トンアームの完成と同時に3本の受注。
嬉しかったですね。
開発期間の売り上げは、勿論ゼロ。サラリーマンと違い、その間の固定費は数十万円。
正直に言っちゃいますと、次回の車の買い替えの為に、少しずつ貯めていた定期預金を崩しての資金繰り。
アームが失敗に終ったら・・・・・・・。背水の陣だったのです。
予定としては20万円位で出したかったのですが、どんなに頑張っても1ヶ月に3本が限度。
僕の店の1ヶ月の必要経費÷3で値段を決定しました(汗)。
馴染みのお客さんを中心に、少しずつですが売れてきて・・・・・・・。
10本目ぐらいのお客様だったですかね。右手が不器用なのでアームリフターが欲しい。のリクエスト。
練習すれば、の僕の声に貸す耳もなし。
仕方ないなー。あるメーカーからリフターだけを部品で取り寄せ。
何とか格好を付けて納品。
出て来た音には、勿論喜んで戴けたんですが・・・・・・・・・・。
外周一周目が聞けない。
つまり手で下ろす場合は、無意識に溝を探して下ろします。
リフターにはそんな器用な事は出来ない。
針がレコード面に降りる。瞬間インサイドフォースが掛かる。針は内側に引かれて・・・・・・・。
外周1周だけ飛ばしちゃうんです。
インサイドフォースキャンセラーを作ってくれ。勿論頼まれました。
でも、僕の今迄の経験で、インサイドフォースを掛けて音の変わった事を知らない。と言うか、良く成ったのを知らない。
メーカー指示通りに掛けると悪さをする場合も。
ですから僕は、『アームの調整で、インサイドフォースキャンセラーはメーカー指示の半分にして下さい。』と常に言っていた。
つまり悪さはするが、良い事は無い。
勿論キャンセラーの意味は知っています。理論的に十分理解しています。でも現実には要らない。
必要の無い物を付けて値段を上げるのは、大嫌いなピンキー君だったのです。
でも、今度ばかりは仕方が無いか・・・・。
やっと重い腰を上げて、キャンセラーの製作。
勿論ウェイトは必要最小限の重さ。
取り合えず店のプレーヤーに取り付け。他の仕事をしながらの試聴。そりゃそうです、良く成る期待ゼロなんですから。
ところが・・・・・・・・。
様子が違う。意識的に聞いているんじゃないのに、何か違う。
付帯音が減った。音の切れが良く成った。
マサカ・・・・・・・・。
視聴用のプレーヤーはもう一台ある。こいつにも付けてみよう。
今度は真面目に試聴。
先のプレーヤーと同じ結果。
・・・・・・・・・・・・・・・。
こう成ると、俄然勢いのつくピンキー君。
SMEのウェイトを天秤で正確に測る。軸受け中心から糸を掛ける位置までの距離の測定。
これで、モーメントが計算出来る。
取り合えずSMEと同じモーメントのウェイトを作成。
大失敗。音がぼけて使い物に成らない。
最初のウエイトとSMEタイプとの間のウエイトを何種類か作成。
1個ずつ試聴。
面白い。キャンセラーでこんなに音の変わった(良く成った)アームは初めて。
最終的に1個のウェイトを選んだが、まだ油断は出来ない。
僕のアームを使っている常連さんに貸し出し。
ウエイトも何種類か。其処で大切な事。僕の店で一番良い結果の出たウェイトを絶対に教えない。
教えると、先入観で僕と同じ結果が出てしまう。
数日後。其の方の選んだウェイト。僕と同じ物。重過ぎる場合、軽過ぎる場合の音の変化のレポートも僕と同じ。
其れと同じ重量のウェイトを付けたキャンセラーを、最初に頼まれたお客様の所へ設置。
お客様、大喜び。
で、今回の顛末を報告したら・・・・・。
『オレのお陰だろー、感謝しなくちゃ駄目だよ。』
ピンキー君、平身低頭。
続く
嬉しかったですね。
