平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
略1ヶ月前に預かってきましたアルテック604-8Hのユニット。
片側のコーン紙が猫の悪戯で破損。

張替えで預かってきたのです。

前のアップでご存知でしょうが、可也困ったチャン状態のコーン紙。

頑張ろうかとも思ったのですが、エッジに塗布するダンプ材が無い。市販品を使っても良いんだけどアルテックと同じ特性の保証が無い。

下手するとウーハーの左右で音色が変わってしまう。

チョイ拙い(コーン紙張りかえって単に音が出た状態に復帰するなら簡単ですけど、左右をキッチリと合わすってアマチュアには難しい作業です)。

輸入元と何度も連絡を取り、結局出す事にしました。運が良い事に輸入元の場所が八王子からは凄く行き易い所。

で、今回預かって来た理由のもう一つ。ツィーターのオーバーホール。
お客様の所での試聴でツィーターの不調を感じたんですね(慣れてない方には判別不能)。
まあ、この類のコンプレッションドライバーは、磁気回路のギャップにごみがつまり、ボビンと擦れ合っている個体が凄く多いのです。

今迄伺った家で、完全ですね。って聞こえたのは本当に僅か。脅かしているんじゃないですよー(笑)。

まあ、この作業は慣れていますので、両chをやっても1日あれば十分。ナンテ訳で最後の仕事にとっておいたのです。
(ネットワークの作成も頼まれましたので、そちらを優先したんですね)。

で、ヤット、ツィーターの分解(この写真をまねて個人でやっても自己責任ですよー、正直発信器と専用アンプが無いと無理です。キッパリと)。



この写真は、組む時に迷わない為のバックアップ。昔はメモ用紙に絵を書いてましたから便利に成りました。



ダイヤフラムを外した状態。思ったよりもはるかに綺麗。錆の発生が見られません。ボビンの擦りは、ギャップ内の錆びが原因の場合が多いのです。

フーン・・・・・。

で、実は僕はタンジェリンドライバーをバラしたは初めて。まあフェージングプラグの形状が違うだけですので、手順は丸っ切り同じで平気です。

振動板も同じですし。


で・・・・・・・・・・。



オレンジ色のフェージングプラグに手を触れたら、ポロッ。
ウソッ。

オレンジの部分が簡単に取れて・・・・・。
と言うか下の金属部分についていません。
一瞬フローティング・・・?

落ち着いて考えればそんな構造は有り得ない。
写真の金属とダイヤフラムの間でプラスチックが踊ってしまうのですから。
証拠にプラスチックと金属間に接着剤の痕跡が・・・・・・・。

外れたプラスチックパーツ。見て触れた感じではフェノール系の様。

で、この類のプラスチック。接着剤が効かないんですね。



外れたフェージングプラグ。

一応、分解前に正弦波を入れて、擦っているのは確認済み。でも普通の擦った状態とチョイ違うな?とは思っていたんですが・・・・・・。

また、メーカーにやられてしまった。散々味わってきましたので、『またか。』って感じです。

と言う事は、世の中のタンジェリンドライバー。ほぼ100%不良品でしょうね(汗)。
メーカーが気付いて対策をしていれば別ですが、そんな話は聞いていませんし・・。

正直タンジェリンドライバーの世間の評価は、それ以前のモデルと比べると芳しく有りません。
でも、その原因がコレだとしたら・・・・・・・。

ウーーン、修理後の音が凄く楽しみ(お客さんの物で楽しんではいけません、汗)。

拍手[0回]


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック