平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。


ご存知、オルトフォンSPUのストリップ。この店を開けてからそろそろ30年に成るけど、この姿が30年間の殆どを占めていた。

今まで、何本の針交換をしたんだろう?

色々とカートリッジは浮気をしてきたけど、結局はお前か・・。

音楽に乗れるんですね。音ではなく音楽に・・。

で、数週間前からそろそろ針がダメだよ。って訴えかけてきた。

そう言えば最近『針はダイヤモンドだから減らない。』なんて言っている人がいるみたいだけど、どの程度レコードを聴いているのかな?

減ります。間違いなく減ります。断言します。テクニカの研究所で減った針の顕微鏡写真も見ましたし。

最近のオーディオ。オカルトブームなのかも・・。

で、今日ヤット針を交換。

聴き慣れたレコードに針を下ろす。

第一声・・・・。ヘッ?

変、絶対に変。

直ぐに気付いた。逆相。
俺間違ったかな?

カートリッジへの配線を見ても異常なし。

ハハ、不良品(組み立てミス)。
と言って、いちいち文句を言っても始まらない。

ピンセットの入り易い右chの赤と緑の配線を逆に繋ぎ、ハイOK。

聴き直す。こちらが正解だよね。

この程度は笑っておしまいです。

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一昨日から大慌てで始めている作業。
写真でお解かりかと思いますが、SPUのアダプター。

僕のお馴染みさんへの普及率、略100%。
もう、売れないよね。なんて安心していたら・・・・。

此処、1年以上の隠れたヒット商品。
僕のHPで興味を持たれた方からの受注なのです。

正直、とても面倒な品物なんですね。兎に角小さい。僕の機械は大き過ぎる(汗)。

で・・・・・・・。
遂に在庫が完全にゼロ。自分の分も無くなった。
針交換の終えたSPUが手元に戻って来たのに使えない。

完全にお尻に火がついた状態。こう成ると怠け者のピンキー君も追い詰められます。

今日中に4個完成予定。
でも、前回の時に、最後のフィニッシュで痛恨のミス。
2個パーにした経験も有るし・・・・。

頑張ろう・・。

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昨日、帰り途中に一軒のお客様の所へ・・。

4年ぶりに、装置を動かしたい。チェックを・・。と言う話だったのです。
4年間寝かした訳も知っていますので、良かった。ヤット動かす心境に・・。

あちこち外れた侭の配線を繋ぎ、電源ON。VRを回すとガリが盛大に。
このアンプ、作ってから20年近いので仕方が無い。
何度もつまみを回すと段々と少なくなり・・。

故人の遺品だったのです。装置の主がご主人から奥様に・・・。
レコードは、4年前からターンテーブルに乗った侭。ご主人が最後に聴かれたレコードでした。

チョットしんみりした心境で針を下ろすと、4年のブランクを感じさせない音が・・・。
奥様の顔がパッと明るくなって・・・・・。

良かった。本当に良かった。
装置の使い方を説明。聡明な方なので、直ぐに理解。

で、プレーヤーはQRKを中心とした3本アーム。
奥と、左は使い辛いので、右についている僕のアームにSPUの組み合わせだけを使う様に説明。

で、奥のアーム。オーディオクラフトのAC4400にEMTのTSD15が付いている。
大切な思い出の品ですので、勿論其の侭。

で、付いているEMTを見て、ハッ。

シェルの上部に付いているエンブレムがゴールド・・・。
そうか、暫らく振りにEMTを手に入れて忘れいた。



チューン

今回僕が手に入れたTSD15。写真で判りますとおり、アルミの銀色。

この色違い、意味が有るのです。
昔のEMTはアルミ色。20数年前からゴールドに。
この時の変更点は針先が丸針からラインコンタクトに変わったのです。

当時の僕は、997のアームで使っていましたので、ラインコンタクトにはノー。
仕方が無いので、新品購入のライン針をさっさとすり減らせ、丸針に交換して使っていたんですね。

で、丸針に交換すると、エンブレムもアルミ色に交換されて返却されたのです。

と言う事は、今回手に入れたEMT。丸針に交換済み、ヘヘヘやったね。

で、写真の矢印のパーツ。
まず緑矢印。先端に付いているレンズです。共振の塊です。使うのは止めましょう。
赤矢印のビス2本。
カートリッジをシェルに留めているビス。此れが鉄製。磁気歪の権化。
2,5mmのビスです。一般の国産の留めビスは2,6mm。
この二種類のビス、ピッチは一緒です。シェルの雌ネジ穴を2,6mmのタップでさらい、良質なビスに交換。
メーカーの音作りなんて、真剣にやっていないのを、嫌と言う程理解出来ます(笑)。
内部配線も良質な物に交換。

で、笑えるのが本国に針交換に送ると、内部配線、元の物に戻して返されます。余計な事をしやがって、と言いながら、また換えるんですね。

オルトフォンとEMTの2本に成ってしまった、軽針圧(SPUと比べて)カートリッジ。
アームの設計、真剣にしなくちゃ。


業務連絡です。
と言う事で、ドラちゃんにピアノの調律の話がいくかも知れません。その時は宜しく。

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暫らく振りの更新です。イエ、サボってたんじゃ無いですよ。要は、過去にアップ済みの仕事ばかりをしていたのです。
二番煎じのネタでは、書く方も面白く無いですもんね(笑)。

直ぐ間近に大きな仕事が二件。それに掛かると、他の仕事は一切無理なので、短期に出来る仕事を集中的にこなしています。

で、そんな中、あるカートリッジが委託販売に・・・・。


入手

ご存知、EMTのTSD-15。
一時期、マニア垂涎の的のカートリッジでした。まあ、あの雑誌の提灯記事が、その原因の殆どですが・・(汗)。

僕も、その記事に乗せられて・・・・(冷汗)。

確かに、音色的には非常に魅力の有るカートリッジです。

しかし・・・・。


http://hayashilab.syuriken.jp/auemt01.htm

此処を覗いて見て下さい。業務用とはとても言えない内容です。
本当に放送局で使っていたんだろうか?
カンチレバーの弱さ、ダンパーの弱さ。とてもプロの使用には耐えないのではないかと・・・・。

でも、あの音色はチョット麻薬。色づけはタップリなのですが、音楽にとっては、プラスに作用するのです。

まあ、悪女の色気(笑)。
本物の悪女に捉われると、人生を破壊しますが、こいつなら・・・・。

購入者の見通しが立たないので、僕が購入する事に(笑)。

此処の所、カートリッジに散財しているなー。
まあ、それだけ遊べる状況に、僕の装置が成って来ているのも確かな様で・・。

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昔は、散々カートリッジの浮気をしました。
手にしたカートリッジは、トータルでは50本は下っていない筈。買わないで貯金をしていたら・・・・。
答えは簡単、今の僕はいません。一見無駄遣い。でも授業料なんです。此れだけ使ったからこそ、安心してSPUを使っていられるのですね。

散々買ったカートリッジ。でも今のアーム(SPU専用に設計したつもりだったのですが)が出来てからは一切買わなくなりました。

前にも書きましたが、市販のアームでは軽針圧のカートリッジには満足出来なかったのですね。

アームが出来てからは益々SPUひとすじ。専用アダプターまで作って、更にSPUへ・・。

で、お定まりの金欠病。SPUの針交換は高価。で、手持ちのカートリッジ(市販のアームでペケを出した物)でお茶を濁そうとしました。

此れが予想外の好結果を得たんですね。まあ1社はダメでしたが。
此処半年以上、SPUを使っていなかったんです。
以前の僕なら、信じられない出来事です。
勿論、SPUの魅力は十分に感じながらも、軽針圧も悪くないもんだ。

そんな事で、本当に暫らく振りに(20年近いかも?)新しいカートリッジを買ったのです。

まあ、買ったと言うよりも、針交換で手に入れたんですね。
まともに買ったら、トンでも価格。


久しぶり

ケースに入っているカートリッジを手にするのも暫らく振り。

此れに合わせて、新しくアームも起こすつもりです。勿論軽量化を図りますのでSPUには合うか判りません。

僕程度の規模で2種類のアームを作るのは、非常に贅沢とは思うのですが・・・。

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昔は嫌っていた軽針圧(世の中の常識では標準針圧)カートリッジ。

