只今活躍中のチャンネルデバイダー。
4本のEL84に対して、不釣合いに大きい整流管。
実は・・・・・・・。
組んですぐ、周りの調整も毎日コロコロ変わっていた頃。
整流管、でか過ぎてカッコ悪ーなー・・。
テーブルの上に、小型整流管のGZ34が1本転がっていた。
差し替えてみると、音の変化が無い。
へへ、めっけ。
デザイン的にこの方が似合う。普通は音が変わる筈なのに、変化が無いんなら此れでイイヤ・・・・・。
今年の2月初めの事です。
其の侭今日まで、音楽を楽しんでいたんだけど・・・・・・。
なんか今一音楽に元気が無い。薄いベールをかぶっているみたい。
ひょっとして・・。
整流管を写真の物に交換。
ハハ、変わり過ぎ。
ベールが取れた。演奏家が目を見開いた。音楽の実在感が丸っ切り違う。
僕の最近の真空管の選び方。直熱管をどんどんなくして傍熱管へ移行する方向。
要は300Bを止めてEL34に、VT25を止めてEL84に・・・・・。
ところが整流管だけは違う。直熱管は止められない。
じゃあ、市販のアンプの傍熱管を直熱管へ交換したら・・。
絶対にやらないで下さい。整流管を痛めます(チョークインプットならOK)。
普通の市販のアンプで、電源に整流管を使っている物。僕の知る限りでは全てコンデンサーインプット。
このコンデンサーが拙い。まず40μ程度が普通。
傍熱管は此れで良いのだけれど、直熱管は此処に使えるコンデンサー。精々10μ以内。
此れを守ると整流後の電圧ががくんと落ち、他の真空管の動作点が狂います。
直熱整流管は確かに音が良い。でも使い方に、直熱管を前提のアンプ設計が必要です(電源トランスに特注品が必要、市販トランスのB電圧では使えない)。
基本的に製造も打ち切られて、あと何年この贅沢が出来るのか・・?
昨日は、数日前に弄くった、伊藤先生のアンプをお使いの方のところへ訪問です。
其れ成りに自信は有ったのですが、最後は聞いてみないと判りません。それも僕の所ではなくユーザーの所で・・・・。
僕の所でいくら良く成っても、現地で駄目では、やった意味が無いのですね。
勿論、弄った結果のレポートはユーザーの方から頂いています。
実は最初に弄った時に、ネタは2個有りました。
で、大事な事。2個いっぺんのチューンは絶対にNG。自分のアンプなら平気ですが(全て判っていますから)他人の作ったアンプは用心が必要なのです。
最初のネタは真空管の動作の変更。これもどちらが正しいと言うのではなく、僕と伊藤先生の考え方の違いです。
只、お使いの方の好みが僕の方ではないかと思いましたので・・・。
2個目のネタは先生には申し訳ない。
先生の活躍していた時代には、無かったパーツを投入したのです。
これも、良い方向へ進みました。
草葉の陰で、先生怒っているかも・・。ズルイって(笑)。
追記です。
先生のアンプの回路。本当に基本回路です。特殊な回路や特殊なパーツは一切使っていません。
早い話、LUXや上杉のアンプと同回路です。
でも、音が違う。
料理と同じです。レシピを見ても同じ味は出せません。
『アンプの音は、回路でもパーツでもなく、誰が作ったか。』
30年前から僕が言い続けた言葉ですが、今回もこの言葉の正しい事を実感しました。
其れ成りに自信は有ったのですが、最後は聞いてみないと判りません。それも僕の所ではなくユーザーの所で・・・・。
僕の所でいくら良く成っても、現地で駄目では、やった意味が無いのですね。
勿論、弄った結果のレポートはユーザーの方から頂いています。
実は最初に弄った時に、ネタは2個有りました。
で、大事な事。2個いっぺんのチューンは絶対にNG。自分のアンプなら平気ですが(全て判っていますから)他人の作ったアンプは用心が必要なのです。
最初のネタは真空管の動作の変更。これもどちらが正しいと言うのではなく、僕と伊藤先生の考え方の違いです。
只、お使いの方の好みが僕の方ではないかと思いましたので・・・。
2個目のネタは先生には申し訳ない。
先生の活躍していた時代には、無かったパーツを投入したのです。
これも、良い方向へ進みました。
草葉の陰で、先生怒っているかも・・。ズルイって(笑)。
追記です。
先生のアンプの回路。本当に基本回路です。特殊な回路や特殊なパーツは一切使っていません。
早い話、LUXや上杉のアンプと同回路です。
でも、音が違う。
料理と同じです。レシピを見ても同じ味は出せません。
『アンプの音は、回路でもパーツでもなく、誰が作ったか。』
30年前から僕が言い続けた言葉ですが、今回もこの言葉の正しい事を実感しました。
なんとなく、このブログに来られた方の検索用語を見ていましたら・・・。
『超低域発信、片ch。』と言うのが有りました。
僕はハハ~~~ン。
僕も高校時代に作ったアンプで、此れに悩まされたんですね。
僕の場合は両chでしたが。
この場合、一番考えられる原因は、デカップリングコンデンサーの不良。
僕のアンプの場合は、コンデンサー代をケチってデカップリングを入れなかった(大汗)。
でも、当時の電気科の先輩に回路を見せて相談。彼もデカップリングと気付かないで・・・・・。
で、なぜこの話題を書く気に成ったかと言いますと・・・・・・。
かなり昔(この店を開けてからですが)、EL34のPPアンプを作ったのですね(この時代はデカップリングの意味を理解)。
丁度その時期に発売になった、アンプ製作記事の多い某雑誌。執筆者も超有名。ヤハリEL34のPPアンプの製作記事が。
回路も標準回路で僕の作る物と酷似。
なんとなくその雑誌の回路図を見ていたら、電圧配分が変。有り得ない電圧が書いて有る。
ミスプリかと思い、一部を訂正。すると他の所の辻褄が合わなくなってくる。
なんか変?
よくよく見たら、デカップリング回路が入っていない。
丁度其の時、お馴染みさんが同席。
ピンキー君悪戯好き。
ピ『この回路では発信して使えないアンプだよ。』
製作途中だった自分のアンプを、雑誌と同じ回路へ変更。
簡単なアンプですから直ぐに完成。
電源をつなぐと・・・・・・・・・。
盛大にモーターポッティング。
あの製作記事通りに作った方はいたのだろうか?
後の訂正記事も無かったし。
『超低域発信、片ch。』と言うのが有りました。
僕はハハ~~~ン。
僕も高校時代に作ったアンプで、此れに悩まされたんですね。
僕の場合は両chでしたが。
この場合、一番考えられる原因は、デカップリングコンデンサーの不良。
僕のアンプの場合は、コンデンサー代をケチってデカップリングを入れなかった(大汗)。
でも、当時の電気科の先輩に回路を見せて相談。彼もデカップリングと気付かないで・・・・・。
で、なぜこの話題を書く気に成ったかと言いますと・・・・・・。
かなり昔(この店を開けてからですが)、EL34のPPアンプを作ったのですね(この時代はデカップリングの意味を理解)。
丁度その時期に発売になった、アンプ製作記事の多い某雑誌。執筆者も超有名。ヤハリEL34のPPアンプの製作記事が。
回路も標準回路で僕の作る物と酷似。
なんとなくその雑誌の回路図を見ていたら、電圧配分が変。有り得ない電圧が書いて有る。
ミスプリかと思い、一部を訂正。すると他の所の辻褄が合わなくなってくる。
なんか変?
よくよく見たら、デカップリング回路が入っていない。
丁度其の時、お馴染みさんが同席。
ピンキー君悪戯好き。
ピ『この回路では発信して使えないアンプだよ。』
製作途中だった自分のアンプを、雑誌と同じ回路へ変更。
簡単なアンプですから直ぐに完成。
電源をつなぐと・・・・・・・・・。
盛大にモーターポッティング。
あの製作記事通りに作った方はいたのだろうか?
後の訂正記事も無かったし。
昨日のお二人のコメントで、インピーダンスに付いて判っている範囲で書いて見ます。
基本はLOW出し、HI受けなのですが、この割合が重要なのですね。大幅にお互いのインピーダンスが違いますと、極端な場合は発振しますし、高域が持ち上がってきます。
僕が、此の辺を気にしだしたのはこの店を開けて直ぐ、ある技術者と知り合ったのです。コリンズ(無線機では有名ですよね)の技術者でした。船舶に無線機の取り付けなどをしていたのです。
勿論修理もしますし、仕様変更などもやっていましたから、基本技術はかなりの物を持っていました(僕愛用のハンダを教えてくれたのもこの方です)。
彼がよく言った言葉『オーディオは良いよね。技術的に間違った事をしても、この音が好き。で済んじゃうから。俺の世界でそんな事をしたらいっぺんに首だよ。』
僕も、オーディオ界の迷信や新興宗教が大嫌いでしたので、彼の言葉は身に染みました。
要は、高周波もオーディオも交流を扱っているのは同じ。只高周波では問題が起こってもオーディオ帯域は周波数が低いので、表面化しない。
で、其の頃から僕は、高周波を扱う様な態度でアンプを組み始めたのですね。
問題が表面化しないだけで、オーディオ帯域でも問題は起きている。
そう考えたのです。
其の考えは正しく、其の方向でアンプを作ると、間違いなく良い物が出来ました。高周波の感覚で考えると、電線は抵抗だしコイルだしコンデンサーなのです。
そう考えたら、アース母線なんか絶対に出来ません。
話が飛んじゃいましたね。LOW出しHI受けです。
トランスで考えますね。
問題はトランスの前段の出力インピーダンスと、トランスの出力を受ける段の入力インピーダンスです。
僕愛用のトランスには、一般に書かれている一次側と二次側のインピーダンスが表示されていません。
此れが正しいのです。トランスのインピーダンスなんて受け側の入力インピーダンスでどうとでも成ってしまうのですから。
最近、一次インピーダンス□kΩ。二次インピーダンス△kΩなんて書いて有るトランスを見ると、背筋が寒くなります。
でもトランスにはインダクタンスは有りますよね。このインダクタンスで前段の出力インピーダンスが制限されます。
要は○kΩ以下の出力インピーダンスの前段に繋いで下さい。と言う書き方に成ります。
で、この時じゃあ低ければ良いのかと言いますと、低過ぎると、二次側に出る信号の高域にピークが出るのですね。
此れを防ぐのがターミネーター抵抗です。
ですから、『二次側に入れる抵抗は何kΩが良いですか?』ナンテ質問はナンセンスなのです。前段の出力インピーダンスが判らないのですから。
つまりパワーアンプの入力にトランスを入れたとしますね。
この場合、繋ぐプリアンプの出力インピーダンスによってトランス二次側のターミネーター抵抗値は変ってくるんです。
今回の僕のチャンデバ。目茶低い出力インピーダンスです。受けるパワーアンプの入力インピーダンスが重要に成ってくるのですね。
で、実践編です。
基本的にトランス結合をしたいのでしたら、発信器、ミリバル、オシロスコープの3種は必要と理解して下さい。聴感上での調整は不可能です。
例として、パワーアンプの初段とパワー段の間をトランス結合したとします。
パワーアンプの入力に発信器の正弦波を加えます。
段間トランスの二次側の周波数特性を、オシロで見るのですね。
この時、チェックするのは高域の肩特性。なだらかに下がるのでしたらOK。高域にピークが見られたら二次側にターミネーター抵抗を入れ、肩特性がなだらかに成る様に、抵抗値を調整するのです。
一台のアンプなら此れでお終いですが、大変なのはアンプの入力トランス。
どんなアンプが其の前に繋がれるのか判らないのですね。
この場合は、実際に繋ぐアンプを繋いで、先と同じ方法で実測以外有りません。
CR結合でも同じです。前段の出力インピーダンスに見合ったグリットリーク抵抗を選ばないと、トランス結合と同じ結果に成ります。
で、此れを聴感でやってしまったとしますね。
プリ初段管の後のトランスは、ハイ上がりに成ってしまっているのに気付かず、二段目の調整をしたらどうなります?
二段目はハイ下がりに調整をしてしまうでしょうね。
この様なアンプは独特のクセを持ってしまう場合が多いのです。
で、先の技術者の言葉です。『オーディオは良いよね・・・・・・』
基本はLOW出し、HI受けなのですが、この割合が重要なのですね。大幅にお互いのインピーダンスが違いますと、極端な場合は発振しますし、高域が持ち上がってきます。
僕が、此の辺を気にしだしたのはこの店を開けて直ぐ、ある技術者と知り合ったのです。コリンズ(無線機では有名ですよね)の技術者でした。船舶に無線機の取り付けなどをしていたのです。
勿論修理もしますし、仕様変更などもやっていましたから、基本技術はかなりの物を持っていました(僕愛用のハンダを教えてくれたのもこの方です)。
彼がよく言った言葉『オーディオは良いよね。技術的に間違った事をしても、この音が好き。で済んじゃうから。俺の世界でそんな事をしたらいっぺんに首だよ。』
僕も、オーディオ界の迷信や新興宗教が大嫌いでしたので、彼の言葉は身に染みました。
要は、高周波もオーディオも交流を扱っているのは同じ。只高周波では問題が起こってもオーディオ帯域は周波数が低いので、表面化しない。
で、其の頃から僕は、高周波を扱う様な態度でアンプを組み始めたのですね。
問題が表面化しないだけで、オーディオ帯域でも問題は起きている。
そう考えたのです。
其の考えは正しく、其の方向でアンプを作ると、間違いなく良い物が出来ました。高周波の感覚で考えると、電線は抵抗だしコイルだしコンデンサーなのです。
そう考えたら、アース母線なんか絶対に出来ません。
話が飛んじゃいましたね。LOW出しHI受けです。
トランスで考えますね。
問題はトランスの前段の出力インピーダンスと、トランスの出力を受ける段の入力インピーダンスです。
僕愛用のトランスには、一般に書かれている一次側と二次側のインピーダンスが表示されていません。
此れが正しいのです。トランスのインピーダンスなんて受け側の入力インピーダンスでどうとでも成ってしまうのですから。
最近、一次インピーダンス□kΩ。二次インピーダンス△kΩなんて書いて有るトランスを見ると、背筋が寒くなります。
でもトランスにはインダクタンスは有りますよね。このインダクタンスで前段の出力インピーダンスが制限されます。
要は○kΩ以下の出力インピーダンスの前段に繋いで下さい。と言う書き方に成ります。
で、この時じゃあ低ければ良いのかと言いますと、低過ぎると、二次側に出る信号の高域にピークが出るのですね。
此れを防ぐのがターミネーター抵抗です。
ですから、『二次側に入れる抵抗は何kΩが良いですか?』ナンテ質問はナンセンスなのです。前段の出力インピーダンスが判らないのですから。
つまりパワーアンプの入力にトランスを入れたとしますね。
この場合、繋ぐプリアンプの出力インピーダンスによってトランス二次側のターミネーター抵抗値は変ってくるんです。
今回の僕のチャンデバ。目茶低い出力インピーダンスです。受けるパワーアンプの入力インピーダンスが重要に成ってくるのですね。
で、実践編です。
基本的にトランス結合をしたいのでしたら、発信器、ミリバル、オシロスコープの3種は必要と理解して下さい。聴感上での調整は不可能です。
例として、パワーアンプの初段とパワー段の間をトランス結合したとします。
パワーアンプの入力に発信器の正弦波を加えます。
段間トランスの二次側の周波数特性を、オシロで見るのですね。
この時、チェックするのは高域の肩特性。なだらかに下がるのでしたらOK。高域にピークが見られたら二次側にターミネーター抵抗を入れ、肩特性がなだらかに成る様に、抵抗値を調整するのです。
一台のアンプなら此れでお終いですが、大変なのはアンプの入力トランス。
どんなアンプが其の前に繋がれるのか判らないのですね。
この場合は、実際に繋ぐアンプを繋いで、先と同じ方法で実測以外有りません。
CR結合でも同じです。前段の出力インピーダンスに見合ったグリットリーク抵抗を選ばないと、トランス結合と同じ結果に成ります。
で、此れを聴感でやってしまったとしますね。
プリ初段管の後のトランスは、ハイ上がりに成ってしまっているのに気付かず、二段目の調整をしたらどうなります?
二段目はハイ下がりに調整をしてしまうでしょうね。
この様なアンプは独特のクセを持ってしまう場合が多いのです。
で、先の技術者の言葉です。『オーディオは良いよね・・・・・・』
昨日の問題。答えは判りましたでしょうか?
ヒントとして、前にコイルのインピーダンスの事を書いたと思います。
インピーダンスは巻き数の2乗倍に成ると・・。
つまり二倍巻けばインピーダンスは4倍に、3倍巻けば9倍に成るのですね。
と言う事は今回はインピーダンスが2倍。と言う事は巻き数は√2倍。
電圧は巻き数に比例しますから√2倍、つまり約1,4倍と言うのが答えです。
また、こんな考え方も出来ます。
真空管アンプ(OPT付き)の場合、スピーカーのインピーダンスに対して最大出力は変りませんよね。つまり8Ωに対しても、16Ωに対しても最大出力は同じです。
計算し易いように、最大出力8Wとしましょう。
8Ωに対して8Wですから、この時の出力電圧は8Vです。
オームの法則から8Ωに8V掛ければ1Aの電流が流れ8V×1Aですから8Wと成ります。
16Ωの時でも8Wですので、8Vの出力では0,5Aしか流れません。
と成ると、出力は4Wしか出ない事に成ります。
真空管アンプのOPT(出力トランス)の回路を思い出して下さい。
8Ωよりも16Ωの方が、二次コイルの巻き数が多いですよね。
トランスの原理で、巻き数と電圧は正比例します。
つまり、16Ωの方が巻き数が多い分電圧は高いのですね。
此処でオームの法則を駆使して16Ωで8Wの出力に成る電圧を計算してみましょう。
今回は電圧だけを求めます。
A(電流)×V(電圧)=8W
V÷16(Ω)=A
上の式のAの所に、下の式を当てはめると
V÷16×V=8
Vの2乗÷16=8
16を右に移行すると
Vの2乗=128
V=11,3V
中学校で習った二次方程式です。
此れを解けば約11,3V。つまり8Vの√2倍に成ります。
つまり8Ωに対して16Ωの巻線は√2倍巻いてあると言う事に成ります。
そう成ると4Ω巻線は16Ωの半分の巻き数ですね。
兎に角、コイルの巻き数が倍に成るとインピーダンスは4倍。
巻き数の2乗倍。此れを理解すると、トランスの使い方が上手に成って来ます。
こんな感じで、真空管アンプは真空管の動作原理とオームの法則を確実に理解すれば、90%理解出来ます。
で、このオームの法則を、本当に理解している人って、意外と少ないのに驚く事が多いのです。
ヒントとして、前にコイルのインピーダンスの事を書いたと思います。
インピーダンスは巻き数の2乗倍に成ると・・。
つまり二倍巻けばインピーダンスは4倍に、3倍巻けば9倍に成るのですね。
と言う事は今回はインピーダンスが2倍。と言う事は巻き数は√2倍。
電圧は巻き数に比例しますから√2倍、つまり約1,4倍と言うのが答えです。
また、こんな考え方も出来ます。
真空管アンプ(OPT付き)の場合、スピーカーのインピーダンスに対して最大出力は変りませんよね。つまり8Ωに対しても、16Ωに対しても最大出力は同じです。
計算し易いように、最大出力8Wとしましょう。
8Ωに対して8Wですから、この時の出力電圧は8Vです。
オームの法則から8Ωに8V掛ければ1Aの電流が流れ8V×1Aですから8Wと成ります。
16Ωの時でも8Wですので、8Vの出力では0,5Aしか流れません。
と成ると、出力は4Wしか出ない事に成ります。
真空管アンプのOPT(出力トランス)の回路を思い出して下さい。
8Ωよりも16Ωの方が、二次コイルの巻き数が多いですよね。
トランスの原理で、巻き数と電圧は正比例します。
つまり、16Ωの方が巻き数が多い分電圧は高いのですね。
此処でオームの法則を駆使して16Ωで8Wの出力に成る電圧を計算してみましょう。
今回は電圧だけを求めます。
A(電流)×V(電圧)=8W
V÷16(Ω)=A
上の式のAの所に、下の式を当てはめると
V÷16×V=8
Vの2乗÷16=8
16を右に移行すると
Vの2乗=128
V=11,3V
中学校で習った二次方程式です。
此れを解けば約11,3V。つまり8Vの√2倍に成ります。
つまり8Ωに対して16Ωの巻線は√2倍巻いてあると言う事に成ります。
そう成ると4Ω巻線は16Ωの半分の巻き数ですね。
兎に角、コイルの巻き数が倍に成るとインピーダンスは4倍。
巻き数の2乗倍。此れを理解すると、トランスの使い方が上手に成って来ます。
こんな感じで、真空管アンプは真空管の動作原理とオームの法則を確実に理解すれば、90%理解出来ます。
で、このオームの法則を、本当に理解している人って、意外と少ないのに驚く事が多いのです。
