今迄、極普通にフライス盤と言っていましたが、考えてみると一般の人の目には触れる事はまず有りません。
で、どの様な作業が出来るのかの説明です。
旋盤と並んで機械加工ではかなりの作業の出来る機械です。
旋盤は工作物を回転させて其処に刃を押し付けて削る物。つまり丸物の切削です。
フライスはその逆で刃物が回転。其れに工作物を押し当てながら移動。平面の切削が基準ですが刃の選び方で、かなり複雑な加工も可能です。
写真の上から出ている所が回転刃を取り付ける部分。色々なアタッチメントを使う事によって、かなりの種類の刃物が付きます。またこの部分は上下に移動が出来ますので、穴を開ける事も出来ます。
此処にボーリングヘッド(刃物の一種)を取り付け、下のベッドにエンジンのシリンダーを付ければ、シリンダーのボーリング(ボアアップ)も出来てしまいます。
写真ではベットの上にアルミ板(白い保護シートが付いた侭)が乗っています。
これが代表的な切削刃のエンドミル。穴あけと横刃を使って工作物の横面の切削。更に刃先を工作物に当てた侭で工作物を前後左右に動かして上面の切削もしてしまう、便利な刃です。
この様な形に取り付けます。金属を簡単に切削してしまう刃です。切れ味は凄いものが有って、軽く手が触れても危険。切れ味が良いので切った事に気付かないでしまいます。
以前、床の切り粉を箒ではいていました。何か床に赤い斑点。ヘッと思ったら手の甲がザックリ。痛みが無いので気付かなかったのです。
一般的に材料はハイス(高速度鋼)の無垢。高い材料ですから勿論エンドミルも高価(特に太いのは)。でも、ちょっとしたミスでいとも簡単にバキッ。これをやると一日の工賃がパー。
何度ヤッタカナー?(汗)。
工作機械を使って、精度を上げる一番の近道は工作物の取り付け。
これがいい加減では、精度の高い工作は不可能です(ですからベッドの掃除が大切)。
今回は5mm厚の板の加工。ベッドの面はキッチリと精度が出ています。
此処にアルミ板の端を合わせます。平面をシッカリと出した金属をあてがい、取り付け位置を合わせます。
取り付けると言っても角棒と違いバイスでは挟めません。
この様な時は、爪を使ってベッドに取り付けます。
その爪の部分のアップです。ベッドの溝の中からボルトが出ています。ベッドの溝は凸の形をしています。内部に凸型の雌ネジを入れ、其処にボルト(高張力ボルト)をねじ込み、上は爪の中を通り、ナットで締め上げ。
爪の前は工作物、後ろはギザギザの付いた金具で止めます。
工作物がアルミですので、其の侭締め付けると、爪の痕が付いてしまうので、爪とアルミの間に銅板を挟んでいます。
此処までの下準備が出来て、初めて切削が開始出来ます。どんな仕事も下準備が一番大切。フライス作業で切削している時間は大した事は有りません。工作物のセッティングが一番大切なのです。腕の良いと言われるのは、早く精度良くセッティングが完了する事と思っています。
エンドミルは1400rpmで回転していますが、ストロボでの撮影ですので止まって見えます。ベッドの移動速度は88mm/minです。
回転数と送り速度の選びも経験の差が出るところです。
まだまだ続きます(笑)。
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すごいなあ
kunitan いや、すごいですね。10mm厚のアルミ板を88mm/minのスピードで一回で切れるのですか、何回かなぞってきるのですか?切断面はこれだけできれいになりますか、仕上げ加工が必要ですか?
一度見せていただきたいですね。こんどコーヒー飲みにお邪魔させていただきます。
このブログは下町の跡取りのいない金型職人さんの悲哀がよく出ていて、超お勧めですm(--)m
無題
ピンキー この速度は量産をしている人達には『ナニノロノロやってんだよ、怒。』って速度だと思います。
僕の場合、速さより仕上がり面の綺麗さを気にしていますので。
削る深さにもよりますが、今回は1mm前後ですので一発で仕上がります。
BMの後釜(ST良いですよ、笑)が見つかりましたら是非お出かけ下さい。
跡取りのいない金型職人さんの悲哀
青ちゃん(mini4312) >このブログは下町の跡取りのいない金型職人さんの悲哀がよく出ていて、超お勧めですm(--)m
これとても面白いです!!
