平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
昨日から、暫くぶりにターンテーブル駆動用のギヤボックスの製作へ。

材料はアルミの6061。

厚み50mmの板から、必要なサイズに切断してもらい、正確な寸法にフライスで仕上げます。

で、もう少しで基準寸法になる所で、正確に測定。

エッ・・・・・・・。

切削面の平行が出ていない(100分台ですが)。 まさか・・・・・。

参りました。買って来た板の厚み方向の平行度が、微妙に狂っているのです。

こんな時の方法。

両面のうち、どちらかに基準面を決めます。

基準面をバイスの固定爪側に置き、稼動爪側には、3mmの銅版を挟みます。

こうすると、固定爪側に基準面が出来、ほんの少しの狂いは銅版の柔軟性で吸収してしまうんですね。

こんな方法、ダレも教えてくれません。

失敗しながら覚えるのです。

でも、未だ削り代が残っているうちに見つけてホッ。

無事、削り終えて、チョイ休憩。頭を冷やさなくちゃ。

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今朝一で、アルミ屋さん。プーリーの材料を買いにです。

この世界は、スピードが命。月曜の発注で、火曜日に入ってきます。

貰ってきたら、早速旋盤へ。

何の仕事もそうですが、同じ仕事を続けてやった方が、効率良く進めます。

出来上がったプーリー。

50or60

小さい方は先日作った60Hz用。大きい方が今日作った50Hz用。

どちらも中心にワンウェイクラッチを内蔵。

このクラッチ、回転方向が決っていますので、もし間違えて挿入したら・・・・・・・。

今日一日の仕事がパー。

何度も確認してからの挿入です。

さて、もう一個・・。

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プーリー完成

急遽舞い込んだ、60Hzプーリー。
頑張りました。

旋盤は立ちっぱなしで、尚且つ中腰の姿勢を長時間。

チョイ、腰に来ました(歳の所為では有りません、キッパリ)。

まあ、頑張った甲斐もあって、無事完成。

勿論、中心にはワンウェイクラッチが入っています。

プーリーの溝径よりも、神経を使うのが中心の穴。
正直、溝径は0,1mm違っても、速度偏差は0,1%以内。
この偏差は、十分に検知外。
旋盤仕事で、外径の0,1mmの偏差が許される仕事は、鼻歌交じり。

問題は中心の穴径。
誤差2/100以内・・・・。

しかも、穴径を正確(1/100mm)に測れる測定器は無いのです。

其の為、限界ゲージを作ったのは、過去にアップしました。

今回も大活躍。
此れが無かったら、2~3個作って使えるのは1個、なんて成りかねません。

でも、昨日のBLOGを見て、『自分にも2スピードのプーリーを作って欲しい。』って電話が入りましたので、当分頑張るようです(笑)。

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昨日夕方、突然のメールが・・・・・・。
30年来の友人から、突然長期出張になった。の知らせ。

今迄の出張と違い、本当の長期になる様子。

引越し大変だなーと思っていたら、続いてのメール。

『60Hz地方なので、プレーヤーの回転数が変わってしまう。』

オオそうだ。と言う事は、ギヤボックスのプーリーと進相コンデンサーを換えないと使えない。

しかも45回転も使いたい。

慌てて図面を引きました。

頑張らねば

段違いの二段プーリーの図面を引きましたが、別々の方がいいのかなー?

只今連絡待ち。勿論友人は仕事中だから直ぐの返事は無理。

メールが来たら、直ぐに旋盤に掛からなくちゃ。

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暫くぶりのプレーヤーネタです。

昨年の今頃、一生懸命に開発していたターンテーブル用ギヤボックス。

出来上がり好評を頂いています。

で、其の侭満足してしまうピンキー君では有りません。

更なる改良。

冬になり、寒くなってから、始動直後の動作音がやや大きい。
暖まると治る。ヘッ?

散々原因を探しました。
出た答えはモーターカップリング。

樹脂で連結していますので、温度が下がると樹脂の硬度が上がり、騒音に。

散々カップリングを探しました。

変わりに見つけたのが写真の物。

静かに成るか?