僕がダウン寸前に完成したチャンデバ。
と言ってもパワーアンプとしても一級品な筈。
先に作った3台。僕の処では発信器の信号を入れただけで出荷。
4号機もオシロで測定をしただけ。
で、面白い企画を考えました。
今迄の新製品。僕一人での試聴。
レストランのシェフだって、新メニューは自分で試食をして、納得してから出す筈。
ギャンブルをする事にしました。
6日、日曜日、このアンプの試聴会を行います。
しかも、其れ迄僕も試聴をしない。
これって、かなりヤバイ発想。悪戯心満点とも言えるのですが・・。
兎に角約束します。日曜の朝まで、絶対に音出しをしません。
明日の作業は今の出力インピーダンスが8Ω対応に成っているので10W(コアキシャルウーハー)に合わせて16Ωに改造。
その他インピーダンスの調整。それ以外は一切しません。
僕もドキドキ。
小型スピーカーでしたら、持ち込み試聴も大歓迎。
只、店の中が無茶狭いので、予約制にします。同時に何人にも来られますと、入りきれませんので。
同時入店は2名が限界なのです。
此処のコメント欄に、御希望者は記入して下さい。時間もお願いします。
またその方が、ご希望者同士の時間の調整も出来ると思いますので。
沢山のご参加、お待ちしております。
(大丈夫なのかなー、汗)
チャンデバの本配線が始まりました。
何しろ内部の混雑は、今まで作ったアンプの中でトップクラス。
更に問題は、シャシを組んでからでは、トランス周りの配線不能。
配線間違いのない自信がないと出来ないシャシ設計です。
途中でチョット悪戯を・・・・・・。
以前にも書いた内容ですから、ご存知の方もいると思います。
上の二つの写真。ヒーター回路のアースを取った所です。
この二つの写真。違っているんですね。片方はやってはいけない配線です。
さて、どちらでしょう?
正解は直線配線の上の写真。
上は直線に配線が走って綺麗です。でもやってはいけないんですね。
真空管ソケットのブロング(端子金具)。手で触るとグラグラです。
どこかのメーカーが振動防止と言って、このブロングのガタの無いソケットを発売しました。
確か、其の年の雑誌の品評会で、賞を取ったと思います。
僕は・・・・・・・・・?。
このブロング。グラグラには訳が有るのです。
真空管の足。素晴らしい精度で立っていると思います?
機械屋の目で見たら、あてに出来ない精度。
特にMT管は足が曲がって当然。
もしソケットの方がキッチリ止まっていると、真空管の足と接触不良を起こし易く成るのです。
つまり、いい加減な真空管の足に馴染む為の、グラグラなのです。
結果、ブロングの動きを抑えてしまう配線はご法度。
下の様に配線にゆとりを持たせるのが正解です。
此の辺を丸っ切り無視したアンプを見ると、製作者のレベルを疑います。
作業机の上に、暫くぶりにアンプのパネル。
アンプって言ってイイノカナー・・・・?
エーーー、先日作ったチャンデバと略同じ。
違う点は、入力VRを取り付ける穴が開いている事。
つまり、基本的には同じ物ですが、今回はパワーアンプとして使います。
なんと言うか・・・・・・・。と言う物を作ってしまったのです。
僕の従来からのネットワーク式のマルチアンプ。
チャンデバを排除できるメリットが有るのですが・・・・・。
格段のパワーアンプ。フルレンジで作動しています。問題は高域用のアンプ。
スピーカーへの出力よりも、ダミーロードへ沢山の信号を流すんですね。
エコには程遠く(エコを言ったら真空管は・・・・汗)・・・。
一番の問題点は、高域用でもウーハー駆動と同じ出力が必要です。
今回はチャンデバ方式。高域用のパワーアンプはツィーターの欲しがるパワーが出れば十分。
つまり1W以下で十分に事足りるのです。
EL34のパワーは不要に成るのですね。
そう成るとEL84で十分。三結で2W弱が見込めます。更に逆相パラレル動作ですから略倍。
ホーンユニットを鳴らすには十分過ぎ。
と言う事で、ホーンシステム用にチャンデバをパワーアンプに活用すると言うナンダカナ作戦です。
EL84は入力感度も高いので、入力段に入れるトランスでチョット持ち上げれば初段管も入りません。
其のトランスへ送るアンプもEL84ですから、出力インピーダンスは無茶低い。
結果、少々昇圧しても、高域特性の悪化は無いのです。
今回のは、お客様用。
勿論其の製作が終ったら、僕用の製作。
で、このアンプでコアキシャルを鳴らすの、凄く楽しみです。