平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
今日はECC99の動作点変更でてんやわんや。

具体的に書きますね。

今回の調整はEQ段です。要はフォノイコライザーの調整です。
構成は、初段がECC82、2段目と3段目がECC99。
段間が二箇所有りますので、其々の段間にロールオフとターンオーバーが其々入っています。

一般にはロールオフ、ターンオーバーが一緒に挿入(ECC83で作ると段間は一箇所ですから)。

僕の考えですと、ECC83でCRイコライザーを動作させるのは無理。
イコライザー素子よりも、83の出力インピーダンスが・・・・・。

僕のイコライザー段は3段増幅。

1段ごとに独立電源なら簡単です(此れが理想)。
でも、そんな事をしたら、コストはとんでもなく・・・・・・。

そんな訳で、同じ電源から3段へ供給。
電源のインピーダンスがゼロなら問題なし。

実際にはインピーダンスを持っている。

要は、ある段の電流を増やすと、電源電圧が下がります。
結果、丁度良い動作点の段は、電源電圧が下がるので電流値が下がってしまうんですね。

要は、ヤジロベー状態。

一箇所を合わせると、先に合わせた段も再調整。
此れの繰り返しなのです。
メンドイんですけど、手を抜けない調整なのです。

片chの動作点の設定で時間切れ。

ハイ、反対chは今回の抵抗値に組むだけですので簡単。


で、今日一生懸命に合わせた動作点。
音の良い動作点かは、試聴以外有りません。
今回程度の変更では、測定では一切出ません。

まず測定。徹底的に詰める。
測定では差の出ない範囲で、初めて試聴。

測定をしないで試聴だけで決めますと、泥沼に嵌まりますよ。

昔、昔。試聴だけでアンプを作っている方と知り合いました。
同じ地方に住むオーディオマニアのアンプを、殆ど作っていたのです。
ある時、僕の納品したカートリッジ(SPU)が不良との連絡。

何故かと言うと、カートリッジを外すとハムが減る。
原因は、カートリッジではなく、その方の組んだアンプのアースの引き回しに問題が有ったのです。
基本理論をキッチリと勉強していれば判った筈。
聴感だけで装置を弄くっている方が嵌まってしまうオーディオの罠です。

基本。聴感は測定の後。測定をしないで聴感での判断での話は、僕は真剣に聞きません。

昔書いたD電源。組む前に僕の組んだ状態での電気的なチェック。組んだ後のチェックで比べたら、あんな事故はあり得ません。
基本的な測定もしないで組み込んだ。
個人的な改造は勝手ですけど、人様からお金を貰う仕事では有りません。

昔、マッキンやマランツの改造(修理)を結構頼まれました(現在は断っています)。
手を掛ける前に、ノーマル状態の電気特性を徹底的に測定しました。
其れをしない改造なんてあり得ません。

アーー、更に・・・。
昔付き合っていた、超高額(超高級ではない、単に高額)のアンプを沢山輸入していた商社(高額だから、雑誌への広告量は半端ではなく、勿論評論家への・・・・ナイショ)。
その商社の中心的人物(兄弟でした、笑)と結構付き合っていたのですね。
まあ、向こうは営業成績を上げたかったのでしょうけど・・。

で、有る時に修理品をその商社へ持ち込みました。
タイミング良く、その兄弟は留守・・。
直接修理担当者へ・・・・・。

まあ、色々な世間話。
その中に出た言葉・・・。
修『エッ、電源にインピーダンスが有るんですか?』

要は、インピーダンスって、スピーカーやカートリッジの様なコイルにだけ有ると思っていた様で・・・・・。
ハイ、実情はこんなものです。
此の商社の輸入品を目一杯持ち上げていた雑誌S。

色々と有るんですよ。

そんなこんなで、オーディオ雑誌は一切購入しなくなりました(20年近く購入していないかと)。

極内輪のお客様には、このS社が潰れたら、赤飯を炊いて祝うって・・・(笑)。

更に更にの追記。
今回の動作点変更。実は此の動作点・・・。
昔使っていた、真っ赤なパネルのプリアンプ。
手放す前に、今回と同じイコライザー2,3段目はECC99へ変更済み。
その時と同じ動作点を狙っています。
最初から、同じにすれば良かったのに・・・・・。

で、なんで梃子摺っているのか・・?
ハイ、電源トランスのB電圧が違うのです。
電源電圧が違っても、真空管の動作点は同じにする。
まあ、やって見て下さい。結構メンドイんで・・。

気付きました?電源電圧が違っても真空管の動作点は同じ・・。
前回の方が電圧は高かったのです。
と言う事は、途中での電圧調整の抵抗値が下がった。
抵抗値が下がったと言う事は、各段が電源を通じて、正(負)帰還が掛かり易くなった(高い抵抗値に合わせた小容量のコンデンサーで組みましたから)。

此れが発振の原因です。

たかが電源電圧、されど電源電圧なんですね。

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