平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
オーディオ界の闇と言いますか・・・・・。
修理中のパワーアンプ。一応片チャンネルだけ修理完了(この後動作チェックです)。
以前にアップしましたムラード型の位相反転回路を使っていますので、微調整は必須なのです。

と言うのは、初段管と位相反転段の間が直結なんですね。余計な素子が入らないのは良い事なんですが、初段管の動作点(正しく言うとプレート電圧)が位相反転段の電流値を変えるのです。
つまり、計算値だけでは駄目で、実測が絶対に必要なのです(一つ間違えると位相反転段の真空管がいかれます)。

極論を言いますと、雑誌での製作記事をその侭コピーしますと、音は出ますが動作点が結構危ないアンプに成ります。
テスターだけでも真空管アンプは作れますが、病気持ちのアンプと言う場合が結構多いのです。
真空管アンプって、少々間違っても音が出てしまうのですね。
この辺が、真空管の音なんて言われてしまうんでしょうね。

で、この先が面白い。


挿し込んであった整流管のベース。5AR4はアメリカ式、GZ34がヨーロッパ式の呼び方で、同じ真空管です。
まあ、普通は此処に掛かれている型番を信じますよね。

ハイ、へそ曲がりのピンキー君は信じません。
だって、型番の上に掛かれているメーカー名。インチキ商社です。
30年位前にもトンでも真空管を売っていました。
笑えるのが・・・・・。


どう見ても直熱管。GZ34は傍熱管です。構造が全然違うのですね。


正しい名前をサンドブラストで消しています。

結構な数を買いましたので、その中には消し方がアマイ物も有ったのです。
斜めに透かして見ると読めるのですね。
その名前は5AW4。
こちらの方が高規格管なので問題は無いように思えますが、GZ34のヒーター電流は1,9A。対して5AW4は4A。可成りの大型管です。
要は電源トランスが持てば良いけど・・・・・。

僕の所の電源トランスは特注品が当たり前ですので、問題ありません。
笑ってしまうのは、当時WEの274A(B)がもてはやされていました。もの凄い高額で取引されていたのです。
勿論僕も其れなりの数を持っていました。
274とこの5AW4を鳴き比べたのですね(勿論同じ条件で)。
圧倒的に5AW4の勝ち(まあ大型管ですので当たり前かと)。
そんな訳で274は全て処分しました。

此のインチキメーカー(商社)は以前6A3という触れ込みの真空管も売っていました。此れも大量に購入したのです。
勿論6A3の名前も以前の型番を消して新しく印刷。
色々と調べましたよ。本当は何よ?

僕の答えはVT52。
そんな時に喜多さんが遊びに来たのです。
喜多さんに鑑定をして貰いましたら、間違いなくVT52。
で、6A3だったので安く変えたんですよ。って僕が言ったら
喜『良い買い物をしたなー。』ですって(笑)。

で、もっと笑えるのが地元のオーディオショップ(アンプも作っていた様な?)の雑誌広告では、6A3の侭で売っていました。見抜けなかったのですね。

エーーー。自分もその仲間(同業者と言う意味で)なので、悪口の言える立場では無いのですが、この辺って色々と有るのです。見抜けない人は立ち入らない方が良いかなと・・・・・。


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昨日はケーブル類の製作でお終い。
動作チェックに入りたかったんだけど、何故か来客が沢山・・(地元の方です)。

そんな訳で、動作チェックは今朝からスタート。
電源と本体を2組のケーブルで繋ぎ、電源にはACケーブルをセット。
此処で初めて真空管を挿します。


今は珍しい(貴重な)シーメンスの箱が8個。
中身は此れ。


未開封の新品です。
この真空管は東西ドイツが一緒に成った直後に大量に買い占めました。
当時の価格から言って東側で作っている筈。
一緒に成ったら・・・・・・・・。

そんな訳で銀行から借金をして数百本(百本入りの箱を数箱)購入した物です。
今でもあの時の僕の行動に感謝。
世の中ではテレフンケンの方が人気が有るみたいですが、僕にはテレフンケンの音は派手過ぎ。
シーメンスの大人の音が好きなのです(テレフンケンよりもバランスが良い)。

どの位持つかな?と言う不安は有ったのですが、何とか持ち切れました(まあそれだけ少量生産と言う事ですけどね、汗)。
百本入りの最後の箱を開けたのは此処へ引っ越してから。

もう、プリアンプを作る数も終わりに近いでしょうから、何とか最後までシーメンスで出荷をしたいですね。





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数年前、12BH7Aと言う真空管を探しました。動作点は12AU7(ECC82)に近くて、大容量管だったのです。
ECC82はプリアンプで大活躍。ECC83(12AX7)では絶対に出せない音楽を奏でていたのです。僕は12AX7(ECC83)は大っ嫌いですので・・。
単にコストダウンに合っている球と思っています。

で、ECC82を其れ成りに使い倒しました。
これ以上は無理だよね。
そんな時に頭に浮かんだ12BH7A。ネットで探しましたよ。若干の在庫は有るがもう作っていない。
お客様に渡すのが大前提の僕のアンプ。将来のアフターを保証出来ない真空管の使用は絶対にNG
(最後の入荷です。希少真空管を使ったアンプです。ナンテ後のアフターはどうするんでしょうね、笑)。
そんな中に12BH7Aと差し替えの効く真空管の情報。
動作条件を散々調べて12BH7Aよりも重い負荷に耐えられる・・・・・。

それが新型管のECC99だったのです。
現物を見て驚愕。
昔の(真空管全盛の)技術では作れない球。現在の技術だから作れた球。

ハイ、昔の技術をあり難がっているのは宗教です。技術は間違いなく進んでます。
当時としては優れていましたが、ウェスタンを有り難がっている人は・・・・・・?
ハッキリ言いますと、ウェスタンは時代遅れです。其れを有り難がっているのは宗教です。

当時の技術では作れなかったECC99にぞっこんだったのです。
で、導入。山勘で動作点を設定。
見事に無事に働いて音質的にも合格(当時のドライブアンプです)。

見事にウェスタンのVT25よりも良い結果を出せたのです(当たり前なんですけどね)。

ドライブアンプで成功したECC99。
甘くは無かったですね。
構造上も気には成っていたんですけど、動作点にシビア。
要は山勘の最初の動作点がまぐれで当っていた。

まあ、自分のアンプで散々勉強しました。
ECC99の良い点とヤバイ点。

非常に良い球ですが、使用条件にはシビア。
でも、動作点をキッチリと合わせた99の出す音は・・・・。




99は微小信号には合いません。ある程度大きな信号にマッチします。
僕の使い方を見れば納得出来る筈です。

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先のブログを読み返したら・・・・・。
ECC82。コイツにはお世話に成りっぱなし。

特別、特徴のある球では有りません。極普通の球。

特徴が有るって言うのは、皮肉に見ると逆側には欠点も有るよね。

本当にECC82は何も無い球です。
其処が好きと言うか、好きと言う感情も無く、数十年使い続けて来ました。

まあ、古女房の様な関係です。

使い始めは、まあ普通に使える。特に使用上の注意点も無い(ECC83って難しいんですよー、判っている人少ないですよね)。
本当に安心して使える真空管なんです(超初心者にも優しい)。
スキルがまだまだだった僕には、優しい真空管だったのです。

で、30年以上過ぎました。
未だにECC82を使い続けています。
何も問題点を見つけられないんですね。

普通、30年も付き合えばボロが出るのが普通(夫婦関係でも、オット)。

でも、30年前と変わらないで極普通に僕と過ごしている。

僕にとって最上の真空管だなー、って今気付きました(本当に古女房)。


初めて作ったギターアンプにも、何も考えなくて極普通にECC82をチョイス。
で、出て来た音は極普通な音。なんのてらいも有りません。
極普通、凄く大切(ある意味難しい)と思っています。

対して、一瞬驚かす音を作るのは簡単です。

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先のアップで勘違いされると困りますので・・・。
300Bは300Aから発展した真空管です(実質同じ物との指摘も有りますが、確認はしていません)。
第二次世界大戦(大東亜戦争)の始まる前に作られた真空管です。
当時の世界水準の技術レベルからは、優れた真空管と思っています(フィラメント電力が少ない)。
当時は電池駆動が多かったんですね。A電池(フィラメント用)の消費電力が一番問題だったのです。

当時の技術を卑下するつもりは有りません。
当時としては、素晴らしい真空管だった。

世の中は、平成を過ぎ令和。

未だに技術レベルが当時に敵わない。
って、本気で考えますか?
宗教に嵌まっている方の話。

『当時は、純粋な鉱石から銅を作っていた。今は色々な混じり物から作られている。』

鉱石も混じり物だらけです。純度の高い銅を作る技術は・・・・・・・・。
少なくとも、ウエスタン純正の配線材が優れているとは思えません(かなり抑え気味に言っています)。

300B、ウエスタンの配線材(半田)。当時の技術では優れていましたけど、現在の技術と比べると言う感覚が僕には信じられません。宗教だなーーと。



あ、序でに・・・・。
オイロダイン(励磁型時代)のウーハーのボイスコイル。
銅の純度はウエスタン並みかと・・・・。
(銅のしなやかさが有りません)

兎に角、古い物を褒め称える業者には近付かないのが・・・・・。

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なんとなく、昔書いたブログを見直していました。
拙い事(今とは違う意見)を書いていないかなー・・・・・。

で、300Bに関する記事が結構多かったので、今現在の正直な所を・・・・・・。

ハイ、300Bはウエスタンの本物(刻印も)を始め、色々なコピー商品も使いました。
ある所では、ウエスタンの本物よりもチャイナの方が音が良かったりして・・(笑)。

で、今の僕にとって300Bは・・・・・。

申し訳有りませんけど、頭の隅にも有りません。
商売上、300Bを持ち上げた方が良いって知っています。

でもねーーーーーーーーーーーー。

EL34が自由に手に入る時代でも300Bを褒め称える人って・・(はっきり言って信用出来ない)。

要は、EL34を使いこなせないだけかと・・・。


もう、直熱管の宗教から目を覚ましましょうよ。僕も嵌まっていましたので・・(大汗)。
直熱管って、戦前の球ですよ。極普通の今の町工場でも作れるレベルです。
ウエスタンの技術もしかり。当時としては凄い技術だったのでしょうけど・・・。

数年前、ウエスタンの配線材を持って来られた方がいました。此れで修理をして欲しい。
まあ、希望でしたので使いましたが、胴の純度の無茶低い配線材でした。
当時としては、此れが精一杯だったのでしょうね。

スピーカーを除いて(現在のスピーカーは技術者が間違った方向へ進めている。世の欲求の所為かも)、それ以外のパーツは、間違いなく現在の方がはるかに高度に作られています。昔を有り難がるのは、新興宗教以外の何物でも有りません。

あ、ウエスタンのハンダをありがたがっているって、大笑なんですけど。
(当時の精練技術を理解していますか?)

ちなみに、当時のウェスタンの技術ではECC99は絶対作れないかと・・。

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まいったな、酔った勢いでのアップです。
双三極管。
非常に使い易いですよねー。1本の真空管に2個の三極管が封入されている。

で、単純に考えましょう。
此の二つの三極管。お互いに影響は無いのだろうか・・・・?

現物を見ましょう。カソードはプレートよりも上下に長い。

真空管の動作原理(あ、此れを理解していない方は退場です)が判っていれば、二つの3極管ユニットが影響し合うって理解しますよね。

特に真空中です。自由に電子は行きかうんです。
二つのユニットに単独動作、ナンテ有り得ない(まあ、取り合えず動けば良いか、程度でしたらOKです)。

こんな単純な理論を無視して、高額なアンプを作っている人に怒りを感じます。



最近ネットを見ますと、此の双三極管のデーターが揃っている(揃っているのを選別した)のをうたい文句で高額な値段設定。

ペアー管と同じです。完全に無視しましょう。
余計な出費です。

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CRパーツが付きだしたプリアンプ。
もう直ぐです。

で、僕の真空管の使い方。
今回は双三極管。
ご存知の様に、一つのガラス管の中に2つの三極管が封入されています。
少しでもコンパクトな機器にする為に非常に便利な真空管です。
まあ、最近は単管の三極管が珍しいですが。

市販のアンプを見渡しますと、此の二つの三極管を其々独立して使うのが普通です。
此処でしっかりと考えて見ましょう。

内部が真空のガラス管の中に二つの真空管が納まっている。
完全に独立して動作すると思いますか?

LUXが得意とする、二つを左右に分けて使う方法。
此れをすると、左右のchセパレーションは可也悪化します。

この結果からも、二つの真空管がお互いに影響し合っているのが考えられます。

そんな訳で・・・・・・・。



僕は二つの真空管をパラって使用。
30年以上、これ以外の使い方をしていません。

昔、散々実験しました。単独で使ったアンプとパラって使うアンプ。
勿論、動作点は全く同じ。電源も同じ物を使いましたので、単独使用のアンプの方が電源には余裕が有ります。

試聴・・・・・。

30年間以上、続けている理由です。


僕の使い方では、関係無いのですが・・・。
市場では此の二組の三極管。動作チェックをして揃っている球が販売されています。
これもパワー管のペアー球と同じです。
特定の動作条件での測定ですから、それ以外の動作点では判りません。
更に使用時間が増えると(と言っても数百時間程度)測定値は結構変わります。
と言う事で、高い出費を僕は薦めませんけどね。

仮説です。
二つの三極管が影響をし合っている。と言うのは左右に分けて使うとチャンネルセパーレーションの悪化で十分想像出来ます。
じゃあ、片chの前段後段に使ったら・・・・・・。

真空管って入力に対して出力が逆相です。
つまり二組の三極管は逆相動作。
内部でNFが掛かっているんじゃないかと・・・・・・。

ハイ、NFって音楽再生には適しません(キッパリ)。
単独使用をすると、NFアンプと同じボケた音(芯の無い音)に成るんですね。

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