右が従来の物。左が今回チョイスしたもの。

交換が終り、運転開始。

ダメ、前のよりも音が大きい。
構造上、音は小さくなると思ったのに・・・・・・。

一昼夜廻しっぱなしにして、音が出なく成らないようなら・・・・・・。

授業料です。

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最後の1台の製作に入りました。
気持ちにもヤットゆとりが出て、軽くノウハウをアップ(笑)。

今回のギヤボックス。僕にとっては初めて使うパーツが目白押し。

歯車を買ったなんて初めての経験ですし・・。

まあ、普通の人は買いませんよね。

一つ作業が進むと、予期しなかった新たな問題が発生。
それを一つ一つクリアしながらの作業でした。

出来上がった作品を見ても、判らないと思いますが。

で、一番苦労したのがカップリングの調整です。

正しく言いますと、モーターシャフトとギヤボックスシャフトを如何に直線に取り付けるかと言う問題です。

ギヤボックスのシャフトの位置には自信が有るのですが、モーター側はモーターブラケットの精度が今一(イヤ、今二、今三かな?)。

カップリングはかなり厳しい精度を要求しているのに、その精度の何倍もの誤差範囲の有るモーターブラケット。

違うメーカーなら納得しますが、同じメーカーですから・・・・・・・。

ブラケットの底面も平面が出ていなくて、取り付けネジを締め付けると、位置が狂うと言う物。

ブラケットの製作も考えましたが、コストアップは避けられない。

何とか市販のブラケットで精度を維持したい。

底面をガラス板の上に置いたサンドペーパーで磨くと言う技で、何とか精度を維持。

問題は組み立て工程。

ブラケットの取り付け穴は長穴。モーターとの取り付け部もかなりのガタ。

逆にこれを利用して、位置を出します。


位置出し

位置出し中のギヤボックス。

正規のカップリングは使いません。

モーターとギヤボックスのシャフト径8mm。

カップリングの許容誤差範囲0.1mm。

アルミ丸棒に8.03mmの穴を開けて、カップリングの変わりに取り付け(差し込むだけ)ます。

ギヤボックスは、5mmのネジ4本で底板に止まっています。
ギヤボックス側にM5のタップを立て、底板側からネジで止めるのですが、底板側のネジを通す穴、5,0mm。

つまり、ガタが殆ど有りません。要するにギヤボックス側は取り付け取り外しをしても、殆ど同じ位置に取り付くのです。

このギヤボックス位置に、モーターシャフトが直線に成る様に、モーター位置を決めます。

アルミ丸棒が、抵抗なくシャフトの上を滑る位置を探すのですね。

その位置を見つけたら、モーターをシッカリ固定。
勿論、取り付けネジを締めると、すべりが悪く(位置が狂う)成りますので、ネジの締め加減を調整しながらの作業です。

と言って、ネジが締まっていなくては先々問題。要はネジが締まった所で、一番スムーズに滑る位置を探るのです。

こんな時、バイク弄っていて良かったなー。って思うんですね(笑)。

根気の要る作業です。

このギヤボックスも、ネジがシッカリ締まっていて、丸棒はスムーズに滑る位置を見つける事が出来ました。

この後、一旦ギヤボックスは取り外し。正規のカップリングに交換。
ギヤボックスは元の位置に止められますので、もう一度付け直し。

このモーターを止めているネジ。ユーザーが緩めた時は、僕は責任を取りませんと言って渡しています(笑)。

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プーリー受け

プーリーのスラスト受けを取り付けました。
単にドーナツ状の物に、イモネジを付けシャフトへ取り付けます。
普段はこのストッパーとプーリーは一緒に廻っていますので、問題は出ないのですが、電源を切りターンテーブルが慣性で廻っている状態を想像して下さい。

つまり、ストッパーは止まり、プーリーは回転しているのです。
プーリーとストッパーの間で滑らせられる構造が必要です。

その答えが赤いワッシャー。

単なるワッシャーではなく、スラスト受け専用のワッシャーです。
無潤滑で作動OKの優れ物です。

と言っても潤滑するに越した事は有りません。
良質のグリスを薄っすらと塗り、組み上げます。

プーリー

プーリーは先のストッパーに乗っているだけです。
手で廻しますと、殆ど抵抗なく廻ります。

やっとレコードが聴けますね。

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頑張った

昨日、1日頑張って作り上げました。
兎に角、穴径に神経が参ります。

でも、細い方がスルリと入り、太い方が入らないと快感(ナンノコッチャ)。

出来上がったプーリーをパーツクリーナーで綺麗に洗浄。

穴の縁の面取りをし、薄っすらと穴の中にモリブデングリスを塗る。

クラッチの外周にも薄っすらと。

穴にクラッチをあてがい、精密バイス(万力)でジワジワと圧入。

無事に入ったのが上の写真です。

実は1号機のクラッチはお客様に取られて、僕の所には有りません。
つまり、僕のところはここ数日、音が出なかったのですね(汗)。

このプーリー。シャフトに差し込むと、下迄すとんと落ちて使用不能。
シャフトにストッパーを付け、更にスラスト受けを付けて完成なのです。

さあ、これからストッパー作り。

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