平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
エーー、写真を撮り忘れた(汗)。

今回の仕事は30年以上前に作ったアンプのオーバーホール。
LUXKITのA3700シャシキットを2台使った2A3シングルモノラルアンプ。

初段管に5692を使った力作(まあ肩に力が入っている事、笑)。
片chの5692が息も絶え絶え。2A3は元気だけれどゲッターの残りが少ない。

そう言う訳で、2A3と5692の交換。序でに(これが大切)球の動作点の見直し。

まず5692、市場での価格べらぼう過ぎ。それ程の球じゃない。
そんな訳でソケットアダプターを旋盤で挽き、USソケットをMT9ピンソケットに交換。
其処に使い慣れているECC82を挿します。5692と規格は略同じなんですね。

2A3もプレミア価格のオールド品は却下。現在作られている2A3と言う事でJJを採用。

アンプ内、異常は無いんだけど今と球の動作点が全然違う(当時はMJの記事やLUXのアンプを参考に動作点を選んでいた)。
抵抗は全て撤去(アーレンブラットレイ)。其れを最新の抵抗器に交換。勿論値も違います。
電卓で軽く計算。其の値よりも安全を見て電流値の少なくなる抵抗を入れ電流値のチェック。
一発でOKの所も有るし、予想と違う所も・・(勿論想定内)。

其処を予定の電流値になる様に調整。アンプ作りでとっても大切な作業です。

此処迄の調整は今まで付いていた古い2A3で行う(新しい2A3の入荷がまだ、笑)。
全て終わったらヤマトのお兄ちゃん。荷物ですよー。

ダンボールに入っているんだけど、2A3が2本入っているにしては重い。
何だろう?
梱包を解くとウッソーって位でっかくて重い2A3が出て来た。

オイオイ、300Bだろう。

成る程ね、JJは300Bも作っている。部品の共通化を計り300Bをベースに内部構造の違いで2A3の特性にしてしまった様。

有る意味、この方が正解。電極容量が300B並みなので2A3の動作点なら余裕しゃくしゃくの筈。

ガラスもムチャ分厚くてズッシリ。

こいつに差し替えて、動作点の再チェック。見事オリジナル2A3と同じ。

このアンプを昨日納品して来ました。
音が出た瞬間、オーナーはニコニコ。
余計な付帯音(直熱管は出易い)が見事に無い。電極の強度も高そうだしガラスが厚いので、無駄な共振が出難いんだと思う。

球の動作点変更も勿論効いている。30年前のアンプが最新型に生まれ変わった瞬間です。




僕は真空管アンプにノスタルジーを求めていませんので(笑)。
正直なアンプを作るには半導体よりも真空管の方が向いている。と言う理由だけです。
(特にスピーカーと言う摩訶不思議な素子を駆動するには)

更に追記。
技術は進歩しています(絶対に間違いなく)。過去のパーツに拘っている人、技術の進歩を理解していませんね。
勿論現在作られている真空管には儲けを目的としたトンでもが多々(僕の目には殆どが)見受けますが、真剣に作っている製品は過去の真空管を凌いでいます。真空管に限らず全てのパーツも同様です。
で、儲け主義のトンでもパーツと真面目なパーツの見分け方。
ハハ、授業料をタップリと払って下さい(僕は払いましたよー)。そうするとおのずと見えて来ます。
ネットでの情報。授業料を払っている人、見受けられませんね(授業料をはらっている人は絶対に書かないでしょうし)。
タダで情報を手に入れようとしても無駄なんですよ。

ああ、雑誌記事ですか?
自腹を切っていないので信用出来ません。まあ記事の度に自腹を切ったら持たないのは判りますけどね。
自腹を切らないと本音って書けないじゃないですか(笑)。

気に成る装置(アンプでもスピーカーでも)が出た。何処かへ行って試聴。もうこの時点でアウト。
其の試聴の現場。残念ながらアンプだけの音、スピーカーだけの音って絶対に判らない。其の場所でセットして有るトータルの音しか・・・(販売店から持ち込まれて自宅で聴いても良い物ほど本性を表しません、2~3週間貸し出されたのならチョットは判るでしょうが)。
気に成る装置が現れたのなら、買って家に持ち込まないと真実は判りません。
僕だってオイロダインを一度も聴かないで買っています(あ、オイロダインを買うのに銀行で5年ローンを組んでいます、其の位の情熱が無ければオーディオは語れませんよね、笑)。
聴いてから買った物って・・・・・。まあ5%以下ですね。
昔から言うじゃないですか。馬には乗ってみよ、人には添うて見よ。って・・・・・・。
失敗を恐れて他人の(ネットの)意見で行動する人。僕とは絶対に合わない人って思っています(此処を読んでドキッとした人いますよね、笑)。

ちなみにWE300B(勿論使っていますよ)を僕が貰ったら即ヤフオクですね(大笑)。

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