験台。
モーターに組み込むのは明日。
さてさて、失敗か成功か?
先日から廻っている、ターンテーブルの新しいモーター。
片方の材質はバイトで精密加工が出来るので、結構シビアにシャフトとのクリアランスを調整できました。
ところがこの材質。今一音が出る。
もう片方の材質。こちらはバイトでの精密加工が難しい。
仕方なくドリルで穴加工。
こちらの方が音は静か。でも穴径の調整が5/100mm(市販のドリルの関係)単位でしか調整できない。
モーターのシャフト径は上が7mm。下が6mm。
丁度のドリルで軸受け加工をするとクリアランスゼロで回転しない。
5/100mm太いドリルで加工をするとガタガタ。
工具屋さんに無理を言って探してもらいました。7.03mmと6.03mmのドリル。
さて、上手く行くか・・・・・。
先日試作したモーターの、もう一方も運転を開始しました。
遅れた理由に、モーター取り付けボードが無かった(汗)。
昨日、アルミの板材から削りだし、やっと取り付け完了。
まあ、一個目のモーターが快調なので、こちらは『もうどうでもイイヤ。』と言うのも理由の1つだったりして・・・・・。
で、こんなもんですね。2個目のモーターも静か。
今迄散々苦労をして来たのをあざ笑われている様。
もっとも、耐久力は廻さないと判らない。特に単にモーターだけで廻すのと、実際に糸を掛けて廻すのでは、軸受けに掛かる力の方向が全然違うので、モーター単体でのテストは殆ど意味が無いのです。
店頭にプレーヤーが二台有って良かった。片方はレコードを掛けて、もう片方は耐久テスト。
僕が家に帰っても廻し続けないと中々耐久力は判りません。
今現在はとりあえず成功なのだけれど、今迄、散々予想外の結果に遭って来たので、油断は出来ません。
で、もう一種類試したいエンプラ丸棒。
今ので良いのだから、やらなくても良さそうなんだけど、兎に角今迄の経験で臆病に成っています。5日間無事に廻っていたので安心していたら、翌日に音を出し始めた軸受けも沢山有ったし。
僕の選んでいるエンプラのカタログには、BGのマークが付いています。
何の意味か判りますか?
答えはBearing Grade。恐ろしいエンプラです。