平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
此処一週間、掛かりっ切りだったプリアンプのリフレッシュ。
凄く頑張ったのは、なんか楽しかったんですね。
どうせなら・・。の何時もの癖。まあ、昔からのお付き合いがあり、勝手にやっても怒られないよねー・・・(笑)。

まあ、そんな訳で本日めでたく納品です。
外見は何も変わっていません。

接続完了。で、笑っちゃいけない。
Aさんは完全なアナログ派。CDを完全に馬鹿にしていました(その気持ち理解出来ます)。

Aさんに言わせれば、何処で聞いてもCDの音は嫌い。

そんなAさんが2~3か月前に僕の所へ来た。僕は悪戯の気持ちでCDを掛けた。
『エッ、CDからこんな音が出るの?』
まあ、色々と有って色々と有って・・。

本日、最初にAさんが音出しをしたのがCD。
チョイ前だったら有り得ない行動。

まだ、僕のシステムには成っていないCD関係なんだけど、僕の薦めたCDプレーヤーと物質のDAコンバーターで楽しめている見たい。

つい最近もCDディスクを数枚購入したとの話。
嬉しいですよね。僕のアドバイスで嫌いだったCDを見直した。そしてCDも楽しめる様に成った。

どんなに高額なオーディオ機器でも所詮音楽を楽しむ機械です。
オーディオ機器よりも音楽を楽しんでいます。それが僕には最高で・・・。


オット、試聴結果を書かなかった(汗)。
一言で言うと、付帯音が減りました。正直、弄り過ぎたのでまだ本調子では有りません(だってほとんどの部品を交換)。でも片鱗は見せてくれています。
最初に預かった時はB電源回りだけのコンデンサーの交換。って思っていました。
中を見たら、なぜか行っちゃえ・・。

仕事にしてから45年。まだオーディオ小僧の気持ちが残っている見たいです。

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昼食も取らずに頑張りました。
気合の入っている時に、昼食を取るなんて考えられません。

そんな訳で、無茶苦茶に増えた交換CR。当初はケミコンとプレート負荷抵抗程度の交換を考えていたんですけど・・・・・・。

なんで、こんなに熱く成ったのか・・・・。
エーーー。20年以上、オーナーの方に可愛がられていたな。
見ると判ります。大切にされたかどうか・・。

トラブル無しで20数年。頑張ったよねー・・・・・・・。
要は嫁いで20数年の愛娘。暫くぶりに実家へ帰って来た。
疲れが溜まっているだろうから、20年間の垢を落として嫁ぎ先へ返したい。

馬鹿おやじです。

で、溜まった垢(笑)。


垢を落とし、化粧し直した愛娘。


元々のCRで残っているのはほんの数個(換えなかった理由は有る)。
健康診断。


ビタッと左右で揃って居る波高値。イコライザーカーブもビタッ。

出来たぞー、さ、Aさんに連絡をしなくちゃ・・。
と携帯を手にして気が付いた。

MCトランスを交換していない・・・・・・・・・・。


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此処迄するつもりは無かったんだけど、僕の心に火が点いた(笑)。
納品期日は決まっているので、其れ迄に出来る事は全てやっちまえ・・。

昨日の内に完成したCRイコライザー。


CR素子は全て換わっていますし、定数も一か所を除いて変更。
通常の抵抗値ではどうしても会わない所は、2個の抵抗器をパラってカーブを合わせています(完全に自己満足)。

でもインピーダンスの低いECC82ですから駆動出来ますが、一般のECC83なら苦労すると思います。
カップリングコンデンサーもオレンジドロップ(スプラグ社の命名、好きです)から愛用のフィルムコンへ交換。

最後はこれ。


スウェーデン製のケミコン。
此れが見つかる迄は苦労しました。容量の満足出来るケミコンですと音の点で今一。フィルムコンですと容量不足・・・・・。

コイツを初めて使った時の驚きは今でも覚えています。『コイツ、本当にケミコンかい?』
耐用時間も15000時間をギャランティ。
コイツの製造販売をずっと続けて欲しいですね。それくらい惚れ込んでいます。

さて、作業場所の温度も上がったので、作業スタートです。



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デカップリングのケミコンを取り付けるとでっかくて邪魔。
そんな訳で・・・・・。


CRイコライザーの素子です。
下のラグがロールオフ。上のラグがターンオーバー。
定数を見ると、当時の標準定数で組んで有るのが判りますよね。
本当に標準定数です。

で、へそ曲がりのピンキー君。ある日イコライザーカーブを測定。
違うじゃない・・・・。
まあ、この程度の違いが耳で判るかと言われたら自信ありません。
でも、キッチリと組みたいよね。と言う事でこれも20年近く前に定数を換えました。

当時はオプションとしてLCRイコライザーも有ったのです。予算に余裕の有る方はLCRイコライザーに交換していました。

で、月日は流れ・・・・・・・・・。
世の中のCR素子の進化は凄い物が有ります。
こんな古臭い素子は止めて、新素材でCRイコライザーを作ったら・・・・・・。

ハイ、LCRは必要なく成りました。現在オプションにも設定されていません。

前々から感じていたのですが、こういう回路で組みたい。でもそれを実現出来る素子が無い。
今はその制限がどんどんなく成って来ています。逆相アンプもその一つ。逆相出力を出せるトランスと巡り合えたので実現出来たのですね。
最新の素子。理想素子にドンドン近付いています(高いですけどね)。



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数日前から掛かりっきりのプリアンプの整備(改造)。
真空管(ECC82)の動作点が、当時のアンプと現在のアンプではかなり違っているのです。

単純に今の定数に変更するだけでは駄目でして、電源トランスから出て来る電圧がかなり高いのです。整流直後に大きな抵抗値を入れてドンと下げるのが一番簡単なんですが、そうするとその抵抗器の発熱量は半端では無くて・・・・・・。

整流直後でも落としますが、デカップリングでも落として発熱量を分散させたいのですね。
電流値は決まっていますので、それを元に各抵抗値を電卓で計算します。

実際に組むと、その計算値よりズレるのがごく普通です。
で、実測して微調整をするのですが・・・・・・。

エーーーーー、計算値で一発合格(ニコニコニコ)。この辺は経験がモノを言う部分なんですね。
経験から若干のさじ加減をするのです。
でも、8本もの真空管全てを一発で合わせるって・・・・・。

で、今回は一発で・・。

さて、此れからデカップリングコンデンサーを例のケミコンに交換。
初段管は本当に低い電圧で働かせていますので耐圧の低いケミコンで行きたいのですが出来ません。
450V耐圧を全ての真空管に使います。
なんで・・・・・?

動作中は耐圧の低いケミコンでもOKなんですが、電源SWを入れた直後。
整流管は直熱管。2~3秒で立ち上がります。対してECC82が立ち上がるには20~30秒掛かります。
つまり電源部は立ち上がっているのに、増幅部は電流を流しません。電流が流れなければ、電圧調整に入れた抵抗器での電圧降下が発生しないのです。
すると、デカップリングのケミコンに動作時よりもはるかに高い電圧が掛かってしまうのです。

それを防ぐ為に、僕のアンプには10数年前からタイマーを付けました。
まず増幅部の真空管ヒーターに電流を流しヒートアップ。
十分にヒートアップしてから整流管のフィラメントを熱します。

こうすると、ケミコンを動作状態の耐圧で済ませる事が出来るのです。コスト面もそうですが、小さくて済むので、部品配置に自由度が増えるのです。

今回の整備。新しく組むよりも手が掛かっています(笑)。



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頭がクラクラして来たので小休止。
只今の作業は、真空管の動作点を最新のものへの変更。

口で言うのは簡単ですけど、当時の電源トランスと現在の電源トランス。
B巻き線の電圧がかなり違うのです。

動作点が変わったのでB電圧も変更に成りました。抵抗値だけでのコントロールはしたくないので、今の動作点に合わせた電圧の取れる電源トランスへ換えたのです。

この様な事からも、市販の電源トランスでは結構我慢の設計をするようなんですね。
その様な訳で、僕のアンプの電源トランスは全て特注品です。

で、面白い写真。


デカップリング回路の抵抗器。左右に4本ずつ並んでいます。
左右別々のデカップリング回路です。此れを左右共通で作ってしまうとチャンネルセパレーションが稼げません。

その様な訳で、左右に同じ抵抗値が並んでいるのです。

片chだけの変更の終わった写真。


カラーコードの読める方でしたら、数値がかなり変わっているのがお分かりかと・・。
カソードのバイアス抵抗値も全て変わりました。
プレート負荷抵抗値は変わりませんがA&Bは全て撤去。

こういう作業って、やった方なら判ると思いますが、作るのよりも大変。
抵抗値も電卓を叩いた数値ですので、実測しないと狙った動作点の保証は無いんですね。

兎に角根気のいる作業です。で、頭クラクラ・・・・。

酔った勢いで・・・。
Aさんから預かったプリアンプ。最初の定数は・・・。
フォノイコライザーのバイアス抵抗値は180Ω。
勿論変更しましたよ。
で、変更後のフラット部のバイアス抵抗値は100Ω。
この意味が判ったらアンプの設計が出来ます。

真空管の動作点の肝はバイアス電圧です。

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本来はMCトランスの交換だけだったのに・・・。
中身を見ちゃうと、序に此処も・・。其処を弄るなら此処も・・・・。

キリが無いのです。20数年前と今でのノウハウの蓄積量は・・・。
イヤ、本当に自分でも驚いています。

僕の所から出たアンプのオーナーの方。真面目に僕のブログをチェック。
新しいネタを見つけると、自分のも同じにして。と持ち込まれる方多数(笑)。

その様な訳で、20数年前の侭と言うアンプは非常に珍しいのです。
今回のアンプのオーナー。ネットをまず見ていません(社長さんが見ていたら、仕事の方が・・汗)。
そんな訳で、僕が声を掛けた時だけと言う・・。
でね、声を掛けるのは良いんだけど、売込みって思われたくないんですよ。
僕の基本スタンス。お客様から声が掛かる迄アプローチはしない。

改造(チューンも)は、その方に喜ばれて尚且つ余計な出費はさせない。
そんな訳で、今回のチューン(健康診断も込み)もかなり安価な話をして来ました。

でもねー・・・・・。中身を見ちゃうとあれもしたい、此れもしたい・・・・。

エーーー、今現在の外した部品。



まだ半分も行ってません。
この調子では、話した予算では部品代だけだなー・・・(汗)。
要は火が点いちゃった僕が悪い。
きっとカップリングコンデンサーやCRイコライザー素子も交換しちゃうんだろーなー・・・・・。


写真のスプラグ製のケミコン。当時としたら良品でしたが、今のレベルではノイズが多い、高域特性が悪い(結果音がぼける)etc,etc・・・・。
例のケミコンへ交換です。
A&Bの抵抗器も音の粒子が粗いので、勿論交換。
ウーーーーン、何と言うか・・・。

部品は日進月歩で進んでいます。昔のパーツは・・。と言うのは単なる都市伝説です。
A&Bの抵抗器、10数年前にまとめて安価で売っちゃいました(笑)。勿論後悔なんてしていません。清々したと言う感じです。

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各部の動作点を最新のアンプと比較。

で、昔やった事を思い出した。
つまりですね、カートリッジの出力を真剣に計測したのです。
レコードを色々と掛けて(特に録音レベルの大きなレコード)、ピーク時の波高値を測定したのです。勿論高価な測定器ですので、僕の財力での購入は不可。

幸いな事に知り合いが1週間の約束で貸してくれました(感謝)。
ピークホールド機能が付いているので、付きっ切りでの測定は不要。
適当にレコードを掛けていて、数時間おきにチェックすればOKだったのです。
数日間、測定を続けました。
出た答えは以外にも・・・・・・。

此処で真空管の動作を考えましょう。一部ではフォノ入力の最大値を大きく取って自慢しているアンプも見かけます。
で、能動素子が扱えるダイナミックレンジは決まっています。
つまり対入力を大きく取ったアンプは微小信号に反応出来ません。

結論から言いますと、必要のない大きな信号を扱える動作点を選んだら、微小信号は増幅できないのですね。
つまり、鈍いアンプに成ります。

解決策はただ一つ。最大入力に対して若干の余裕(2倍も取れれば十分)を持たす動作点。
実は、マッキントッシュのフォノ耐入力が異常に小さくて驚いたのですが(メーカーは発表していません。僕の実測です)今考えると巧妙な数値かと・・。

フォノに入る最大信号レベルが判ったので、耐入力値も自然と判ります(初段管)、初段管の増幅率も判っているので、2段目以降の動作点もおのずと・・・。

そんな設計をしたら、有名先生はやっちゃいけない動作点に成ってしまったんですね(笑)。

つまり、カートリッジの出力が判ったので、真空管の動作点の考え方が変わったのです。
で、今回のアンプの中をしみじみと見ていたら、頭の中がウズウズウズ・・。
もうやっちゃえ。手間は掛かるけど使う部品は抵抗のみ。
僕の手間賃・・・・・・・。
行っちゃいましょう(笑)。



自分で昔作った物。今のノウハウではチョイ拙いな。
我慢できないんですよね。

更に更にの追記。
現在の初段管の動作点。以前作っていましたヘッドアンプと同じ動作点です。
更に、フォノイコライザーの2,3段目の動作点よりもフラット段の耐入力が少ないのって信じられますか?
フラット段はVRを含めて考えると増幅率がマイナスです(フルボリュームって考えられませんよね)。
通常のパワーアンプは入力電圧が1Vでフルパワーと設計されています(約束を守らないメーカー多々)。1Vでフルパワーが出ると、プリアンプのフラット段は減圧アンプに成るしかないのですね(笑)。

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