今日の僕の作業机の上。
古くからのお客様なら懐かしいアンプです。
開店後3~4年で作ったアンプです。
このアンプの前身にはHL-Ⅰと言うプリアンプが有りました。
そいつはでかくて重くてフォノ入力しかないと言う割り切ったアンプだったんですね。
シャシは真鍮にニッケルメッキ。真空管は5691二段のイコライザーに5692一段のフラット部。
僕が生まれて初めてゼロから作ったプリアンプでした。
今考えると若気の至り。超ど級のパーツを使えば良いアンプが出来る。なんておバカさんだったのですね。
と言っても、市販品には負けないグレード。
こいつが出来てからは一切市販のプリアンプを使わなくなったし興味もなくなったのです。
其れ成りに評価を頂いて、10台弱作りました。
当時の価格で確か¥640000だったと思います。
30年前ですからかなりの高価格のプリアンプだったのです。
で、お客様からリクエスト
1)もうチョイ安いのは出来ないか。
2)ライン入力も欲しい。
この二点を考えて作ったのが写真のアンプです。
と言って、僕の店の規模では2種類のプリアンプを持つのはきつい。
では、二号機は一号機よりも安くしても、オプションを追加する事によって最終的には一号機を凌げる性能に。
こんな事で写真のアンプは出来上がりました。
一号機のコストアップの原因は電源。
と言う事で二号機は電源をケチったのです。
まあ、ケチったと言っても一般市販アンプよりは豪華ですが・・・・。
二号機のお披露目。ヤハリ一号機よりも評判は芳しく有りません。
で、強化電源キットを取り付けると一号機と完全に肩を並べたのです。
その電源キットとの組み合わせ価格が一号機と同じだったのも笑えるのですが・・。
もう一つのオプションが出力トランスでした。
こうしてスタートした二号機(HL-Ⅱ)。
それ以来、信号系の基本回路はまったく変わらずに今迄続いています。
僕の使っているプリも、先月納品したプリもです。
ですから、僕の作っている製品で一番完成度の高い物、って言えるんですね。
勿論マイナーチェンジはかなりやりましたし、フルチェンジも2度。
長年掛けてジワジワと成長したアンプなのです。
最初の型と今のを鳴き比べると、あまりもの違いに驚くと思いますが、信号回路は変わっていないんですね(笑)。
変わった点。
1)真空管の動作点。
2)アース配線を含む配線の引き回し。
3)シャシの高剛性化。
4)オプションではなく最初からの強化電源。
5)パーツの国産化(海外パーツは兎に角減りました)。
こんな所が主な点です。
出てくる音は完全に別のアンプ。
もしも変わらなかったら、30年近く僕は何もしていなかったと言う事ですから。
あ、今回写真のアンプが戻って来た理由ですか?
チョットしたグレードアップです。
アンプ本体はいたって健康体。
まだまだ頑張れます。
あ、大事な追記(笑)。
写真のプリアンプと同じ物が現在販売を委託されています。
ナント強化電源を2台も付けてしまったトンでもアンプです(つまり内蔵電源と合わせて3電源)。
時間を見て全てをチェック。
その後の販売と成ります。
保障も1年間。
興味のある方は、HPのオーディオ質問箱へ投函して下さい。
委託された方は新しい僕のプリを使っています・・・・。
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