開発期間の売り上げは、勿論ゼロ。サラリーマンと違い、その間の固定費は数十万円。
正直に言っちゃいますと、次回の車の買い替えの為に、少しずつ貯めていた定期預金を崩しての資金繰り。
アームが失敗に終ったら・・・・・・・。背水の陣だったのです。
予定としては20万円位で出したかったのですが、どんなに頑張っても1ヶ月に3本が限度。
僕の店の1ヶ月の必要経費÷3で値段を決定しました(汗)。
馴染みのお客さんを中心に、少しずつですが売れてきて・・・・・・・。
10本目ぐらいのお客様だったですかね。右手が不器用なのでアームリフターが欲しい。のリクエスト。
練習すれば、の僕の声に貸す耳もなし。
仕方ないなー。あるメーカーからリフターだけを部品で取り寄せ。
何とか格好を付けて納品。
出て来た音には、勿論喜んで戴けたんですが・・・・・・・・・・。
外周一周目が聞けない。
つまり手で下ろす場合は、無意識に溝を探して下ろします。
リフターにはそんな器用な事は出来ない。
針がレコード面に降りる。瞬間インサイドフォースが掛かる。針は内側に引かれて・・・・・・・。
外周1周だけ飛ばしちゃうんです。
インサイドフォースキャンセラーを作ってくれ。勿論頼まれました。
でも、僕の今迄の経験で、インサイドフォースを掛けて音の変わった事を知らない。と言うか、良く成ったのを知らない。
メーカー指示通りに掛けると悪さをする場合も。
ですから僕は、『アームの調整で、インサイドフォースキャンセラーはメーカー指示の半分にして下さい。』と常に言っていた。
つまり悪さはするが、良い事は無い。
勿論キャンセラーの意味は知っています。理論的に十分理解しています。でも現実には要らない。
必要の無い物を付けて値段を上げるのは、大嫌いなピンキー君だったのです。
でも、今度ばかりは仕方が無いか・・・・。
やっと重い腰を上げて、キャンセラーの製作。
勿論ウェイトは必要最小限の重さ。
取り合えず店のプレーヤーに取り付け。他の仕事をしながらの試聴。そりゃそうです、良く成る期待ゼロなんですから。
ところが・・・・・・・・。
様子が違う。意識的に聞いているんじゃないのに、何か違う。
付帯音が減った。音の切れが良く成った。
マサカ・・・・・・・・。
視聴用のプレーヤーはもう一台ある。こいつにも付けてみよう。
今度は真面目に試聴。
先のプレーヤーと同じ結果。
・・・・・・・・・・・・・・・。
こう成ると、俄然勢いのつくピンキー君。
SMEのウェイトを天秤で正確に測る。軸受け中心から糸を掛ける位置までの距離の測定。
これで、モーメントが計算出来る。
取り合えずSMEと同じモーメントのウェイトを作成。
大失敗。音がぼけて使い物に成らない。
最初のウエイトとSMEタイプとの間のウエイトを何種類か作成。
1個ずつ試聴。
面白い。キャンセラーでこんなに音の変わった(良く成った)アームは初めて。
最終的に1個のウェイトを選んだが、まだ油断は出来ない。
僕のアームを使っている常連さんに貸し出し。
ウエイトも何種類か。其処で大切な事。僕の店で一番良い結果の出たウェイトを絶対に教えない。
教えると、先入観で僕と同じ結果が出てしまう。
数日後。其の方の選んだウェイト。僕と同じ物。重過ぎる場合、軽過ぎる場合の音の変化のレポートも僕と同じ。
其れと同じ重量のウェイトを付けたキャンセラーを、最初に頼まれたお客様の所へ設置。
お客様、大喜び。
で、今回の顛末を報告したら・・・・・。
『オレのお陰だろー、感謝しなくちゃ駄目だよ。』
ピンキー君、平身低頭。
続く
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック