平成19年4月18日開店。店主の日々の日記です。
段々と性能を上げて来た励磁型オイロダイン。
ある日、非常に音が悪いのです。でも数十分で元に戻ります。小一時間経つとまた酷い音。

装置を散々チェックしましたが原因不明(丁度真夏)。秋が近付き気温が下がると音の悪く成る時間は一緒なのですが、正常時の時間が段々と長く成って来たのですね。

で、まさか・・・・・・・。

その年の初夏、バッフルを新調しました。其れ迄オイロダインの直ぐ近くに有った励磁電源をラックに納めたので、結果として励磁電源ケーブルが長く成ったのです。

音の悪く成る時間を注意深く探っているとある事に気が付きました。
製氷機が作動していると音が悪く成る。

開店当時から働いている製氷機でして、今現在も活躍しています(40年間以上)。
製氷に掛かる時間は略30分間。タンクがいっぱいに成ると自動でストップ。タンクの氷が解けて(タンクはステンレス板1枚で断熱構造では有りません)再起動。

此の為に涼しく成ったら音の悪く成るのが減ったのです。
励磁電源とオイロダインが近かった場合には起きなかった現象でしたので、まさかでした。

対策は片チャンネル当たり7~8mのケーブル。気付く前は極普通の2スクエアケーブル(キャプタイヤ)。電流値が1A以下ですので全然問題有りません。電圧降下も測定誤差範囲。

でも、此のケーブル延長しか原因として考えられないので、ケーブルをスタッカードへ交換したのです。
本当にまさか、でした。
一発でこの現象は無く成ったのです。
只の直流と油断していたのが悪かったのですね。オイロダインの電源は220V。と言う事はインピーダンスが高いのです。結果外部ノイズに影響を受け易い。

此の長ーい励磁スピーカーを書いた記事。此れが言いたかったのです。
つまり励磁スピーカーは電源の影響を無茶苦茶受けます。
基本、ユニット1個に電源一台(これは譲れません)。つまりオイロダインなら4電源を必要としています。

アンプでも好結果を出してくれたルンダール社製のチョークコイル。
励磁電源にも使って見ました(それまでのマリック製からの交換)。

取り敢えず、片チャンネルだけ換えたのです。
左右の音が完全に変わりました(勿論ルンダールの方が好結果)。
あわてて、反対側のチャンネルも交換。

兎に角面白いのは、アンプで好結果を得られたパーツを励磁電源に使うと、同じ方向の音の変化をし、しかも変化量が電源の方が大きいのです。
つまり使用パーツによる音の変化が、アンプよりも電源の方が大きい。

電源がプアーですと励磁型ユニットのメリットは出せません。
励磁型ユニットってとってもお金のかかる方式なのですね。
其処迄やるとパーマネント方式を凌駕出来ます。

この辺を間近で見ていた僕のお客様(オイロダインのオーナー)。誰一人として励磁型を使おうとはしませんでした。
簡単に言うと、電源に掛かる金額はチョイ高額なアンプ並み。

でも、僕の場合は特殊な事情が有りまして励磁型でないと困る状況だったのです。
ご存知の様にウーハーのボイスコイルは内外共に剥き出しです。その為にオイロダイン純正の袋に入れて使うのですね。
で、この袋。使うか使わないかで音が結構変わります。もち、使わない方が高音質。

と言う事は、磁性体の埃をボイスコイルギャップへ吸い込むのです。僕は何回降ろして分解掃除をしたか判りません(土足の店内ですので砂鉄を含んだ土が入るのです)。

当時のオイロダインのすぐ後ろには旋盤とフライス盤。
もうピンと来たと言うか恐ろしい事をしていたなって気付いたと思います。
アルミの切削ならいざ知らず、鉄系を切削しますと、どうしても細かな鉄粉が舞うんですね。
コイツが磁気回路のギャップへ飛び込んで・・・・・・・。

で、励磁型ですと電源を落とせば磁気の強さは激減します。つまり鉄粉を吸い込みにくく成る(大汗)。
残留磁力が有りますので、ゼロには成らないのですが、かなり防げていたと思います。
そう言う意味では、励磁型への交換は正解だったのかも知れません。

励磁スピーカーに本領を発揮させるには、電源を如何にシッカリとしたものにするか。

オイロダインの電源の中身を言いますと、電源トランスからの高電圧を整流管で直流(正しくは脈流)にし、その後チョークインプットでリップルフィルター。
勿論チョークは2段です。
そのチョークを交換したら、ムチャ音の変化が有った。
勿論リップルフィルターのコンデンサーでも凄く変わります。
最終的にはフィルムコンデンサーを使いました。

今愛用しているケミコンでもテストをしたいですね。
たかが電源、されど電源なのです。

                つづく

次回が最終回に成ると思います。励磁型スピーカーを使う上で、チョットした効果的な方法を書きたいと思います。

で、時効の話。
開店当時、マクソニックとは非常に親しく付き合っていました。励磁型の20cmフルレンジの音決めには僕も結構かかわっていたのです。

当時の技術部長の話(その後2代目の社長に)『20cmフルレンジには世界的な名機が多い。それらと比べられるので、電源にお金を掛けると価格の点で勝負に成らないのです。』
実情でしょうね。メーカーの大小にかかわらず、メーカーはコストとの勝負が何時も控えています。
その辺を開放したいピンキー君なのです。

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