平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
送られて来たパワーアンプ。


現在の仕様と基本的に変わらない、EL34シングルステレオパワーアンプです。
此れを作ったのは20年位前。

丁寧な配線引き回しに関心(笑)。

最近作っているアンプよりも綺麗です。
此の当時、雑誌の影響もあり、綺麗な配線に拘っていた。
逆に言うと、引き回しの大切さを今一理解していなかった。

此のアンプと比べると、今作っているアンプの引き回しの汚い事・・。
でね、汚い今の配線の方が電気的には正しいのです。

正確に言うと、電気的に正しい配線をすると綺麗な配線とは程遠く・・・・。

で、今日のネタ。
電源が入りません(パイロットランプが点かない)、と言う依頼です。
ヒューズが飛んだな。とは思ったのですが、今回のユーザー、あるお店の店長さん。
つまり、自分が欲しくて此のアンプを使っているのではなく、オーナーの好みで使っていると言う訳なんです。
つまり、オーディオに関して一切興味が無い。

その様な方に判断をして貰うと非常にヤバイ。
と言う事で、何も言わずに送って貰いました。

チェックして見ると思った通りでヒューズの断線。
この場合、ヒューズの寿命で切れたのか、他の異常で切れたのかの判断が重要です。
使っていたヒューズがリトルヒューズのスローブロゥ。
音は良いんですけど、長期の使用ではまず切れると言う問題ありのヒューズ。
当時の僕は此れに気付いていなかった。

でも万が一・・・・。

ヒューズが切れる一番の原因は電源。
電源トランスの不良を疑います。
チェック方法。


真空管を全て抜いて電源ON。
その状態での消費電力のチェックです。
数ワット(5ワット以下)でしたら正常。
と言って油断出来ません。
トランスが暖まってくると増える事が有るんですね。
この状態で数時間放置。
消費電力に変動が無ければOK。2%以上の変動が有ったらNG。

次に整流管を除いて真空管を挿し同じチェック。
真空管のヒーター消費電力と同じでしたらOK。

最後に整流管を挿し、同じチェックと各真空管の電流値のチェック。
新しいアンプでも2~3時間後。今回の様に古いアンプの場合は24時間以上。
消費電力のチェックです。

此のテストにOKが出たら、安心してお客様に渡せます。



20年程度のアンプでも此のチェックをします。
もっと古いアンプの場合は、更にのチェックが必要です。
過去の名機なんかは当然。

僕の経験で、単に音が出ているだけの名機を、イヤと言う程見て来ました。

今回のアンプをシゲシゲと見て、今のアンプと比べると配線の少なさに驚き。
今のアンプの配線がごちゃごちゃに成ったのは、配線の多さ。
回路は同じなんですよ(笑)。

答えは共通インピーダンスを徹底的に無くす(少なくするんではなく無くす)。
重箱の隅を突く配線引き回し。大切なんですよ。

拍手[3回]


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック