旋盤加工は昨日で完成しました。
で、今日はプレーヤーの製作で一番緊張する作業。
ターンテーブル軸受けに、砲金スリーブの圧入です。
昔は焼き嵌めでやっていました。
この場合、スリーブは上から下まで繋がっている1個物。
ターンテーブル軸受けに掛かる力を考えましょう。
軸受けの構造です。赤斜線の部分が砲金製スリーブ。
上下に分かれているのが理解出来ると思います。
作る方としたら、上下一体の方が簡単です。
何故面倒な2ピースにしたのでしょう?
ターンテーブルにはDD方式でなければ、横方向の力が掛かります(糸やベルトで引かれる、アイドラーで内側から押される)。
そうすると、シャフトの上半分は糸で引かれる方向への力が掛かります。
下半分は・・・・・・。
反対側へ力が加わります。
上下で逆方向へ力が加わるのです(端ほど強い力で・・)
そう成るとシャフトの中間地点。横方向の応力は有りません。
つまり中間点には軸受けが無くても平気なのです。
勿論軸受けが有っても良いのですが、オイル攪拌ロスが出ます。
更に軸受け部のオイル量が稼げない。
同じ使用条件でしたら、オイル量は多い程良いのは理解出来ると思います。
スリーブを無くして、オイル量を増やしたかったのです。
軸受け上側。
上の凹んだ部分は、溢れたオイルを貯める所。オイルを少量入れて、シャフトを差し込みます。
直ぐに抜き取り、上のオイル溜めにオイルが無い様でしたら、足りていませんので追加。
何度か追加を繰り返し、上迄オイルが来たら適量です。
下側。
スリーブは可也奥迄圧入されています。勿論治具を作って最適位置まで圧入。
スリーブの下側は、得意のダブルボール軸受けのスペース。
穴の下側に上と同じ様な凹みを作って有るのは、此処へOリングが入ります。
適切なつぶれ代で掘って有りますので、20年以上使われている軸受けのOリングも未だに使用可能(つぶれていない)。
と言う訳で、あと何年持つか不明(笑)。
十分なストックを持っていますが、僕が死んでも大丈夫。P20と言う標準品です。
ネットでも購入出来ます。
ダブルボール構造にしてから、一切問題がなくなりました。
当初は心配で、何度か鋼球をチェック。
当った痕が見つかりません。万が一磨耗しても、鋼球の向きを変えればお終い(笑)。
交換としましても、規格品ですので1個数十円です。
鋼球は上が12mm。下が10mmです。此れもネットで購入可能。
此の軸受けで寿命を感じるのはOリングと鋼球だけです。
定期的に(最初の1年間は4ヶ月に一度、その後は2~3年に1度で大丈夫です)オイル交換さえしていただければ、他の部分の消耗は略有り得ません。
此の構造で、親子三代使えますって言っていますが、可也遠慮しています。
オイル交換だけしていただければ、半永久的に使えます。
ダブルボールのもう一つのメリット。
出来立ての軸受けは、どうしても金属粉が出ます。
此の金属粉。ボールの間の隙間に落ちますから悪さをしないのですね。
此の軸受けのたった一つの欠点。
軸受け本体と底部の中心がピッタリと合わないとヤバイ。
その辺は加工精度を上げて有りますので、個人で底を外してメンテをしても大丈夫です。
差し込む時の精度に驚かれると思います。
大事な追記。
上下分割のスリーブの場合、圧入後の中心の穴の直線性は保証出来ません。
そんな訳で、スリーブは目標値よりも小さ目の穴を開けて圧入。
圧入後にリーマで指定の穴径へ仕上げます。
最近の悩み。僕の軸受けの馴染が進まない・・・。
理由は、結構馴染んだな。と思った頃、其れで良いよ。って言って持って行ってしまうお得意さん。
もう出しません。
で、今日はプレーヤーの製作で一番緊張する作業。
ターンテーブル軸受けに、砲金スリーブの圧入です。
昔は焼き嵌めでやっていました。
この場合、スリーブは上から下まで繋がっている1個物。
ターンテーブル軸受けに掛かる力を考えましょう。
軸受けの構造です。赤斜線の部分が砲金製スリーブ。
上下に分かれているのが理解出来ると思います。
作る方としたら、上下一体の方が簡単です。
何故面倒な2ピースにしたのでしょう?
