完成したチャンネルデバイダー。
4本並んだEL84が綺麗。
整流管の方が大きいのが・・・・・。
整流管には余裕が欲しいので、こうなってしまったのです。
まあ、整流管に優しいチョークインプットですので、かなりの長寿命なのですが・・。
チャンデバと呼んでいますが、クロス周波数を決めるデバイスは入っていません。
その部分は外付けで、自由に作れる様にしたのです。
現在市販されているチャンデバのデバイスはコンデンサーと抵抗。
抵抗には周波数への影響は有りませんから、コンデンサーだけに成ります。
コンデンサーだけですと、簡単に考えると6dB/octのカーブだけです。
つまり2段も3段も重ねて12や18を作っているのですね。
この場合、続けてコンデンサーを通すと、インピーダンスの問題で難しいのですね。
過去、有るメーカー製のチャンデバを開けました。
巧いと言うかなんと言うか・・・・・。
24dB/octのカーブです。
どうやっているのかな?
オペアンプの後にCR素子。その後オペアンプ、CR素子。此れを4段するのですね。
確かに24dB/octに成ります。
でも、オペアンプを4回も通るなんて・・・・・・・。
周波数に影響の有るパーツには、コンデンサーとコイルが有ります。
此れを使えば12dB/octは1段で出来ますね。
でも、メーカーはやりません。答えは簡単。コストアップがブレーキに。
特に、SW一つでクロス周波数を変えられるようにしたら、無駄なコイルがシャシの中にいっぱい・・。
僕は長い事、チャンデバは使わないでネットワーク派でした。
市販のチャンデバで散々苦労したんですね。
でも、ネットワークの欠点も判っています。
フルレンジの鮮度の高い再生音。此れを聞くとネットワークを取りたく成ります。
アンプとスピーカーはダイレクトに繋ぎたい。
市販のチャンデバでは不満。
過去にパッシブ型を内蔵したパワーアンプ、なんてのも作りましたが、大失敗。
改めてネットワークを考えました。
ネットワークのデバイスとしての働きは、略理想的。
でも、理想的には働かない。
なぜでしょう?
ネットワークは負荷のインピーダンスで動作点が変わります。
スピーカー・・・・・・・・。
インピーダンスの変動はとんでもないもの。
つまりネットワークにとってスピーカーって無茶ヤクザな負荷なんですね。
だったら、抵抗負荷でネットワークを働かせたら・・・。
つまり抵抗負荷のネットワークを働かせるアンプ。と言うのが今回のチャンデバの姿です。
負荷抵抗はネットワークのところにつけますので、電流変動は此処でチョン。
その後パワーアンプへ繋ぎますが、高インピーダンスですから、配線抵抗は無視できますし、此処の回路のインピーダンスは精々16Ωですので外部雑音にも凄く強い回路なのです。
今の所、理論的に拙い所を感じません。
一番の問題はコスト・・。
此処迄、頑張ったのですから、最近パワーアンプでやっている逆相パラレル動作も勿論採用。
その為、片chにパワー管出力トランスを2個使っているのです。
昨日の実験。入力を同相で加えました。
完全に同じ動作なら、出力はゼロに成ります。
実際には各素子のばらつきで若干出て来ます。
その値を測ったのですね。
1V入力で、どれくらい出たと思いますか?
勿論綺麗な正弦波では出ません。
崩れた波形で、両chともP-P間で10mV(4Ω負荷)。
優秀です。
つまり、1V入力(この入力でパワーアンプはフルパワーに成る設計)でも実際のアンプはこの程度の電流変動しか起こしません。
電源のレギュレーションが無限大に成ったのと、略同等に成るのです。
だったら、全段プッシュブルと同じじゃ・・?
ハイ、電流変動に関しては理論上そう成ります。
でもPP用のトランス。上下を完璧に対称にって巻いてあると思います?
此の辺はトランス屋さんのナイショの事でしょうね(笑)。
ちなみに僕の使っているトランス。分割巻が凄く上手く、沢山のコイルを略同じ条件に巻いています(結果逆相出力が出来る)。
試しにPPのトランスを買ってみました。
結果は・・・・・・・・・(ナイショ、汗)。
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