チョット考えが変わって来ました。と言うのも、軽針圧を嫌っていたのは、僕のアームが出来る前。

最近、コスト削減で寝ていた軽針圧を使い出したんですね。
すると、以外な程良いんです。

勿論、SPUを凌駕すると言う訳ではなく、巧い具合にSPUと住み分けが出来る。つまり気分によっては此方も有りかと・・・。

そう成ると拙い。僕のアーム、カートリッジの交換のし難さでは天下一品。
気分で交換なんて出来ないよね。

そう成ると・・・・・・・・。ツインアーム。
勿論、二本とも僕のアーム。

今の1本アームプレーヤーも、ひとつの標準として残して置きたい。

そう成ると、ツインアームのプレーヤーの新造しかない。

暫らくぶりに、自分のプレーヤーを作ろうかな。
思いっ切り手間を掛けて。

で、SPUと軽針圧カートリッジの違い。
熟年の色気と若い子の色気。
鰤とイナダの違いです(笑)。


鰤とイナダの違いは此方で・・。
http://hayashilab.syuriken.jp/80izu12.htm

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僕が10年以上前に開発したトーンアーム。

今、僕の周りの製品で、一番古い物に成りました。
アンプ等はドンドン新しいノウハウが貯まり、その度に新製品に・・。

そう言えば、かなり以前に、僕のアンプを買った方から、『当分新しいのは作らないでくれ。』って頼まれた事も有った様な・・・・(汗)。

それに比べると、今のアーム。微妙な点での変更は有りますが、基本構造は一切変わっていません。

それだけ、出来立てからの完成度が高かったのかも知れません。

最初の設計方針は『オルトフォンSPUを最高に生かす事。』
つまり、針圧は4gが前提だったのです。
精々3gまで、それ以下には使わない様に。と言ってお客様に渡しました。
で、僕の周りの人達、類は友を呼ぶ。臍曲がりが・・・・・・。

若干1名。EMTを付けてしまったのですね。
針圧は2,5gですが、カンチレバーが柔らかく、一般市販のアームでもチョットの調整不良でカンチレバーが曲がってしまうのです。
勿論、EMT純正アームでも同じ事。

僕は止せって言ったんですけど・・・・・・。

その後聞いてみると平気との事。エーー・・・。

当時、僕の手持ちのカートリッジ。SPU以外は適正針圧が1,8g近辺の物ばかり。

僕の使い方ですと、針の寿命は半年が精々。ランニングコストがバカに出来ず・・・。

で、金欠病の酷い時(あ、いつもか、汗)に、ストックのカートリッジを僕のアームに付けたんですね。
まあ、SPUよりは拙いので、ストックに成ってしまった訳でも有るのですが・・。

で、そのカートリッジがことごとく蘇ったのです。SPUとは違った魅力を見せて(最近1機種で失敗しましたが、笑)。

で、実は・・・・・・・・・。
今回ダウンしたオルトフォンのHMC30。半年間楽しませてくれました。今は旧型ですから、針交換は出来ません。
でも、相当品の今のカートリッジとの交換が可能。
針交換価格はSPUよりも¥2000高いだけ。

チョット悪戯してみようかな。
考えて見るとSPU以外のカートリッジを買うのは10数年ぶり。
無駄遣いになるか、それとも・・・・・?

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先のブログを書きながらもイライライラ。

で・・・・・・。


我慢が出来ず・・・。

針交換間近で外した侭だったゴールドリング。
SPUは現在針交換に出してあり、帰って来るのは来週早々の予定。今のカートリッジの音楽再生には我慢が出来ない。

店内をあさったら出て来た(汗)。

1週間持てば良いから・・・・。

オーディオ的な評価なら、間違いなくS社の方が上。
でも、こちらは楽器を人間が演奏している。要は演奏者の存在を感じる。
S社は楽器が勝手に鳴っていて、演奏者がいない。

そう言えば、昔そんな鳴り方をした装置を知っている。
かの有名なマークレビンソンの作ったHQDシステム。

そのシステムを、マーク本人がセッティングした物を都内某所で聞いた。
ソースもマークご本人録音の38、2トラのスチューダー。

ギターのソロが鳴り出した。凄いですよ。目の前にデッカイギターが浮かんだ。空中にポカンと・・。

音が出るたびに、弦の震えが見える。

で、そのギターは自動演奏。演奏者がいない。ギターも2mを越す超大型。

当時の価格で、デッキは別で¥14,000,000。
僕は要らないと思った。音楽って楽器を介して演奏者の心の叫びと思っている。その演奏者の心が聴き手を魅了する。
演奏者のいない音楽は、僕には有り得ない。
20代後半のピンキー君。マーク本人に会っても、つまらない人間としか思えなかった。

今鳴っている音楽。全ての楽器を人間が演奏している。

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