ターンテーブルにはDD方式でなければ、横方向の力が掛かります(糸やベルトで引かれる、アイドラーで内側から押される)。
そうすると、シャフトの上半分は糸で引かれる方向への力が掛かります。
下半分は・・・・・・。
反対側へ力が加わります。
上下で逆方向へ力が加わるのです(端ほど強い力で・・)
そう成るとシャフトの中間地点。横方向の応力は有りません。
つまり中間点には軸受けが無くても平気なのです。
勿論軸受けが有っても良いのですが、オイル攪拌ロスが出ます。
更に軸受け部のオイル量が稼げない。
同じ使用条件でしたら、オイル量は多い程良いのは理解出来ると思います。
スリーブを無くして、オイル量を増やしたかったのです。
軸受け上側。
上の凹んだ部分は、溢れたオイルを貯める所。オイルを少量入れて、シャフトを差し込みます。
直ぐに抜き取り、上のオイル溜めにオイルが無い様でしたら、足りていませんので追加。
何度か追加を繰り返し、上迄オイルが来たら適量です。
下側。
スリーブは可也奥迄圧入されています。勿論治具を作って最適位置まで圧入。
スリーブの下側は、得意のダブルボール軸受けのスペース。
穴の下側に上と同じ様な凹みを作って有るのは、此処へOリングが入ります。
適切なつぶれ代で掘って有りますので、20年以上使われている軸受けのOリングも未だに使用可能(つぶれていない)。
と言う訳で、あと何年持つか不明(笑)。
十分なストックを持っていますが、僕が死んでも大丈夫。P20と言う標準品です。
ネットでも購入出来ます。
ダブルボール構造にしてから、一切問題がなくなりました。
当初は心配で、何度か鋼球をチェック。
当った痕が見つかりません。万が一磨耗しても、鋼球の向きを変えればお終い(笑)。
交換としましても、規格品ですので1個数十円です。
鋼球は上が12mm。下が10mmです。此れもネットで購入可能。
此の軸受けで寿命を感じるのはOリングと鋼球だけです。
定期的に(最初の1年間は4ヶ月に一度、その後は2~3年に1度で大丈夫です)オイル交換さえしていただければ、他の部分の消耗は略有り得ません。
此の構造で、親子三代使えますって言っていますが、可也遠慮しています。
オイル交換だけしていただければ、半永久的に使えます。
ダブルボールのもう一つのメリット。
出来立ての軸受けは、どうしても金属粉が出ます。
此の金属粉。ボールの間の隙間に落ちますから悪さをしないのですね。
此の軸受けのたった一つの欠点。
軸受け本体と底部の中心がピッタリと合わないとヤバイ。
その辺は加工精度を上げて有りますので、個人で底を外してメンテをしても大丈夫です。
差し込む時の精度に驚かれると思います。
大事な追記。
上下分割のスリーブの場合、圧入後の中心の穴の直線性は保証出来ません。
そんな訳で、スリーブは目標値よりも小さ目の穴を開けて圧入。
圧入後にリーマで指定の穴径へ仕上げます。
最近の悩み。僕の軸受けの馴染が進まない・・・。
理由は、結構馴染んだな。と思った頃、其れで良いよ。って言って持って行ってしまうお得意さん。
もう出しません。
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リーマ
山居閑人 リーマは意外に芯が狂います。
特に日本製は精度が悪いですね。
六枚刃だと六角形の仕上がりになり易いし、不等ピッチか奇数刃でないと、真円は期待できないですね。
スパイラルの真面なものは、国産には無いと思います。
リーマのチャックも調整式で、刃先をピックテストでしっかり測定して固定しないと、マイクロメートルオーダーの精度や芯は期待できませんね。
圧入後、一度ボーリングすれば同軸度は出しやすくなりますね。
切削油を油性でなく水溶性にするとリーマの呼び寸になります。構成刃先が生成されなくなるようです。
無題
ピンキー 山居 さま。ご指摘有難う御座います。
ミクロンオーダーでの真円は無理ですが、ご存知の様にリーマの仕上げ面は結構粗いです。
運転でのシャフトとの馴染みを狙っています。
その様な訳で、組み立て後数日間当方で連続運転。
オイル交換後に納品に成ります。
高速回転をしませんので此れで十分と考えていますし、以前20年間使い込まれたシャフトと軸受けをチェックしました。
このぐらい使い込まれると宝物ですね。
お互いのすべり具合の手応えは・・・・。
ちなみにスパイラルリーマを使用しています。
山居閑人 リーマは意外に芯が狂います。
特に日本製は精度が悪いですね。
六枚刃だと六角形の仕上がりになり易いし、不等ピッチか奇数刃でないと、真円は期待できないですね。
スパイラルの真面なものは、国産には無いと思います。
リーマのチャックも調整式で、刃先をピックテストでしっかり測定して固定しないと、マイクロメートルオーダーの精度や芯は期待できませんね。
圧入後、一度ボーリングすれば同軸度は出しやすくなりますね。
切削油を油性でなく水溶性にするとリーマの呼び寸になります。構成刃先が生成されなくなるようです。
無題
ピンキー 山居 さま。ご指摘有難う御座います。
ミクロンオーダーでの真円は無理ですが、ご存知の様にリーマの仕上げ面は結構粗いです。
運転でのシャフトとの馴染みを狙っています。
その様な訳で、組み立て後数日間当方で連続運転。
オイル交換後に納品に成ります。
高速回転をしませんので此れで十分と考えていますし、以前20年間使い込まれたシャフトと軸受けをチェックしました。
このぐらい使い込まれると宝物ですね。
お互いのすべり具合の手応えは・・・・。
ちなみにスパイラルリーマを使用しています。
この記事へのコメント
リーマは意外に芯が狂います。
特に日本製は精度が悪いですね。
六枚刃だと六角形の仕上がりになり易いし、不等ピッチか奇数刃でないと、真円は期待できないですね。
スパイラルの真面なものは、国産には無いと思います。
リーマのチャックも調整式で、刃先をピックテストでしっかり測定して固定しないと、マイクロメートルオーダーの精度や芯は期待できませんね。
圧入後、一度ボーリングすれば同軸度は出しやすくなりますね。
切削油を油性でなく水溶性にするとリーマの呼び寸になります。構成刃先が生成されなくなるようです。
特に日本製は精度が悪いですね。
六枚刃だと六角形の仕上がりになり易いし、不等ピッチか奇数刃でないと、真円は期待できないですね。
スパイラルの真面なものは、国産には無いと思います。
リーマのチャックも調整式で、刃先をピックテストでしっかり測定して固定しないと、マイクロメートルオーダーの精度や芯は期待できませんね。
圧入後、一度ボーリングすれば同軸度は出しやすくなりますね。
切削油を油性でなく水溶性にするとリーマの呼び寸になります。構成刃先が生成されなくなるようです。
山居 さま。ご指摘有難う御座います。
ミクロンオーダーでの真円は無理ですが、ご存知の様にリーマの仕上げ面は結構粗いです。
運転でのシャフトとの馴染みを狙っています。
その様な訳で、組み立て後数日間当方で連続運転。
オイル交換後に納品に成ります。
高速回転をしませんので此れで十分と考えていますし、以前20年間使い込まれたシャフトと軸受けをチェックしました。
このぐらい使い込まれると宝物ですね。
お互いのすべり具合の手応えは・・・・。
ちなみにスパイラルリーマを使用しています。
ミクロンオーダーでの真円は無理ですが、ご存知の様にリーマの仕上げ面は結構粗いです。
運転でのシャフトとの馴染みを狙っています。
その様な訳で、組み立て後数日間当方で連続運転。
オイル交換後に納品に成ります。
高速回転をしませんので此れで十分と考えていますし、以前20年間使い込まれたシャフトと軸受けをチェックしました。
このぐらい使い込まれると宝物ですね。
お互いのすべり具合の手応えは・・・・。
ちなみにスパイラルリーマを使用しています。
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