私も趣味の跡取りがおりません。
跡取り
ピンキー エーー。この店を開ける時に自分で決めた事。
人は使わない(従業員は雇わない)。
子供には跡を継がせない。
あの時は長女がお腹の中。勿論男女の区別は付いていませんでした。
でないと、こんな店続けられません。
でも、最近は自分が引退する時誰がこの装置とレコードを持って行くんだろう?ナンテ気に成ってます(笑)。
kunitan いや、すごいですね。10mm厚のアルミ板を88mm/minのスピードで一回で切れるのですか、何回かなぞってきるのですか?切断面はこれだけできれいになりますか、仕上げ加工が必要ですか?
一度見せていただきたいですね。こんどコーヒー飲みにお邪魔させていただきます。
このブログは下町の跡取りのいない金型職人さんの悲哀がよく出ていて、超お勧めですm(--)m
無題
ピンキー この速度は量産をしている人達には『ナニノロノロやってんだよ、怒。』って速度だと思います。
僕の場合、速さより仕上がり面の綺麗さを気にしていますので。
削る深さにもよりますが、今回は1mm前後ですので一発で仕上がります。
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私も趣味の跡取りがおりません。
跡取り
ピンキー エーー。この店を開ける時に自分で決めた事。
人は使わない(従業員は雇わない)。
子供には跡を継がせない。
あの時は長女がお腹の中。勿論男女の区別は付いていませんでした。
でないと、こんな店続けられません。
でも、最近は自分が引退する時誰がこの装置とレコードを持って行くんだろう?ナンテ気に成ってます(笑)。
この記事へのコメント
いや、すごいですね。10mm厚のアルミ板を88mm/minのスピードで一回で切れるのですか、何回かなぞってきるのですか?切断面はこれだけできれいになりますか、仕上げ加工が必要ですか?
一度見せていただきたいですね。こんどコーヒー飲みにお邪魔させていただきます。
このブログは下町の跡取りのいない金型職人さんの悲哀がよく出ていて、超お勧めですm(--)m
一度見せていただきたいですね。こんどコーヒー飲みにお邪魔させていただきます。
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この速度は量産をしている人達には『ナニノロノロやってんだよ、怒。』って速度だと思います。
僕の場合、速さより仕上がり面の綺麗さを気にしていますので。
削る深さにもよりますが、今回は1mm前後ですので一発で仕上がります。
BMの後釜(ST良いですよ、笑)が見つかりましたら是非お出かけ下さい。
僕の場合、速さより仕上がり面の綺麗さを気にしていますので。
削る深さにもよりますが、今回は1mm前後ですので一発で仕上がります。
BMの後釜(ST良いですよ、笑)が見つかりましたら是非お出かけ下さい。
>このブログは下町の跡取りのいない金型職人さんの悲哀がよく出ていて、超お勧めですm(--)m
これとても面白いです!!
私も趣味の跡取りがおりません。
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エーー。この店を開ける時に自分で決めた事。
人は使わない(従業員は雇わない)。
子供には跡を継がせない。
あの時は長女がお腹の中。勿論男女の区別は付いていませんでした。
でないと、こんな店続けられません。
でも、最近は自分が引退する時誰がこの装置とレコードを持って行くんだろう?ナンテ気に成ってます(笑)。
人は使わない(従業員は雇わない)。
子供には跡を継がせない。
あの時は長女がお腹の中。勿論男女の区別は付いていませんでした。
でないと、こんな店続けられません。
でも、最近は自分が引退する時誰がこの装置とレコードを持って行くんだろう?ナンテ気に成ってます(笑)。
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