現在の僕の作業机の上。
二台目のLC台を作っています。
手前のイスの上には1台目が乗って、二台目の上にはスケールが何本も・・・・・。
そうなんです。一台目と二台目の部品の配置をそろえる為に、スケールで測っているんですね。
オイオイ、そんなの無駄だろう?ですか・・・・・・。
ハイ。音には全然関係有りません。
此の辺を気にしない方は、美食をバケツに盛っても平気で食べるんでしょうか?
綺麗な皿に盛っても、バケツに盛っても味は一緒ですが・・・・・・。
昔、トーンアームの内部配線の接点を減らしたくて、アームの外にリード線を這わすのが、一時流行りました。そうあの先生が推奨していましたよね(笑)。
その方式をやっていられる方の家へ、結構な件数訪問しています。
今だから言っちゃいますが、皆酷い音。がつがつしていて潤いの無い音。不思議と皆そうでした。
理論的には間違っていない方法なのに・・・・・・。
結局、この方式を取り入れた方々の鳴らし方なんですね。
ハッキリ言って、アームの外側に配線を這わすって見苦しい。
その見苦しさを気にしない感覚(と思う)の人達なんです。
昔から『音は人也。』と言います。
面白いほど、同じ装置を使っても、使っている人の性格が音に出てきます。
僕の周りのオイロダイン。全て違う鳴り方をしています。
それで良いんですよね。
追記です。
音は人也。此れを僕自身が味わっています。僕にはどうしても出せない音が有るんですね。どんなにやっても駄目。
僕はこう理解しています。その音が出せる様に装置のセッティングをすると、僕にとって、もっと大事な音が壊れ、無意識に出さないのだと・・・・・。
昨日の調整で、略此処かな?と言う点へ辿り着きましたので、もう1台の製作です。
写真は元のネットワークの分解中。
で、昨日の調整。簡単に出来たと思いますか?
計算では出ない。実験有るのみ。と成ったなら、後は手数です。何回試したか・・。
最初の調整。意図的にチョイオーバーに振りました。思った通り低かったインピーダンスが狙いよりも高い値。
此れが大事なんです。行き過ぎて始めて限度が判ります。
ストックのコイルが大活躍。何個のコイルを解いたろう。
勿論、昨日巻いたコイルも、解きました。
負荷抵抗値を変えるのですから、その度にLCの値が変るんですね。
で、フト・・・・・・・・・・。
バイクのキャブセッティングに似ているなと(笑)。
兎に角試してみる。結果は思わしくないのが普通。一発で決るなんて思ったら大間違い。
負荷抵抗値も中途半端な値が必要に成って、3個もパラって調整。
兎に角、しつこさが勝負。ホント、キャブセッティングにそっくり。
完全なフラットには成りませんでしたが、変動幅が当初の1/3に成ったので此の辺かなと・・。
勿論変動幅の中心点は狙ったインピーダンスです。
此の辺までつめると、ミッドの帯域の中でも変動が始まります。
で、一番の問題点の、クロスポイントでの変動が無いので合格としました。
此れで安心してもう一台を作れるのですね。
で、僕の事だから・・・・・・・・・・。
この状態で音出し。落ち着いたら最初の計算値だけで作ったLC値に戻してみます。
データーでの差が、音の違いに現れるかの確認です。
まず、出ないとは思っていますが、この確認作業。ノウハウの蓄積には欠かせない仕事なんですね。
ちなみに、昨日の僕の残業時間。何時間だったと思います?
昨日組み上げたLC台。判ります?コンデンサーの数が変って、コイルが1個外れているのを・・。
昨日、組み上げてから、ネットワーク全体のインピーダンス測定をしたのです。
今迄は、負荷がスピーカーでしたから、測るだけ無駄。ネットワークのインピーダンス変動よりもスピーカーのインピーダンスの変動の方が大きいのですから。
今回は純抵抗負荷。純粋にネットワークのインピーダンスが測れます。
測ってみたら・・・・・・・・。
予想通り。ミッドの帯域だけインピーダンスが低い(無視出来る範囲ですが)。
なぜ、ミッドだけ下がったと思います?
この様なフィルター回路。カットオフの先はフラットって思っていません?
此の辺は、プリのイコライザーカーブで散々勉強させてもらいました。
LもCもカットオフの先でもリアクタンスは変るんですよね。
つまり、カットオフの部分でスパッと切れていれば問題は無いのですが12dB/octのカーブです。お互いのオーバーラップ部分。パラレルに成ります。
その分インピーダンスが下がるのです。
勿論クロス周波数はバッチリです。只インピーダンスの変動分、EL84アンプの動作点が若干変るのです。
まあ、NFゼロのアンプですので、インピーダンス変動には無茶強いのですが、此処迄頑張ったのですから、ネットワークのインピーダンスカーブをフラットにしたいのですね。
結果、ミッドの部分だけ負荷抵抗値を上げる事にしました。
負荷抵抗が変ったのですから、LC値も・・・・・・(汗)。
で・・・・・・・。
コイルも巻き直し。ここまでやって、何処まで音が変わるのか?って聞かれたら、どの程度でしょう?
まず、判らない範囲。と思っています。
でも、出来る範囲で頑張りたいのですね。
正直、今巻き変えているコイルを入れれば、インピーダンスはフラットに成るのか?って聞かれたら、やってみなくちゃ判りません。としか答え様の無いのが現実です。
でも、こんな事をやって、ノウハウが貯まるのですね。
無駄の中に、ノウハウって沢山見つかります。
今回作っているチャンネルデバイダーの出力端子。
勿論レモです。
で・・・・・・・。
付いていないで穴だけの処が・・・。
此処へ、チョクチョク来れれている方ならハハ~~~ン。
ハイ、5ウェイ迄対応出来る様にしています。
端子の上には接続を間違えない為の表示も。
マルチアンプを行う場合一番多い事故が、接続ミスによるユニットの断線。
パワーアンプを、ダイレクトにツィーターへ繋ぐ怖さを理解しないと出来ない方式です。
うっかりミスが、取り返しのつかない事に。現行のユニットでしたらお金で解決出来ますが、過去の名機なんてユニットの場合、修理不可能が極普通です。
将来を考えて、5ウェイ用に端子は出ていますが、当分3ウェイでやるつもりです。
今回の改造は、僕にとっては一大事なんですね。今迄ネットワークに拘って来たのを、チャンデバ方式に変更するのですから。
まあ、ヤット、ネットワークを凌げるチャンデバを思いついたからなのですが・・。
今回、序だからって4ウェイなんかにしちゃいますと、ネットワーク方式とチャンデバ方式の音の違いを完全に把握するなんて無理なんです。
少なくとも僕には出来ません。
此処で、4ウェイにした所為か、チャンデバにした所為かの確認を完全に取っておかないと、後々のグレードアップ時に方向を間違え易いのです。
その辺も有って、今回クロス周波数や12db/octのカーブも変えていないのですから・・。
いっぺんに二箇所は弄らない。急がば廻れ。
さて、昨日の続きを始めますか。
ジックリと掛かっている、チャンデバのLC素子。
いい加減な取り付けは、音質の低下に繋がります。
以前、有るお客様の所。僕の組んだネットワーク。片chは床にキッチリと置かれ、もう片chは壁に寄り掛かっていたのです。
僕がその寄り掛かっていた方を、周りを整理し床に安定した状態に置いたら・・・・・・。
やった僕が驚いた。ネットワークも振動には弱いのです。
今回はチャンデバ、更にうるさく成ると思います。
ですので、今回の置く場所は、シッカリとしたラックの中(勿論僕の作ったラック)
配線材も1,4mmのエナメル線を使用。本当は2mmを使いたいのですが、手持ちの色分けチューブが1,4mmが限界。
色分けをして置かないと、後々の接続時に間違い易くなるのです。
接続を間違い、低域をツィーターに加えたりしたらオーマイゴット。
音質は勿論大事ですが、機器を壊さない気遣いの方を重視しています。
50mm厚のタモの集成材の上に組んでいますので、重量も結構なものに成りますね。
実は3時間以上、休憩無しで頑張っていたので、喉が渇いた。
アイスコーヒーを飲みながらのBLOGアップです。
さ、頑張らないと・・・。
ヤット始まりました。チャンデバの心臓部。LC素子の組み立て。
このLCの値で、クロス周波数が決ります。
此処を流れる信号を、どう処理するか?
アンプの内部なら簡単なのですが、Lが入って来るととたんに難しく成ります。
コイツは配置が難しい。近付けちゃ駄目だし。と言って、配線は短くしたいし。
こう言う物を組む時の基準。小容量コンデンサー程、配線を短く。コイルも一緒。
要は、高域ほど配線を短く。
線の長さとコイルの配置、どちらを優先するか?勿論双方満足できる配置が見つかれば最高。
置く場所も考えて、入出力端子を付けないといけません。
外部配線が長くなってしまいますからね。
配線の基本。どんな配線も短い方が有利。でも全てを短くするのは不可能ですから、優先順位を決めるのですね。
この優先順位を迷わず決められたら、可也な技術者。僕も結構悩みますので・・・・・。
そんな考えで、此れで行けるだろうと成った配置が写真の配置。
さあ、明日から配線開始です。
パワーアンプとしてもかなりの能力を実証したチャンデバ。
前にも測ったのですが・・・・・・。
このチャンデバの、ノンクリップ出力の再測定です。
僕のパワーアンプには初段管が有りません。パワー管直接入力なのですね。
EL34に60mA流し、バイアス抵抗は500Ωです。つまりバイアス電圧は30V。ピーク値で30Vの入力が有れば、フル駆動出来るのです。
チャンデバのノンクリップ電圧。ピーク値で6V。
1/5しか出ないんです。此れは拙い(笑)。
でも、出力インピーダンスは数Ω。此れならばパワー管の前に昇圧トランスを入れて駆動する事が可能。
今回入れる入力トランス。色々な昇圧比が選べます。
どの昇圧比を選べば良いかの測定だったのです。
前にも測定していたのですが、念には念を。確認をし過ぎる事は有りません。
丁度5,6倍の昇圧比が有りますので、此れを使用します。
インピーダンス比は32倍にも成りますので、送り出し側のインピーダンスが十分低くないと使えませんね。
その辺を考えてのパワー管の採用だったのです。
さあ、もうスグ・・・。
巻き上がった空芯コイル4個。今迄でしたらコイルはネットワークのネタ。今回はチャンデバのネタ(笑)。
4個とも3,7mH。二日間で4個も巻いたのかい?って声が聞こえそう。
良く写真を見ると、二種類の巻き方。
ハイ、不良在庫の有効利用(笑)。
過去に巻いて使えなかったコイルを沢山ストックしています。チョットの調整の時に重宝するのですね。
ストックを見たら3,8mHと3,6mHが二個ずつ。今回欲しかったのは3,7mHと言うなんとも・・・・・・。
3,8mHを若干解いて、3,7mHに調整しました。でも解くのもこの程度。解く量が多いと、巻いて有る部分の巻が緩く成ってしまうのですね。
空芯コイルの音質を決める一番の条件は巻き方。巻が甘いコイルは音も甘く成ります。
次に線の太さです。緩く巻いた2,0mmのコイルよりもキッチリ巻いた1,6mmの方がピントの合った音がします。
二日間掛かって2個しか負けないコイル。高価ですが使った方は満足されています。